金利の動向
金について、5月末から金利が急騰することによって価格が低下すると以前に解説しましたが、情報が間違っていましたので、訂正の解説をしていきます。
アメリカの金利は、去年4月から12月まで、ドル高の影響を受けて物価は低下傾向にあります。
物価が通貨の高安によって推移する傾向があり、その最終的影響が現れるのは6ヵ月後ということをいつも解説しています。

2018年4月からドル高が始まり、2018年12月に急落している傾向が読み取れます。
2019年、ドルは買いになっていると思いますが、このグラフは事実ではありません。
これは、ドルインデックスという金融商品がユーロが安いと相対的に高くなる傾向があり、その結果、ドルインデックスが押し出されているという帰結になりますので、上記の2019年のドル相場は適切ではありません。

ユーロが下がり過ぎた結果、ドルが相対的に高くなっているように見えるだけです。
実際のドルは、2019年にはそれほど上昇していません。
だから、金が高値圏内にあるのです。

2018年4月にドル高に転換していますので、物価は半年遅れのOct 2018から下落が顕著になります。
2019年の物価は3月から上昇していますが、去年よりは伸び率が悪くなっています。

10月から金利が急落し、12月からは本格的になっています。
ドルの動向から半年後というのがお分かりになるかと思います。

青い線がゴールドの価格、黒い線が金利の動向です。
金利が下がれば金価格が上昇し、金価格が下落すれば金利が上昇しているのが見事におわかりになると思います。
このように金の価格は現在、金利の動向を横にらみで動いています。
金利の動く条件

金利の動く条件には以下の通りです。
① 物価の上昇、下落
② 政策金利の上下動
③ 政府債務の拡大、縮小
このうち、①は上記で解説しました。
②のFRBの金融政策は、一言も金利を下げると書いていないのですが、摩訶不思議なことにメディアは金利引き下げ期待論を堂々と書いています。
なぜFRBは利下げすると一言も言っていないのに、メディアは下げると言うのか不思議です。
アメリカの財政に関しては、最近ようやくアメリカのメディアでトランプ大統領の野放図な財政支出が議論の的となっています。
しかし、最終的には金利は物価の上下動が一番影響することであり、去年12月から本格的なドル安になっているのですから、6月から物価は上昇するだろうことが推測されます。
実際に物価の上昇が確認されるのは、経済指標は1ヵ月遅れで発表されますので、7月になります。
つまり金利の上昇傾向が確認されると、金の価格は現在、金利動向に大きく左右されていますので、7月に金が頭を打つという基本方針は変わりがありません。
5月末のアメリカ国債「先物」納会

以前から、5月の末にアメリカ国債「先物」納会があると記してきました。
この国債先物納会は3ヵ月に一度です。
2、5、8、11月の最終営業日から7営業日前が納会で、月末の最終営業日が受け渡し日になります。
今年の5月の納会は5月23日で、受け渡しは5月30日です。
よくわからない方が多いと思いますが、先物というのは基本的には期限付きの取引のことです。
FXはロールオーバー方式といい、基本的には取引期限がありません。
しかし、通常の先物取引には取引期限があります。
納会とは?

この納会とは取引期限のことを言い、アメリカ国債先物の場合、5月は23日が取引期限です。
そして、30日が現物の受け渡し期限になります。
ご存知のように先物取引というのは、通常の取引は丸代金、総代金で取引するものですが、先物取引はレバレッジを効かせていますので、総代金を払い込む必要がありません。
通常は、代金の1/10の金額で先物取引ができます。
その1/10の金額で取引できるのは5月23日(納会)までになります。
ここから5月24日~30日までは総代金での取引になり、売り方の場合は現物の国債を渡さなければいけませんし、買い方は国債を買い取れる量の現金を用意しなければいけません。
その最終的な決済日が5月30日になるのです。
これで2019年5月30日が取引期限の先物取引は全部終了になります。
この日までに現物を引き取るか、渡すかの選択を国債を売買している人たちは決めなくてはいけないのです。
実際の売買状況
実際の売買状況は以下の通りになります。

上記は、投機家と言われる人たちがどういうポジションを持っているかのグラフです。
銘柄はアメリカの10年物国債で、右の軸は0が真ん中になっています。
青い棒グラフが0より下にいっている場合は売り越しているという意味です。
大手投機家は少ない資金で効率よく資産を運用したいので、当然、現物取引と先物取引という選択肢の中では資金が少なくて済む先物取引を選択しています。
このグラフでは、大手投機家(ファンド)が債券を売っているのですから、このグラフはファンドが大曲がり、要するに大損していることを示しています。
グラフではわかりにくいのですが、通常、債券は値段が上昇すれば金利が低下、値段が下落すれば金利は上昇しています。
実際の金利の動き
ファンドは、債券を売っているということは、価格は低下、金利は上昇ということにならなければいけませんが、実際の金利の動きは以下の通りです。

現在、アメリカの金利は、ほぼ年内で最低の金利になっています。
つまり、債券価格が上昇しているから金利は低下していることになります。
ファンドは、売っているのですから大損です。
そこに先物取引をしているのですから取引期限があります。
納会期限が来れば現物の受け渡しをしないのであれば、5月23日までに売っているものを反対売買で決済しなければいけません。
すなわち買い戻し、買いを行うのですから、価格は上昇、金利は低下になります。
その結果が年初来、最低金利の示現となっているのです。
さらに、より有利な条件で手仕舞いしたいファンドは、5月30日まで待って決済しようとします。
5月30日までは、アメリカの金利は低下し続けることになります。
そうなると、金の価格は金利に連動しますので、この月末は金の価格は急騰することになります。
ビットコインの値動き
ビットコインは金と同じような動きをすると解説しましたが、実際に以下のようになっています。

ビットコインは4月から急騰していますが、さらに5月末に向けて急騰しています。
上昇は、金利の低下が主要因になりますが、新規の投機資金が入っていることも要因です。
この新規の投機資金は、おそらく日本企業のものと推定されます。
現在の金価格の上昇もビットコインの上昇も、金利の低下に伴い上昇しているということです。
ファンドの特性

アメリカ国債先物の納会、受渡日を通過すると、ファンドは何をやってくるかといえば、また新しい取引期限の先物を売ってきます。
これはファンドの特性になりますので、おそらく変わることがありません。
ただ、実態経済の金利は物価が上昇しませんので、金利が上昇してもわずかになるでしょう。
金利の本格的な上昇は7月と言っているように、6月いっぱいは金利は低いままになると思います。
参考までに、ファンドは国債を大量に売っていますが、その一方で株を大量に買っているのです。
つまり、ファンドは何かを売れば何かを買うというバランスの上に売買を行っています。
ファンドは株で大量に儲けており、株が急落した場合は債券も一緒に売られるので、その株のヘッジとしてアメリカ債券先物を大量に売っているのです。
ファンドは債券先物で大損していますが、株で大きな利益を得ていますのでトータルで儲かっています。
決してファンドの運用成績が悪いということではありません。
今後の展開

5月30日までは、金利の低下によってドル建ての金、ビットコイン価格は上昇するでしょう。
しかし、5月31日以降は金利が下がり過ぎた反動で、一転上昇する可能性が非常に高いです。
短期間で金利が低下しましたので、その反動高はおそらく6月の上旬にきます。
しかし、金利上昇の本格化は、物価指標の指標が発表される7月上旬以降になるということです。
今までは金の頭は7月と言い続けましたが、物価の上昇傾向が最初に示されるのはISM製造業指数、雇用統計、中旬ころの消費者物価指数、15日前後のPCE価格などがあります。
このどこでマーケットが物価上昇を確認するのかはわかりませんが、7月の上旬ころには物価上昇が確認されることになります。
この近辺になれば、指標動向を解説をまたしていきます。
直近は急騰すると思いますが、調整が入る可能性が高いということ。
そして最後の上昇になりますので、7月上旬に向けての上昇は相当厳しいもの、鋭角に上昇する可能性が高いと言いたいのです。

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