アレキサンドライトは昼と夜で色が変わる!不思議な宝石としてよく知られています。「昼はエメラルド、夜はルビー」ともたとえられる鮮やかな変色効果で宝石・ジュエリーコレクターから人気の的。なかでもキャッツアイ効果(シャトヤンシー)を持つ「アレキサンドライトキャッツアイ」は大変な希少価値があります。
ここでは世界で最も高価なレアストーンとして知られるアレキサンドライトの特性やジュエリー情報についてお伝えします。
名前の由来・込められた意味
アレキサンドライトはミステリアスなカラーチェンジ効果と、ロシア皇帝に由来する高貴なムードをあわせもつ希少宝石です。
そのイメージから「皇帝の宝石」「高貴」「誕生」「光栄」「出発」などの意味を持ちます。
ここではアレキサンドライトのネーミング、石に込められている意味についてご紹介します。
アレキサンドライト命名の由来とは?
アレキサンドライトが初めて発見されたのは1830年のこと。
現在のウラル山脈のエメラルド鉱山での出来事でした。
昼間は深く青みがかかった緑色の石が、夜になるとランプやロウソクの下で妖しく赤色に輝きだしたので、人々は驚きました。
そこで世にも珍しい昼と夜で色が変わる石として、当時のロシア帝国皇帝であるニコライ一世に献上されました。
発見された日が次男のアレクサンドル二世の12歳の誕生日だったことから「アレキサンドライト」という名前がつけられました。
アレキサンドライトに込められた意味
アレキサンドライトが見せる、緑と赤のふたつの色。
発見されたロシアの地の陸軍軍服のカラー(緑ジャケット+赤のズボン)を連想させるものでした。
そのためアレキサンドライトの命名の由来は、ナポレオンに勝利したアレクサンドル二世の兄であるアレクサンドル一世を偲んだという説もあります。
当時の人々にとってアレキサンドライトは武運の祈る守護石やお守りとして大変人気がありました。
宝石としてのアレキサンドライト
昼の太陽光の下、そして夜の人工光の下では全く違う色合いを見せるアレキサンドライト。
その希少価値から有名ブランドが一般顧客向けに販売するジュエリーにアレキサンドライトが登場することはまずありません。
唯一例外となるブランドがティファニーでしたが(20世紀初めに多くの石を確保。現在もリユース市場でリングなどをみかける)、20世紀後半には全く販売されなくなりました。
幻の宝石アレキサンドライトとはどのような宝石なのでしょうか。
ここでは宝石としてのアレキサンドライトにはどのような特性があるかをまとめました。
特徴・性質 | カラーチェンジ効果・キャッツアイ効果 |
属性 |
クリソベリル アレキサンドライトはキャッツアイ(猫目石)とおなじ「クリソベリル」グループに属しています。 ほかに淡緑色~黄緑色の淡色のクリソライトも同じ仲間です。 |
原産地 |
ロシア(最上級品質。現在は枯渇)スリランカ(カラットは大きいがカラーは中ランク)、ブラジル(バイア州が中心。品質はロシア産並みだがほぼ枯渇。)、タンザニア(ハイクオリティ)、マダガスカル(近年発見された最も有望視される産地。首都から南西に750km離れたイララカ周辺)ほか |
硬度 |
8.0 |
主流カット |
ブリリアントカットとステップカットのミックスカットが主流。職人たちはアレキサンドライトの変色効果を際立たせるためにクラウンを大きく取るなど工夫を凝らす。 |
人工処理 |
ほぼなし。まれに石内部に割れ・亀裂がある場合にフラクチャー処理(高い屈折率のガラス質で割れを満たす処理)を行う |
パワーストーンとしてのアレキサンドライト |
好機でミステリアスな印象のアレキサンドライトは、その希少価値と高価さでジュエリーを身につける満足感をさらに高めてくれます。 アレキサンドライトを身につけることでどのような効果が期待できるのか、パワーストーンとしてのアレキサンドライトについてまとめました。 |
誕生石 |
3月 |
ギフト |
金緑婚式(結婚45年目)の結婚記念石 ※サファイア婚式もあり |
効能 |
カラーチェンジする宝石は、古来よりラッキーストーンとして珍重されてきました。 アレキサンドライトには未来のロシア皇帝とつながる縁から、持つ人に高貴さを与え独立するパワーを与えるといわれています。 直観力や創造性を高めてくれる石でもあり、経営者などリーダーシップを発揮する立場の人や、クリエイティブワークに従事する人々に最適な宝石です。 |
アレキサンドライトの変色効果について
天然アレキサンドライトは石自体が持つ変色効果やキャッツアイ効果が評価される宝石です。
石を改変したところで変化は現れず、したがってほとんど人工的な化学処理が加えられることはありません。
この神秘的なアレキサンドライトが光によって色を変える理由はどこにあるのでしょうか?
それは石に含まれるクロム元素が関与する「光の吸収・反射」の仕組みにあります。
たとえば赤色宝石の代表であるルビーは寒色系の光はほぼ吸収します。
しかし逆に赤系の光は大方反射するため、どのような光の下でも赤色に見えます。
一方アレキサンドライトは暖色・寒色両方ともに同じ割合で反射・吸収します。
(クロム含有率が高いほど変化は大きくなります。最高級ロシア産で1%以下)
太陽光や蛍光灯など寒色系の光が当たればグリーン、ロウソクや白熱灯など暖色系の光が当たればレッドからレッドパープルに見えるのです。
このアレキサンドライトの光を選択吸収する特性から、合成アレキサンドライトは可変波長レーザー発信用の素子に利用されています。
メラニンを選択的に吸収する美容・脱毛機器に採用されており、その名も「アレキサンドライトレーザー(CANDELA社製)」というネーミングのマシンがあります。
合成アレキサンドライトについて
レアストーンの代表的存在のアレキサンドライトは、その希少価値によって合成アレキサンドライトの開発に拍車をかけてきました。
多くの有名メーカーが高品質の合成アレキサンドライトを手掛けています。
現在では事実上鑑別不可能とする場合もあるのが、現在のアレキサンドライトの鑑別上の見地からの状態であると言い切る専門家もいるほどです。
ここでは気になるアレキサンドライト合成方法についてご紹介します。
結晶引き上げ法(チョクラルスキー法)
「再結晶アレキサンドライト」として京セラクレサンベールが採用している合成方法です。
その仕組みは アレキサンドライトとまったく同じ化学組成の溶液から結晶を大きく育成するというものです。
作り出された合成アレキサンドライトは、天然アレキサンドライト成分・構造ともに共通で、不純物をほぼ含みません。
もはや合成ともいいがたいような合成アレキサンドライトが生成されます。
この合成方法は、サファイアなどのコランダム、ガーネットの合成にも採用されています。
フローティングゾーン法(FZ法 浮遊帯域溶融法)
服部セイコーがアレキサンドライト合成に採用した合成方法です。
同じグループながらはるかに安価な宝石であるクリソベリルを燃焼させた原料から再結晶させます。
アレキサンドライトが酸化クロムや酸化鉄が固結した結晶であるという特性を生かしが合成技法です。
フラックス法
主にロシアやアメリカなど、海外のメーカーで採用されている合成技術です。
結晶引き上げ法が成功するまでは、アレキサンドライト合成技術の主流でした。
フラックス(溶かす物質)を使ってアレキサンドライトの素材となる化学物質を溶かし、冷却しすることで結晶が形成されるという仕組みです。
このように合成ダイヤモンド同様に、合成アレキサンドライトの製造技術の進化は目覚ましくますます正しい鑑別が難しくなっています。
しかし専門機械による「カソードルミネッセンス(Cathodoluminescence:CL 電子線を照射して放出される光を分析)」など、分析方法はそれ以上のスピードで進化しています。
アレキサンドライトの管理方法
アレキサンドライトはモース硬度8を備えており、また割れにくく衝撃に強い性質を持った宝石です。
また多くの宝石がカラーや透明度を改善させるための加熱処理など人口処理が加えられることが一般的ですが、アレキサンドライトに限っては一切ありません。そのため熱や光、一般的な化学薬品に対して耐久性があり、日常的に使用するジュエリーに最適です。
定期的にぬるま湯と中性洗剤で石の裏面をクリーニングするようにすることで輝きを保つことができます。
市場から見たアレキサンドライトの評価基準
アレキサンドライトの査定・評価は、最大の特徴であるカラーチェンジ効果に大きく左右されます。
特にグリーンからブルー、そしてレッド~パープルの2色をあわせもつ石は評価が高くなります。
そして肉眼で見たときの石そのものの色の鮮やかさ、色変化を強調するカットのクオリティ、透明度の高さも大きなポイントです。
とはいえ、明確なカラーストーンの評価基準は確立されておらず、したがって購入先によって全く価格が異なるのが現状です。
さらに買取店での査定価格もお店によって全く異なってくることが予想されます。リファスタでは売買ともに満足できるお取引をお約束!
リファスタでのお取引の相場につきましては次章をご参考にしてみてください。
リファスタ商品紹介:アレキサンドライト関連
光によって全く異なる色を見せてくれるアレキサンドライトは、実は日常使いのジュエリーとして最適なタフな宝石です。
硬度8とルビーやサファイヤに次ぐ硬度を誇り、衝撃に耐える靭性を兼ね備えています。またエメラルドなどにみられる「劈開:割れやすい性質」がありません。
ぜひあなたのジュエリーボックスにアレキサンドライトを加えてみてください。
ここではリファスタで取り扱っているアレキサンドライトの一部をご紹介します。
市場に多く出回る低価格アレキサンドライトは、合成ルビーもしくはスピネルのような赤色の石に酸化ヴァナジウムを使った低品質の模造石が少なくありません。
「出所の確かなアレキサンドライト」を提供してくれる販売元での購入こそ、後悔しない買物のコツといえるでしょう。
特に大粒で良質なアレキサンドライトは、新品ジュエリーよりも還流品に多く見つかります。
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アレキサンドライトの最新の買取情報
国内外で評価が高いアレキサンドライトのジュエリー、ルースは高額買取が見込めます。
2019年に入ってからリファスタが買い取ったアレキサンドライトの一例をご紹介します。
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