「ジュエリーを売る」ことをためらうあなたへ
「離婚した元夫からの婚約指輪を売却したい」「滅多に使わない真珠のネックレスを売って子供の学費の足しにしたい」多くの女性たちは手持ちのジュエリーを売却することを考えた経験があるのではないでしょうか。
しかし、ジュエリーには往々にして特別の思い入れを持つことが多いものです。
また直接肌に身に着けるジュエリーは持ち主の分身のような存在でもあります。
ジュエリーの売却にためらいを感じる人が少なくないのも無理はありません。
しかし古来その価値を認められ人々のあこがれの象徴でもあったジュエリーや宝石、貴金属は時を超えて受け継がれるべき貴重なものとしてみなされてきました。
そしてなによりジュエリーとは人の肌に着けてこそ輝く存在でもあります。
この記事では実際にジュエリー売却を実行した人たちの売却に至った経緯や不安を感じた理由を中心にご紹介します。
ジュエリー定義の世界標準は「装身具+財産」
日本以外の諸外国において、ジュエリーは肌身離さず身に着ける装身具であると同時に、即時換金可能な財産でもあります。
ですから手持ちのジュエリーの売却あるいは買い替えは珍しいことではありません。
日常的にエンゲージリングとマリッジリングをセットで身に着けるアメリカはじめ欧米の女性たちのあいだでは、数年ごとにリングの石をサイズアップすることもよく行われています。
そのため多くのジュエラーでは、サイズアップ時の価格サービスに余念がありません。
またいわゆる発展途上国と呼ばれる国々においても、町の貴金属店に多くの人が集まっている光景をよく目にします。
彼らにとって身を飾る装身具はいわば財産代わり。
それらを売買する貴金属店は銀行のような存在でもあるのです。
ジュエリー文化発展途上国「日本」
何千年もの民族独特のジュエリーの歴史を持つ諸外国と比較すれば、ほとんどジュエリー文化が根付かなかったのが我が国日本。
日本は古代の一時期を除き、人々が装身具・ジュエリーを使用する習慣がなかった(明治以降からリスタート)諸外国の中でも珍しい国なのです。
そのため現在でも多くの人がジュエリーと接点がなく、手持ちのハイジュエリーといえば婚約指輪のみ、という人が大部分を占めます。
このようにブライダルを除けばジュエリー文化が根付いているとはいえず、日本国内全体で所有するジュエリーのストック量は多くありません。
そして一般の人が気軽にアクセスできる購買から売却までの還流システムが存在していないため、多くの日本人にとってジュエリー売却は非常にハードルが高いのが現状です。
次にジュエリー売却を実行した人たちの売却に至った経緯や不安を感じた理由についてご紹介します。
わたしがジュエリーを売った理由は離婚~法律違反にならない?~
恋愛関係や結婚の解消によって、かつての恋人や配偶者から贈られた指輪やネックレスなどのジュエリーを処分したいと考える女性は多いことでしょう。
処分できてお金が受け取れるうえに、次の持ち主に渡すことができるのだから合理的、と売却に肯定的な女性が増えています。
しかしその一方離婚時には結婚相手に婚約指輪は返却すべきものなのでは?という疑問が生じます。
ひと昔前までの結納が重要視されていた時代には、離婚の際には結納で受け取った金銭や宝飾品は返却することが普通でした。
実際に結婚相手からの婚約指輪を売却した女性たちには「法律的な問題が心配だった」という声がよく聞かれます。
けれども結婚相手から受け取った婚約指輪などのジュエリーの所有権はあなたに帰属するもの。
返却しなければいけない法的理由はありません。
とはいえ、一言「このまま持っていてもいいのか」と尋ねておくと後々安心ですし、また引き際のマナーであるといえます。
わたしがジュエリーを売った理由は経済問題~適正査定で売却できる?~
最近ではリユースショップの普及により、ジュエリー売却について相談できる場所が増えました。
深刻度は様々ですが当面の経済問題に対処するため、手持ちのジュエリーを売却することは一つの方法です。
大きなカラットのエンゲージリングを所有していても指にはめるのは、結婚式出席など特別な場所のみという人が大勢を占める日本。
使わないものを処分して幾ばくかのお金が入るなら、と考えることは自然なこと。
とはいえ「適正価格で売却できるか不安」という人は多いことでしょう。
確かに購入当時の価格同党の値付けの可能性は低いといわざるを得ませんが、複数買取先の査定額を比較する、鑑定書などの資料や外箱を用意する、などの準備で価格は大きく変わるものです。
手間を惜しまず納得できる買取先を探したいものです。
わたしがジュエリーを売った理由は「使わないから」~環境保全のために~
ジュエリーリサイクル大手「RE:TANAKA(リ・タナカ)」を展開する田中貴金属工業株式会社が実施したアンケートによると、日本全国の家庭内に埋蔵されている貴金属ジュエリーの総額は推定1兆6,550億円に上るという結果が出ました。
(参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000005512.html)
つまりは使われることなくしまわれたままのジュエリーがこれほどまでに存在するということです。
ジュエリーを所有することに意味を感じず、また今後誰かに譲る予定もないのなら、ジュエリー売却をためらう理由は全くないでしょう。
しかし、売却したジュエリーがその後どんな運命をたどるのか気になるもの。
まずあなたが手放したジュエリーは、石と地金分に分けられます。
石はまたほかの女性の指を飾り(2010年代後半からインドや中国への輸出増加)、地金は溶かされてジュエリーや、また貴重な希少金属として様々な用途に再利用されます。
一般社団法人資源・素材学会(MMIJ)が発行する「Journal of MMIJ」に掲載された田中貴金属が取り組むリサイクルフローにはあらゆる貴金属が生成される過程が紹介されています。
また、貴金属が消費される分野は拡大の一途をたどり、限られた金属資源の有効利用の重要性が説かれています。
(参照元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalofmmij/123/12/123_12_737/_pdf/-char/ja)
このように不要になったジュエリーを売却することは、限られた貴重な資源リサイクルに寄与することにつながるのです。
不要ジュエリー売却は資源リサイクル活性化につながる!
指輪などのジュエリーを売却することに抵抗を感じる人は多いもの。
しかし宝石や貴金属は姿を変えて生まれ変わることができ、あるいは次の持ち主に手渡すことができます。
ジュエリーを「売る」というかたちで手放すことに慣れることができないあなた。
ジュエリーを手放すということは、自分には不要になったジュエリーを、それを必要とする世界に返す行為なのだと考えてみてください。
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