日本円建て金価格の解説

金の市場価格は万国共通という大前提

今まで、ドル建て金価格はドルおよび金利の上下動によって価格が決定することを解説してまいりました。

では、日本円建ての金価格はどうやって成立するのかという疑問が出てくることでしょう。

以前は理論だけでしたが、今回はグラフつきでその解説をしていきます。

基本的に世界中どこに行ってもその時の金価格は同じだ

金の市場価格は、どの国にいても同じであるというのが大前提です。

そこで日本の消費税が8%から10%になって、近隣諸国からの金の密輸が警戒されています。

これは、外国で金を購入して日本で売却すれば、消費増税によって自動的に10%上乗せされて売却代金が支払われるという構造を悪用したことになります。

中国、韓国、香港でグラム1000円で購入しても、値段が動かなければ日本では1100円で売却でき、増税前だと1080円だったのですから利益が増えるのです。

つまり、悪意を持った金の売却目的で、日本を訪問する外国人が増えることになります。

こういった犯罪がなぜ成立するのかといえば、金の価格が世界のどこに行っても同じだからです。

金の存在理由の主なもの

よくよく考えれば単なる紙に過ぎないお金に対し、金は存在そのものに価値がある

金が全世界のどの人にとっても価値があり、どこに行っても同じ価格であるという前提条件に立つと、金の価値は永遠に担保されることになります。

その金の存在理由の主なものは、皆さんがお買い物で使うお金の価値を冷静に判断すると、実は印刷してある単なる紙切れに過ぎない点です。

その紙に価値があると思い込んでいるから、お金には価値があります。

ところが、発行している政府や中央銀行が借金まみれでどうにもならないのであれば、あるいは間もなく倒産することがわかっていれば、その紙切れに価値を見出す人などいません。

つまり、皆さんに価値がないと判断されれば、そのお金の価値は大暴落します。

その逃避先が金なのです。

倒産の可能性は少ないけれど、絶対にないとは言い切れないわけですから、金にはその価値が存在すると言えます。

日本円建て金価格の計算方法

常々、お金の王様は基軸通貨であるドルだと申し上げているように、言い換えれば、そのドルの価値を図るために金の市場があるといっても過言ではありません。

NYの金市場によって、円建てもユーロ建ても人民元建てもインドルピー建ても価値が決まるのです。

金はお金の王様であるドル次第で決まるので、以下の計算式が成り立ちます。

(NY金市場価格÷31.1035(トロイオンス建てをグラムに変換))×ドル円レート

これによって日本円建ての正しい金価格が示現するといっているわけです。

この考え方は、ドルの価値に依存した金価格の設定という考えに依拠します。

今回の説明は、日本の金利や円の価値によって、金の価格を算出する方法になります。

最近のドル建て金価格の傾向

基軸通貨にしてお金の王様であるアメリカドルと金

ドル建て金価格の最近の傾向として、昨今はドルの上下動が年間3%程度なのに対し、金利は1年で40〜50%の変動があります。

去年のアメリカ国債10年物利回りは、同時期で3.2%程度ありましたが、現在では1.6%ですので、1年間で50%も上下動しています。

それに対してドルは3%ほどしか上昇しておらず、金価格がどちらの影響を受けやすいかといえば、言うまでもなく金利になるのです。

日本にも円の価値や金利は存在し、円の価値を相対的に表現するドル円は、去年の同時期は113円だったのに対して、現在108円で変動率は4〜5%しかありません。

ところが、日本国債10年物金利はプラスの0.1に対して、現在はマイナス0.7になっており、変動率は50%以上です。

円建て金価格は何の影響で変化するのか

円建て金価格が何の影響を受けて変化するかといえば、ドル円レートではなく、金利です。

上記は、2019年1月11日からの日本国債10年物金利利回りの推移になります。

以下に同時期の金価格を添付します。

わかりにくいので、円建て金価格のY軸を反転します。

最初に掲載した金利と比べてみると、比較対象は一緒ですが、目盛りの間隔が違いますので、このチャートの形が違うと感じる方も多いでしょう。

しかし、金利の形と日本円の金価格も相似していることがおわかりになるものと思います。

円建て金価格は従前、ドル円レートによって決定されると思い込んでいる人が多いかもしれませんが、つまりアメリカのドル建て金価格と同様、金利に敏感に反応するのです。

日本円の金利も入れればより正確な金価格予測に

円建て金価格には日本の長期金利も反映される

ドル建て金価格にドル円レートを掛け合わせれば、だいたいの日本円の金価格の推定ができたのが従前の考え方です。

しかし、日本国内の金価格は、日本の長期金利(日本国債10年物金利)も反映されるということになります。

日々の動きを観察していれば、日中の金価格の動きは日本国債利回りに左右されることになるのです。

となると、高い安いと感じる規準は、今まではドル円レートとNY金価格のみだったのですが、日本円の金利も考察の対象に入れると、より正確に金価格を推測できるようになります。

そして、世界的な低金利傾向に拍車がかかっていますので、金利が下がれば金価格は上昇するのですから、当面の間、金の価格は高いと推測できるのです。


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