ペルシャの宝石商の末裔!「ルヴァン/LE VIAN」のオリエンタルジュエリー
ルヴァンのオフィシャルサイト、Instagramのショップページにはきらめくオリエンタルムードたっぷりのジュエリーがひしめき合わんばかり。
目にした人を一瞬で遠いシルクロードの夢に誘います。
ルヴァンがアメリカ・ニューヨークで創業したのは1950年のことですが、故郷イランにおいては何世紀にもわたる歴史を持つ宝石商です。
さかのぼれば18世紀に活躍したペルシャの英雄「ナーディル・シャー」の財宝の番人をつとめ、英国王室の秘宝「コヒノールダイヤモンド」にかかわったことも。
21世紀の現在も、代々受け継がれてきた秘蔵のデザインに基づくジュエリーで人々を魅了しています。
故郷イランの良質なターコイズ、いち早くその価値を見出したタンザナイトやブラウンダイヤモンド(チョコレートダイヤモンド)のコレクションを手掛け大きな中反響を得ることに成功しました。
同時にレッドカーペットジュエラーとしてミシェルオバマをはじめとするセレブ、特にハリウッドの俳優たち、ミュージシャンの装いに花を添えてきました。
この記事ではかつてはペルシャの王の宝石の番人として、現在はアメリカの宝飾界をリードする稀代のジュエラー、ルヴァンについてご紹介します。
ルヴァンブランドヒストリー:ペルシャ時代
稀代のジュエラーとして君臨するルヴァン一族の歴史は、そのまま古代オリエントの時代から続く覇者たちの興亡の光と影の歩みと重なります。
ペルシャ時代のルヴァン一族の足跡を追ってみました。
古代ヘブライ人の末裔
故国イランの地はかねて、様々な王朝が隆盛滅亡を繰り返す舞台となってきました。
そして紀元前6世紀、バビロン虜囚によってペルシャに連れてこられた古代ヘブライ人=ユダヤ人の末裔こそ、ルヴァン一族を含むイラン系ユダヤの人々です。
王室お抱え宝石職人
その後ルヴァン一族は、ペルシャの王たちにお抱え宝飾職人として代々重用されてきました。
そして全盛期には、現在のイランのみならずインド、東欧アルメニアに至るまでを支配した「ナーディル・シャー(シャー=ペルシャ語で王を意味する)」の財宝の番人をもつとめました。
ペルシャ王に財宝の番人に選ばれた理由
なぜシャーは彼らを選んだのか?
その理由を知るには、イラン系ユダヤ人の歴史を紐とく必要があります。
シャーが今のインドにあたるムガール帝国を征服したとき、帝国の宝物蔵に収められていた大量の宝石、財宝を手にすることとなりました。
そこで、時の支配者に対する誠実さと忠誠心の強さで知られるユダヤの宝飾職人たちを、巡礼地マシュハドに定住させ、宝物と宝石を守らせることとしたのです(マシュハドユダヤ)。
その財宝の中には、現在英国とインドの間で返還をめぐって論争が起きている、「コヒノールダイヤモンド(イギリス万博の目玉だった)」があります。
アメリカ移住を決断
あいにくシャーの治世は長く続かず、数多くの財宝が次の支配者たちに奪われましたが、その後もルヴァン一族は時の統治者たちの御用達の宝石商としてペルシャの地で生き延びました。
そして創業者アブドゥルヒムは、1950年新天地アメリカへ一家で移住することを決意したのです。
ルヴァンブランドヒストリー:アメリカ移住から現在
28歳のアブドゥルヒム・ルヴァンが長年の夢だったアメリカ移住を果たして以来、驚くほど短期間でルヴァンはジュエリー界で成功を収めました。
アメリカでの成功の秘密はどこにあったのか?
移住後のジュエラーとしての功績を取り上げてみました。
数世紀にわたって受け継がれた秘匿オリジナルデザイン画
ルヴァンのジュエリーブランドとしての最大の武器は、創業以来何世紀にもわたって代々受け継がれてきた推定10万に上るオリジナルデザインです。
これらの伝統的なデザインとトレンドを巧みに組み合わせる、現在のCEO「エディ・ルヴァン」は、他の4人の兄弟たちとともにルヴァンの経営にあたっています。
ターコイズキング、タンザナイトキングと呼ばれた創業者
はたしてどれほどの宝石をルヴァンが所有しているのか?
多くのジュエリーブランド同様に決して外には漏れない秘密となっていますが、ターコイズ、タンザナイト、チョコレートダイヤモンドの3種類の石はルヴァンのブランドアイコンとなってきました。
ターコイズは和名をトルコ石としながらも、イランこそ歴史上最も早くターコイズが産出された土地です。
アブドゥルヒムは故郷のコネクションをフルに活用して、最高品質のターコイズを多くアメリカのマーケットにもたらしました。
同時に、今後価値が出る新種の宝石を見出す鋭い嗅覚を持ち、早い時期から鉱山を抑えることに成功したタンザナイトの販売も、彼のコントロール下にあったといわれています。
無価値だった褐色ダイヤに付加価値を!チョコレートダイヤモンド
工業用研磨剤として使われるしかなかった褐色のダイヤモンドの美しさを見いだし、市場に価値を広めたこともルヴァンの功績の一つです。
実はダイヤモンドの産出量においては褐色ダイヤがその大半を占め、20世紀後半までは工業用研磨剤として以外使い道がないとされてきました。
大粒ピンクダイヤモンドが産出されることで知られるオーストラリアのアーガイル鉱山のダイヤモンドも、全体の8割はブラウンダイヤであるといわれています。
しかしそのシックな色合いと輝きを見出したルヴァンは、ダイヤモンドや銅を主力製品とする鉱業・資源分野の多国籍企業グループ「リオ・ティント」社と手を結びます。
リオ・ティント社は、GIA基準外のこれらのブラウンダイヤのために新しいカラー基準を定めた後、ルヴァンは大々的に「チョコレートダイヤモンド」と銘打って人気コレクションに成長させました。
現在ではルヴァン最大の人気を誇るコレクションとなっています。
ルヴァン人気ジュエリーコレクション
古代ペルシャの意匠に端を期するルヴァンのジュエリーは、洗練されつくした細緻なデザインと高度な宝飾技術で女性たちを魅了しています。
ここでは、ルヴァンジュエリーの中でも特に注目される「チョコレートダイヤモンド」「アクアフレーズターコイズ」「マルチストーン」コレクションについて紹介します。
「チョコレートダイヤモンド」
大粒の石をあしらったリング、メレダイヤを埋め込んだピアスイヤリング、エッグの形のロケットなど多彩なジュエリーが揃います。
ルヴァンがチョコレートダイヤモンドとして呼ぶブラウンダイヤは、深みのある濃い色と透明度を併せ持つ石のみが選び抜かれています。
「アクアフレーズターコイズ」
青緑色のカルセドニー(玉髄)と称されるアクアフレーズターコイズは、リアルターコイズよりも優しいベビーブルーが魅力です。
大きめのカラットのまま、リングやペンダントにすることでより医師の美しさを楽しむことができます。
「マルチカラープレシャスストーン」
まさにペルシャの王族たちがつけて楽しんだような、色とりどりの宝石をちりばめたコレクションはルヴァンの真骨頂。
カラフルなトパーズやアメジスト、ガーネット、ツァボライトなどを組み合わせたジュエリーが揃います。
ルヴァンのジュエリーを手に入れられる場所
残念ながら2019年現在、日本本国にはルヴァンの店舗はまだありません。
ルヴァンのオンラインサイトで実際に販売されているジュエリーや時計を閲覧・購入することが可能です。
Levian 公式サイト
ドラマに満ちた洗練の極みのオリエンタルジュエリー!
ルヴァンのきらびやかな宝石、ジュエリーの中に息づくペルシャの香りに遠く離れた日本の私たちが、郷愁をかきたてられるのはなぜでしょう?
古代よりシルクロードによって、彼の地とつながってきた記憶がよみがえるのかもしれません。
ルヴァンのブランドネームをより特別なものにしているのは、彼らがたどってきた数奇な運命。
ジュエリーを手に取りながら、シルクロードの王たちの興亡に思いをはせる時間を持てるのも、ルヴァンジュエリーの魅力の一つとなっています。
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