ニュージーランドでのテロ
ニュージーランドで史上最悪のテロ事件が発生しました。
今回は、なぜこういったテロが起こるのかを考えていきます。
白人至上主義の青年がクライストチャーチのモスクで無差別の銃乱射を行い、多くの死傷者が出ました。
ニュージーランド銃撃の容疑者、出廷
https://www.bbc.com/japanese/47593652
引用元:BBC NEWS JAPAN
このような痛ましい事件が起こり、ニュージーランド首相は声明を出しました。
首相「我々の国ではない」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190316-00000054-jij-asia
引用元:Yahoo!JAPANニュース
日本でも連日トップニュースになっていますが、今回はなぜこのような痛ましい事件が起こるのかの解説です。
ニュージーランドの経済情勢【1】1990年代
ニュージーランドでこのような事件が起こる背景は極めて単純です。
下記グラフは、ニュージーランドの年間成長率になります。
1992年以前に景気が低迷したのは、過度な社会主義体制を取ったためにIMF(国際通貨基金)管理になったことが原因です。
その後の1990年代は、特に欧米人を中心とした移住が大ブームになったことから大きな経済発展を遂げています。
ニュージーランドの経済情勢【2】2000年代〜現在
2000年代前半や2006年前後からは、アメリカの景気後退を受けての景気後退であることが明瞭です。
しかし近年、特に2016年以降は年々成長率が減少しています。
原因は、隣のオーストラリアでの住宅バブル崩壊の影響もありますが、1990年代後半に世界の理想郷と謳われたニュージーランドには想像もつかない状態です。
つまり、景気の後退が今回の事件を呼んだと言っても過言ではありません。
犯行の背景【1】ニュージーランドの労働コスト
次に今回の容疑者の背景を考えていきます。
下記グラフは、ニュージーランドの過去2年分の労働コストです。
労働コストとは、企業が雇用から採用、そしてお給料に支払う額のことになります。
2018年10-12月に、明らかにそのコストが減っています。
理由は定かではありませんが、企業にとっては好都合なことです。
なぜなら、雇用コストの低減につながるからです。
犯行の背景【2】若年層労働者失業率と賃金
下記グラフを見ると、労働コストとは対照的に、若年層労働者の失業率が2018年10-12月期に急騰しています。
つまり、今回の事件の容疑者の白人至上主義の背景は、真面目にやっていたのにリストラされてしまったという光景がなんとなく浮かび上がる構図です。
ところが次のグラフからは、労働コストが減っているのにもかかわらず、お給料が増えていることがわかります。
その上に若年層の失業率は急騰している、という構図から考えられることは、非常に明瞭です。
つまり労働コストが劇的に下がったのは、おそらく人件費の安い労働者が大量にニュージーランドにやって来た…。
そこで、単純労働しかできない若者の失業者が増加した…。
犯行の背景【3】失業による怨嗟
お給料が増えているのに、なぜその仮説が成り立つのか疑問でしょうが、お給料の統計はどの国でもかなりのタイムラグが出ますので、今後この仮説を証明するかどうかをきちんと確認するほかない、ということになります。
要するに、この容疑者はおそらく移民によって失業して、その怨嗟(えんさ)から犯行を行ったのだろうと推測されます。
事件の背景が「人種差別だの、何とかだの」とメディアでは騒いでいますが、結局のところ、真面目に働かない白人労働者が単によく働く移民に追い出されただけでしょう。
自分の至らなさを棚に上げ、他人のせいにした幼稚でお粗末な犯行だと考えることもできます。
ニュージーランドとアメリカの共通点
ニュージーランドで起こっていることと同じことをやっている国があります。
言うまでもなく、アメリカです。
トランプ大統領は、職場を移民によって追い出された白人の圧倒的支持を得て当選しました。
エビデンスはありませんが、個人的な意見として、トランプ大統領自身は特段人種差別主義者でもないと思っています。
彼は労働者階級ではなく経営者層なのですから、よく働き真面目でお給料も安い移民労働者を好むはずです。
実際に、家賃を払わない居住者には散々なことをやっていますが、きちんと払い続ける人には有色人種であろうと丁寧な対応をしています。
従業員に対しても同じで、働く人には胸襟を開きますが、働かない人には無茶苦茶な振る舞いをしています。
つまり、単に大統領になりたいから白人有権者に耳障りがいいことを言ったのみで、彼の背景を考えれば、決して人種差別主義者ではないはずです。
レイシストを生み出すもの
問題はトランプ大統領にあるのではなく、アメリカの有権者にあります。
いくら白人の学歴の低い人たちが失業し、収入が低いままであっても、自分たちに耳障りの良いことだけを言う人を大統領にしてしまう…、そんなアメリカの有権者が問題です。
そしてこうした根幹の問題を、すべてトランプ大統領のせいにしてしまう傾向こそが問題なのです。
民主主義という素晴らしいシステムを有権者がきちんと考えて運用しないから、こういったレイシスト(人種差別主義者)や犯罪を生み出す傾向があります。
自分さえ良ければすべてOKという考えに基づけば、今回のニュージーランドでの事件やアメリカで起こっている事件はいくらでも起こり得ます。
歴史に学ぶはっきりとした真理
人類の歴史ではっきりしていることがあります。
人間は自分の生活が成り立たなくなると他人を攻撃する傾向がある、ということです。
世界的に無差別テロや偏向的な政権ができるのは、結局、食えない人が多数いるからだと考えられます。
ニュージーランドの事件は、上記のデータを見ても起こった背景は明らかです。
日本で韓国人に対するヘイトデモが起こるのも同じ理由です。
あのデモに参加している人の本当の理由は、おそらく食えないからでしょう。
フランスでもデモが暴徒化していますが、理由は同じです。
いわゆる「イスラム国」の無差別テロも同様です。
韓国政府の日本政府への無茶な要求もです。
以前に書いたような展開になっていますが、今後再び北朝鮮が暴発するリスクも存在するでしょう。
ベネズエラが混乱に陥るのも同じ理由です。
テレビやメディアに出る解説者は、小難しいことばかり言っていますが、こういったテロなどのいたましい事件が起こる理由は、共通して「食えない」からです。
今後もテロは世界各地で起こる
メディアでは、このようなテロなどが起こる原因をきちんと解説していません。
なぜ起こるのかと言えば、理由は単純で食えないからです。
今後おそらく、世界的な景気の低迷によって食えない人が増えます。
要するにニュージーランドで起こった事件は、今後も世界各地で起こると個人的には考えています。
このような状態のときに金の価格が下がるかといえば、言うまでもないでしょう。
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