日本の景気、本当は良い!

実は日本の景気は良い!

トランプ大統領が中国を筆頭に貿易戦争を仕掛けた結果、世界経済が減速していると一般的に言われています。

世界景気の減速は確かだと思いますが、それに伴い日本の景気減速も進行しているという意見は甚だ疑問です。

今回はそのお話しをしていきましょう。

日本の景気は、内閣府が景気判断を下方修正したり、回復基調になっていると判断を二転三転させている状態ですが、いつもの実効為替レートを見てみましょう。

日本の実効為替レート、実は急騰しています。

参考として韓国と中国の実効為替レートを見てみましょう。

中韓と比較すれば、日本の実効為替レートがいかに好調かがよくおわかりになるでしょう。

実効為替レートとドル円などの為替レートの違い

通常の為替レートは比較対象となる他の通貨があって成立する

以前に説明をしておりますが、実効為替レートとは貿易量を表現します。

中韓両国が、アメリカの貿易戦争の影響をまともに食らっていることを示すのが上記のグラフです。

では、ドル円などの為替レートと実効為替レートの違いを説明しましょう。

ドル円とは、ドルと比較して円はいくらなのかというレートです。

ドルという比較対象があって初めて成立するレートであり、円の単独のレートではありません。

実効為替レートとは?

最近の円の実効為替レートは円の貿易が増えていることを表している

一方、実効為替レートとは円単独のレートです。

実効為替レートの上昇は、円の貿易量が増えていることを表現します。

この貿易量には、例えば日本の会社が海外の会社を買収する場合、現地の通貨で買収するのが当然になりますので、為替レートを使いますから実効為替レートに含まれます。

反対に海外の会社が日本の会社を買うのも貿易の一部です。

また、日本がアメリカの発行する国債を買い付けたり売却したりする場合も貿易になります。

つまり外貨を使ってディール、売買を行うすべての貿易量に反映し、実効為替レートにも含まれます。

このことを貿易量のカテゴリーの資本取引と言います。

海外の会社を買収するにしても、日本の景気ないしはその会社が儲かっていなければ、成立しないわけですから、実効為替レートの上昇は景気が良いことを意味します。

つまり、実効為替レートから見る日本経済は非常に好調なのです。

一方で世間、つまりメディアは日本経済が非常に悪いと高らかに喧伝していますが、日本の景気が悪いなんて真っ赤なウソです。

実効為替レート上昇までの経緯

全くまとまらず、報復関税合戦の様相を呈する米中貿易戦争

日本経済が本当に良いのかという話でいけば、この5月からの実効為替レートの上昇の原因を探っていかなければいけません。

米中の貿易摩擦は去年からスタートし、今年の3月1日を期日として交渉していました。

ところが、今年2月に米中双方が3月1日の合意は難しいと表明し、アメリカは60日間の延長、つまり5月1日までを主張し、中国は90日間の延長、つまり6月1日までの延長を表明しました。

この決着はついていませんが、トランプ大統領は、日本の連休前の4月末に「米中交渉はうまく行っている」とお得意のツイッターで表明し、5月2日になると「進展が遅い」と手のひら返しのようにツイッターで言い出したのです。

その結果、連休明けの5月10日までに交渉がまとまらなければ追加関税だ、と言い出し、実際にまとまらないので追加関税を決定しました。

米中貿易交渉の現状

大阪でのG20サミットでトランプ大統領と習近平主席の会談が行われることになるだろう

一方で、中国が表明した延長期限である6月1日にもやはりまとまらず、今度はトランプ大統領は「メキシコだ」と言い始めました。

弊社はまとまらないと予測しましたが、実際には妥結し、期日の6月10日に関税が課されることはありませんでした。

肝心の中国は、6月28日以降に大阪で開催されるG20サミットにて米中会談を開催し、解決に向けて努力することを表明しています。

この理由は、事務方同士で交渉を行っても全くまとまる気配がなく、もはやあきらめムードと伝えられているからです。

つまり、状況は米中の首脳によって解決するほかないという方向性で、習主席が大阪サミットでトランプ大統領と会談しないかもしれないという報道が流れていますが、通常に考えてそんなことはあり得ません。

もし会談をしなければ、中国はアメリカ輸出に対して25%の報復関税を受け入れなければならず、会談しないわけにはいかないというのが通常の判断になるでしょう。

もちろん、先日の米朝会談が物別れに終わった結果を見ても、期待は多くできません。

これが、現状です。

なぜ5月から実効為替レートが急騰したのか?

日本の主要な貿易港の一つである大阪港

なぜ、5月から日本の貿易量が上昇したのでしょうか。

まず、日本の貿易概況は、主な輸出先はアメリカと中国になり、それぞれ総輸出量の21%と20%を占有し、1位、2位になります。

アメリカが中国からの輸出に10%の関税をかけたのですから、中国の貿易量は減ります。

日本は中国に対して部品を供給し、それを中国が完成させてアメリカに輸出しているのですから、日本の貿易量も減って当然です。

これがアナリストや専門家の見解になりますが、「実際には増えている。」というのが弊社の意見になります。

貿易量が減れば、輸出で稼いでいる会社群は儲からなくなり、それが株価の押し下げ効果となり、引いては日本経済が停滞するというロジックですが、実際に貿易量は減っていません。

増えているのだから会社の利益は増え、株価は上昇するはずなのですが、実際は下がっているから、専門家やアナリストの意見に賛同する人が多いのでしょう。

しかし、実際に根幹の貿易量が減るという仮説が間違っているのです。

実効為替レートから見れば、実際に貿易量は上昇しているのですから、世間が間違えているということになります。

こういうところに儲けや投資のチャンスがあるのです。

日経平均などは必要以上に売られてしまっているのですから、安いところを買えばいいのですけど、いろいろ考えなければいけないことがありますので、推奨はしません。

なぜ日本の貿易量が増えたのか?

再びメイドインジャパンが世界を席巻する!?

なぜ貿易量が増えたのかを考えましょう。

あなたが、中国からアメリカへの輸出担当者だったらどうしますか?

中国から第三国へ輸出して、そこを経由したことにすればアメリカの関税は回避できるので、日本や韓国、台湾経由でアメリカに荷物を運ぶと迷わず答えるのが通常です。

これが、対中制裁が発動された結果、5月から円の実効為替レートが急騰した原因でしょう。

さらに今後、アメリカと中国は妥結しないでしょうから、関税がもっと上昇するリスク、そして現在の製品の値上げを考慮に入れなければいけません。

そうした場合、日本の製品と中国の製品、どちらが高いかの問題でしょう。

これは印象の問題であり、世界に冠たるメイドインジャパンとチャイナ、どちらを消費者が選ぶのかです。

安いけど機能に不安がある中国製品を選ぶか、高いけど機能には安心がある日本製品を選ぶかの問題で、どうせ高いスマホを買うのであれば、中国製よりも日本製をほとんどの人が選ぶと思います。

そうなると、日本の会社や工場への注文はどうなるのかという問題です。

つまりこの状態が続けば、人件費のコスト高を嫌い中国に移転した工場群の日本回帰を催促する経済体制になるのです。

アメリカは中国を徹底的に叩く

ペンシルバニア州ヨークのハーレーダビッドソンの工場

日本人としては製造業の回帰を願うのが通常ですし、思い出してほしいのが、トランプ大統領がハーレーダビッドソンがアメリカ本土から離れることを非常に懸念していた点です。

今から考えれば、中国や台湾、韓国などの安売りメーカーを政治力で追い出すから、今は我慢してアメリカで作っていなさいという教唆のような気がします。

実際に、日本はそうなろうとしているのですから。

実効為替レートを見ると、日本の経済は決して悲観的な状況ではなく、むしろ長期的な将来性は非常に明るいのです。

アメリカに法外な関税をかけられた中国の製造業は、もはやコスト面、品質面でも世界の工場としてなり立たなくなっています。

もちろん、この制裁が続けばの話になりますが、ハーレーの話を思い起こすと、これは中国を徹底的に叩くという意味に見えます。

アメリカ経済はバブルの可能性

日本は好調ですが、アメリカも好調というのはおかしいという意見もあるでしょう。

なぜなら、中国に進出した日本企業や中国の製造業が日本経由でアメリカに輸出をしているから好調ということになりますが、アメリカにはその恩恵などありません。

つまり、報復合戦になった分、輸出量が落ちることになります。

しかしアメリカの実効為替レートを見ると、やはり5月から上昇しているのです。

つまり中国の代替先をすでに確保していることになります。

おそらく、その代替先は日本になるのでしょう。

中国の第三国経由地が日本になっただけで、日本の実効為替レートがあれほど上昇するわけがないからです。

つまり、アメリカから今まで中国に注文を出した分を、韓国や台湾ではなく日本に注文している可能性があります。

しかし、コスト高になりますので、その分、アメリカ国内では物価の上昇が観察されなければいけないのが、逆に物価が下がっているため、利下げの議論が出るわけです。

コスト高がまだ消費者に転嫁されていない状況ですから、物価の上昇は今後見込まれることになります。

ゆえに、利下げなんてあり得ないというのが弊社の見解です。

今後、物価が上昇すれば消費が冷え込むのは目に見えていることであり、現在のアメリカの株価はバブルを形成していることになります。

その上、物価が上昇し始めたら、金の価格は今まで低インフレ、低金利によって上昇していたのですから、どうなるか、言うまでもないでしょう。


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