韓国政府へ日本が実質的な制裁に踏み切ったことへの解説

事の経緯

日本政府が韓国政府に対して実質的な制裁を課しました。

このことに不安を感じている方が非常に多いと思いますので、解説をしていきます。

韓国海軍の駆逐艦・広開土大王からレーダー照射を受けた自衛隊のP-1哨戒機

去年12月に自衛隊の哨戒機への韓国軍のレーザー照射事件が発生しました。

韓国政府はこれを否定していますが、日本政府は韓国の反論に対してエビデンスをもって説明しました。

この事件に関して、国際世論がどのようになっているかはよくわかりません。

ただ、事実を明らかにした日本政府と事実を隠した韓国政府のどちらに非があるのかを合理性に基づき判断すると、日本に理があることは言うまでもありません。

合理性、整合性、ロジカルな面で見てこう書いているだけであって、特段どちらの肩を持つということではなく、当然、韓国の主張に理があると判断すれば、韓国の肩を持つでしょう。

しかし、残念ながら韓国の方に理が見いだせない状況です。

事件の背景

ソウル高裁の判決により元徴用工と遺族への賠償命令が下された三菱重工業

事件の背景は、いわゆる徴用工の問題において、韓国の最高裁判所が日本企業の資産を売却することに同意したことに問題があり、さらにさかのぼると、前大統領の汚職疑惑に対して市民が大規模なデモによって倒閣したことがあります。

この結果、現政権は市民感情に配慮し、日本政府に対しては強行姿勢で臨む方針があることが背景です。

結果として、事務方レベルでの協議が没交渉になっていることが、今回の実質的な制裁の発動になっています。

今回、日本政府は友好国の認定を取り消し、輸出制限を加えたということが詳細になります。

8月以降の追加措置も発表していますが、これは現段階では間違いなく発動されます。

日韓友好?

渋谷のタワーレコードの壁に貼られた韓国歌手グループのポスター

市民レベルでは、日本の女子高生の間では、韓国のアイドルやダンス好きが多いことは知られています。

一方、韓国でもアニメなどを筆頭に日本好きが多いことが知られています。

しかし、「だから、大丈夫だ」という発想は非常に安易であり、ロシアのプーチン大統領は柔道愛好家として知られますが、自国の権利を大幅に譲歩することとそれは別の話です。

中国でも日本のアニメが流行していますが、これと尖閣諸島は、国民意識では別問題という認識が当たり前のように存在します。

つまり、日本は好きだけど国益に関わる話は全く別次元だ、というのが根幹として存在します。

日本から韓国に観光などで訪れる人数は月間30万人、逆に韓国から日本への韓国客は月間で60万人にも上ります。

「だから、大丈夫だ」と言う人がこれからたくさん出てくることでしょう。

話は非常に簡単で、自分の家族が一番大事という、人間固有の帰る家という概念の問題です。

相手の家族のここは好きだけど、自分の家族を犠牲にしてまでリスクを負うことはありません。

相互交流が活発だから問題がこじれることはないなんて安易な考えに迎合することは、極めて危険な発想になります。

相手の利益を傷つけることによって相手が豹変するリスクを甘く見てはいけません。

この問題は、相互交流が活発なだけに深刻な危機を迎える可能性が高いのです。

韓国経済の現状【1】GDP推移

話をわかりやすくするために、韓国経済の現状について話していきます。

参照元:TRADING ECONOMICS

上記は韓国のGDP総額推移になりますが、1990年代にNIEsの一員として発展し、東南アジア通貨危機によって大きく落ち込んだ後、成長を加速させて行っています。

これを年率の成長で見ていきましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

ここ10年は成長が安定していましたが、一番最後の右端を見れば明らかですが、リーマンショック直後以来、最低の成長率になっています。

つまり、不景気入り寸前であると言っても過言ではありません。

韓国経済の現状【2】景況感指数

超先行指数と言われる製造業の景況感指数も見ていきましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

景況感指数は50が好不況の分かれ目と言われおり、現在50を大幅に下回っている状態で不景気ということができます。

自衛隊機にレーザー照射をした12月も50を下回っており、当コラムで、経済が不景気になると世の中が乱れると言っていることと符合します。

韓国経済は11月から50を割り込んでおり、11月には、中国経済が少し後退したかもしれないという程度で韓国は大きく風邪を引いてしまったような状態です。

当時はまだ貿易摩擦もさほどひどくなく、結果として韓国経済の構造的な問題と断じることができます。

今回、6月の製造業PMIが最悪な数字ですが、日本の措置、そして韓国の公害問題で、今後ほとんどの製鉄所が操業停止に追い込まれるでしょう。

7月の製造業PMIはさらに低下する恐れが高く、ますます韓国は日本に無理難題を要求してくることが予想されます。

日韓は互換関係

たしかに韓国は日中韓のトライアングル貿易の中で欠かせない国

日本は、大幅に韓国から貿易黒字を稼ぎ出しています。

一方の韓国は、日本からは貿易赤字を出していますが、中国からは大きく貿易黒字を稼ぎ、アメリカからも貿易黒字を出しています。

この日中韓のトライアングル貿易の中では欠かせない国になっており、韓国の停滞は日本の停滞にもつながりかねませんので、1997年に発生した東南アジア通貨危機にて日本は韓国に大幅な援助を出しました。

しかし、現状は事務方、つまり官僚級の対話も行われない、G20でもトランプ大統領のようにトップ同士で対話が行われない状況です。

参考までに、G20開催寸前に韓国大統領が日本の安倍首相に会談を申し込んだと伝えられますが、おそらく日本が散々トップ会談を申し込んだにもかかわらず、韓国側が拒否し、寸前になって会談を申し込んだというのが真相でしょう。

その直前に会談を申し込んだことだけをリークして、日本を悪者に仕立て上げたことに、日本政府は怒りのピークになっていると思われます。

これが今回の実質的な制裁の原因ではないでしょうが、このような政治判断になった帰結とも言える事件です。

韓国の国内事情

2019年3月1日、韓国の独立運動を祝う日に繰り広げられたデモンストレーション

今年の年初から解説してきたように、韓国政府は、日本に肩入れしすぎると市民のデモなどによって政権がもたないのは明白です。

前大統領に仕えた日本びいきの官僚が軒並み刑務所行きになった事実を見れば、日本の官僚、事務方との秘密交渉が表に出た場合、同じような運命をたどるので、やりたくてもできないというのが真相でしょう。

韓国の議員団が日本を訪問し、その能天気さに菅官房長官があきれ果てたという報道がありましたが、韓国の議員も日本の国民も、そこまで関係が悪化していると思っている人は少ないでしょう。

今回の実質的な制裁によって、おそらく韓国との関係が最悪になっていると認識した日本人も多いのではないでしょうか。

韓国の思惑

現在の韓国の政権は親北朝鮮

韓国の思惑はどこにあるのか?

それは、現政権が親北朝鮮を背景に成立していることです。

前大統領があのような辞め方をしたのを見て、市民の要求が北朝鮮との統一にあることは明らかです。

つまり北朝鮮と近づき、親交を図りたいというのが思惑になります。

拉致問題などで北朝鮮を刺激ばかりしている日本とは、仲良くしてはいられないということでしょう。

ほかにも、かつて日本が朝鮮半島を支配した慰謝料は、韓国にはすでに支払い済みで、この問題に関して韓国が国際社会で文句を言うことは法的にはあり得ないことです。

日本政府の間で何度も「不可逆的」と謳い条約などを締結しますが、そのたびに「やっぱりやめた」と言って従軍慰安婦の基金などを返還しようとします。

言葉は悪いですが、一度約束したこと、しかも文書で証拠もあることを、自分の気分が乗らないから「やめた」と平気で言う国民性です。

その背景には、前政権が市民の言うことに逆らい、従軍慰安婦問題を解決したらああいう目に合ったということがあるのでしょう。

徴用工問題は司法と行政の結託による!?

安倍首相以下、日本政府の対応は当然のこと

今後、平和条約を締結するかはわかりませんが、北朝鮮に対しての日本の戦時賠償が発生することは確実になります。

ここに韓国はゼニを出せと要求することが、スケベ心にあることは間違いありません。

現実的に韓国の老齢年金はあってないようなもので、その額は月に1万円程度です。

いくら韓国の物価が安いといっても、これでは生活できません。

そこで日本の戦時賠償をもう一度と狙っているだけの話です。

もう二度と戦時賠償は要求しないと文言に謳われている日韓平和友好条約を骨抜きにするために、裁判所と政府が結託して行っているのではないかと疑ってもよいでしょう。

韓国の下心

なぜ日本人が払った税金で韓国の貧しい老人を救わなければならないのか…

参考までに、韓国と北朝鮮が統一した場合の国家体制は、共和国・連邦制となると両国で合意しています。

韓国政府は北朝鮮と一緒になることで、賠償の二重取りを狙っているのではないかという話もあるのです。

これはあくまでも事実から想定されることですが、韓国の老人は年金だけではとてもではないが生活ができない、だからそれを日本政府に払わせようという魂胆です。

それをやれば、国際的にも国内的にも日本では大問題になりますので、弱腰の姿勢などできるわけがありません。

今回の措置が撤回されることもありませんし、さらに強化されるでしょう。

徴用工問題をはじめ、すでに解決した問題をちゃぶ台返しのようにひっくり返し、問題を蒸し返す姿勢に日本政府は怒り心頭です。

この問題は、間違いなく解決などしません。

万が一、韓国と北朝鮮が統一されても無理でしょう。

単なるわがままを言いまくる韓国

「安全保障も貿易も韓国に譲ってやって、奴らはなんでゼニを一銭も払わないのだ!」というトランプ大統領の怒りはもっとも

トランプ大統領が「いずれ、在韓米軍は撤退することになるだろう」と折に触れて言うのは、南北の統一が現実味を帯びているからでしょう。

一方、トランプ大統領の思惑として、「安全保障も貿易も韓国に譲ってやって、奴らはなんでゼニを一銭も払わないのだ!」というのは的を得ており、本気で韓国の安全保障をつぶしにきている側面もあります。

南北統一が実現しなくても、アメリカはおそらく韓国に対して、安全保障の一部負担を求めるでしょうが、自国の老人でさえ面倒を見切れない国にその予算などあるわけがありません。

もし、お金を払わないとなれば、トランプ大統領は本気で韓国から軍を撤退し、韓国を北からの脅威にさらすことになるでしょう。

韓国は中国との貿易も取りたい、日本からは戦後補償を取りたい、アメリカからは貿易黒字と安全保障も取りたいという、単なる子供のわがままのようなことを言っているのです。

韓国は世界から見放され破綻する

このまま行けば、韓国は再び東南アジア危機のように破綻するだけ

韓国を批判すると「よくない」という声が支配的になりますが、きちんと現状を分析すれば、韓国は何も決められないだけです。

どこかの顔を立てれば必ずゼニが発生するのですが、そのゼニがない、これが韓国の現状です。

早晩、世界から見捨てられることになるでしょう。

韓国政府に言いたいことは、何も決めないのが最善なのではなく、何かの方針を立て、きちんと国の方向性を組み立てよ、そうすれば、何がやりたいかが明確になり、周辺国や世界は韓国を援助するでしょう。

しかし現状、何も決められない、決めないのですから、周辺はどうしようもない、と見捨てるほかありません。

このまま行けば、また東南アジア危機のように破綻するだけです。


コメント

“韓国政府へ日本が実質的な制裁に踏み切ったことへの解説” への2件のフィードバック

  1. しょうたろうのアバター
    しょうたろう

    「今後、平和条約を締結するかはわかりませんが、北朝鮮に対しての日本の戦時賠償が発生することは確実になります。」とありますが

    日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約において、我が国は韓国(南朝鮮)の分だけを払うつもりだったのに、韓国政府が朝鮮半島における唯一の政府であるので北朝鮮の分も払うようにと言ってきたのでまとめて支払いました。

    北朝鮮の分は韓国政府が支払う事になっています。

    1. コメントありがとうございます。

      昭和40年の『財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定』第一条1項は、「日本国は大韓民国に対して支払う。大韓民国はそれを自国の経済発展のために使う。支払額は両国の合意により増額可能。」といった概要なので、大韓民国が自国の経済発展目的に日本から得た金銭を北朝鮮へ提供したのであれば、「日本は北朝鮮の分まで大韓民国へ支払った」と捉えることができますが、本協定上、日本が供与・貸し付けをする相手方は大韓民国のみであり、北朝鮮を連想させるような文言は存在しないように思えるのです。

      当コラムでは言い切りの内容はなるべく含まないよう、事実に基づいた校正を斟酌しつつ心がけておりますが、ご返答になれば幸いです。

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