気象予報士の根本問題
まず、今回の令和元年台風第19号(ハギビス)にて被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
そして前回の千葉県に大規模停電をもたらした令和元年台風第15号(ファクサイ/Faxai)。
この2つの被害は、先ず第一に自然災害ではなく人災の側面が非常に大きいとも記しておきます。
そして第二の問題は、気象予報士という職業の問題です。
はっきり言えば、この人たちは自然の怖さも知らない都会で生活し、どういう場面になれば災害になるかを知らないのではないか、と思うくらい言葉に迫力が感じられません。
その言霊の薄さを感じられなくなった日本人の『言葉への理解力』も問題なのでしょう。
要は机上で理論をいくら学んでも、実際にどういう状況になるかはその現場・その環境に生きなければ判らないことが多くあることを理解していないのではないでしょうか。
前回の台風のとき、個人的な意見として、風速50mの風が吹く可能性があるのに、ニュースキャスターや気象予報士はのん気にヒラヒラのスカートを履き、その上にどう見せれば自分がかわいく画面映るのかに気を使っているようにしか見えませんでした。
気象予報士は難関の試験と聞きますが、この試験に受かった人たちで、実際に自然の厳しい場所に住んだことがある方は何人いるのでしょうか。
気象予報士として有名な方で都心に豪邸を立てている人に、自然の怖さの何を理解できるのでしょうか。
自然の脅威を感じない場所に住んでいる人には気象のことはわからないということは、自然の厳しいところに住んだことのある人間にはよくわかります。
気象なんてものは経験則で、よく農家の爺さん・婆さんが「この雲がこうなっているとこうなる」とか、そういう感覚はデータではなく経験でしか培えないものなのです。
風速50m、60mとはどういう風?
前回の台風15号は「風」の台風でした。
進路も異常でしたが、風速だけに焦点を絞ってお話しをしていきます。
ほとんどの方にとって、風速50mがどういう風なのか想像できないものです。
では、気象予報士たちが理解していたかといえば、理解なんてしていなかったと思うほどに見えました。
なぜなら、ヒラヒラのスカートを履き、自分のテレビ映りを気にしながらTV越しに語っていたのですから…。
風速50mとは、1秒間に50m進む風のことで、時速に換算すれば180kmです。
この風が直撃すれば、電柱が倒れて家屋が倒壊するのは想像に容易いと思いませんか?
現代の若者の特徴
気象予報士の試験を合格するような才女であるのなら、風速50mという数字がわからなければ、時速に換算すれば、どんなにひどい風なのか誰でもわかります。
こういった才女でさえも、言われたことをそのままやるだけで済むと思っていることが問題であり、こういう言われたことしかできない点が現代若者の最大の特徴です。
言われたことを言われた通りにできる連中が、今の社会では頭が良いともてはやされます。
でも、わからない言葉があっても平気で放置する年代でもあるのです。
気象予報士は本来リスクのある仕事
人間というものは、予想もしなかったことに対して恐怖を抱いたり、パニックになったりするもの。
前回の台風は近年にない大きな風を持った台風であり、その風のイメージを具体的に皆さんができているようであれば、あのような被害にはならなかったでしょう。
つまり、そういうものが来るとわかっているいれば、人間というものは生命の危機にさらされると判り勝手に防御本能が働くものです。
でもその警告さえも、また経験さえもなかったのですから必然の結果です。
仮に前回の台風予報の被害額をあの気象予報士に負わせることになった場合、あのような類の気象予報士はすべて廃業するでしょう。
リスクとリターンが見合わないからです。
なぜ気象予報士の試験があれだけ難しく、そして高給取りになれるのかといえば、多くの人の命を預かっているからという根本を理解していません。
正直に言います。
そんなリスクを背負いたくないという気象予報士は、今日にでも廃業すべきと考えます。
日本は自然災害大国だと、そういう覚悟と真剣さを持った予報士が今後多く登場することを祈っています。
狩野川台風と言われても…
そして今回の台風19号の予報も酷かったとしか言いようがありません。
ある程度評価できる面として、前回の反省を生かし関西でも関東でもNHKでは朝から晩まで台風情報でした。
問題は過去の経験即から、今回の台風のメインが風なのか雨なのかさっぱりわからなかった点です。
気象庁は、今回の台風が「狩野川台風に匹敵する」と伝えていましたが、実際にその台風に遭遇した人も「どんな台風だったけ」と思うような状態で、それを具体的にイメージせよなんて言われても頓珍漢です。
前回の台風で、ほとんどの人が風速50mという風が想像できないので、狩野川台風に規模が近いところからそのような発表したのですが、そんなことを言われて実際に救助にあたる若い人たちには理解ができません。
せいぜい、ひどい台風が来るんだな程度の認識でしょう。
気象庁の発表は自己満足以下
気象庁のエリートや気象予報士でも想像できないような台風を、一般市民にイメージしろといっても無理な話です。
気象庁が自己満足以下で発表するのはしているのでは?と思えるほどです。
そして気象予報士はそれを聞き、具体的にどのような被害があったかも調べもしない典型的な詰め込み型教育をされて合格していると予想できます。
本来市民の災害の被害を最小限に食い止めることが仕事なのに、、、
こう考えると気象予報士が皆さんの生命を守る情報を握っているのですから絶望的な気持ちになりませんか?
つまり、現在の気象などの専門家の言うことは参考程度に聞き、判断は自分たちでするほかない時代だということです。
雨の台風か風の台風か
今回の洪水被害は、自然の厳しいところに住んでいた人間にはこうなるなというのはすぐにわかることです。
ただその前に、いくら自然環境の厳しいところに住んでいても、今回の台風が風なのか雨なのかがさっぱり理解できないことが問題です。
実感(経験則)では雨と風が両方強い台風など記憶ありません。
そして、風は来てみなければわからないものなので、ある程度仕方のないことですが、今回の襲来は10月です。
前回の台風が9月で、陸上の暑さは緩和されていることは誰でもわかります。
つまり、前回のように上陸してからも発達を続けるようなことがなく、風は洋上で風速50mなのですから吹いても40m程度なのはわかりますし、また恐らくは吹いても最大風速で30mくらいだろうと思うのが暑さが緩和すると普通に思います。
こうやって考えていくと、問題は雨ではないかと。
洪水や土砂災害が起こる場所
洪水や土砂災害は、非常にきつい雨が2日以上ないしは1日半以上続けば起こるものです。
具体的に言えば、24時間の降水量が300mm以上になれば、避難準備を考えるのが普通。
今回は48時間で多いところで1000mmでしょう。
災害が起こって当たり前なのですが、こういう基準をぼかして報道している気象予報士がほとんどです。
つまり台風が来る前から洪水や土砂災害が起こるのは必然でした。
そして、洪水は山の中では起こりません。
必ず平地、そして河口付近で起こります。
都市生活をしている人にとっては洪水なんて無縁だと思っているでしょうが、平地の住みやすい河川の近くで起こるものなのです。
住んでいる場所の特性を知るのは当たり前
今回、洪水が起こった川崎市高津区、栃木県鹿沼市・佐野市、福島県 お丸森などは、土地の高さが通常よりも低いところです。
こういった災害が起こりやすいのは、標高が高いところから海抜0〜20mになるところで、川が最も大きくなる河口付近だということは覚えておくべきでしょう。
結局は人災
山の中では河川の氾濫はなく、土砂災害が起こりやすいです。
こういった考え方は桜の開花宣言と一緒で、積算量になります。
桜の開花はどうやって予想しているのかといえば、気温の積算量です。
洪水や土砂災害は直近の3日間や2日間でどれだけの雨が降ったかの問題になります。
短期間に自然環境に大規模な変化があると、災害が起こるという当たり前のことを気象予報士やテレビ局のキャスターは全く理解していないと考えられる報道が為されていたように思えます。
今回の台風も来る前に洪水被害が起こるのは明白だったのに、そういう警告を出した人は皆無です。
結局、人災と考えても良いと思えます。
自分で気象や自然を判断することが重要
こういった被害に遭わないためには、自分で気象や自然を判断することが重要です。
それには、普段起こっていることを分析する必要があります。
例えば、川が普段のシトシト雨でどのくらい水かさが増えるのか、大雨が降ったときにはどのくらい増えるのか、自分の住んでいる場所が低地なのか、高地なのかの確認も大事です。
関東平野だから高さが変わらないと思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。
微妙な高低差があり、住んでいる場所によって皆高さが違うのです。
自分の身は自分で守ろう
風速にしても、少し考えれば秒速というのはわかることで、それを時速に直せば何キロになるかわかります。
時速に換算すれば新幹線が250km、車の国道での制限速度が60km、高速では100〜110kmということを理解していれば、風速50mは時速180kmということを理解していれば、被害が起きないわけがないじゃないと思うのが普通です。
水の被害が短期間の降雨量によって決まるのも誰でも理解できます。
人間の体も自然も、短期間で急速に変化すると耐えられないから自然の反乱や体の変調が起こるのです。
当たり前のことを理解していれば、今回の災害は事前にわかったことなのではないでしょうか。
事前にわかっていれば、人間は本能的に準備します。
「誰も説明してくれなかったから、予測し得なかった」と言う人が多いですが、最終的に国も気象庁も気象予報士もあなたの被害を保証してくれないのですから、自分の身は自分で守らなければなりません。
最後に。
少し考えれば自分の身は適切に守れるのに、それさえもしないということは、いかに現在が情報に頼る生活と環境になっていると考えられるのではないでしょうか。
他人の情報に頼り切って生活をしていて、それは実は自分で判断していない証左でもある。
ツールに頼るのではなく、アナログでも自分の経験が結果自分の命を、愛する人たちの命を守る可能性があると、今回の災害で皆さんが考えられるとするのであれば、不幸にも亡くなられた人たちへの最大の供養と考え、今回のコラムの終わりとさせて頂きます。
今までに起こったことがないから自然災害というのであって、今まで起こった事に学びを得ずに、自身で得た情報ではない事に身を捧げることが人災と考えます。