翡翠の名前の由来・込められた意味
名前の由来
現在翡翠を最も愛好する国といえば中国が挙げられます。
しかし意外と知られていない事実ですが、日本は中国に先んじて7000年もの翡翠の歴史を有しています。
しかし宝飾文化が根付かなかった日本では、翡翠も他の宝石類と同様にただ「玉」と呼ばれていました。
現在のように「翡翠」と呼ぶようになったのは中国からの影響によるものなのです。
「翡翠 ひすい」という呼び名は清時代の中国から伝わりました。
当時の中国ではカワセミの羽を使用した装身具が大流行していました。
現在では人気ブランド「Minakusi(ミナクシ)」などのアンティークビーズ・パーツを素材としたジュエリーブランドのアイテムで時折目にすることができます。
「翡翠=カワセミの羽」という意味があり、鮮やかな赤と緑をあわせもつミャンマー伝来の翡翠をカワセミの羽になぞらえたことに由来するといわれています。
また時の権力者である西太后がことのほか翡翠を愛したことから、翡翠は中国国内において人気の高い宝石となりました。
翡翠の産地
翡翠は南米やアフリカ、中央アジアなど世界各地で広く産出されています。
しかし最高ランクとされる「ろうかん」を筆頭に宝石質として高い評価を受ける硬玉(ジェダイト ヒスイ輝石)、そして軟玉(ネフライト)では産地がそれぞれ異なります。
ここでは硬玉そして軟玉それぞれの産地をご紹介します。
硬玉(ジェダイト ヒスイ輝石)の産地
ミャンマー、日本(新潟県糸魚川)、カザフスタン、ロシアなど。
現在リングなどの宝飾品として高く評価されるのはミャンマー北部のカチン州産の硬玉翡翠。
軟玉(ネフライト)の産地
ロシア極北、中国、台湾、アメリカ、ニュージランド、アラスカなど。
翡翠の歴史
日本における翡翠の歴史は縄文時代中期の約7000年前までにさかのぼることがわかっています。
現在世界最古の翡翠でつくられた遺物とされているのは、新潟県の糸魚川にある「大門地遺跡」でみつかった長さ8cmの翡翠の敲石(たたき石)です。
そして富山県の「小竹貝塚」からは6000年前に作られた、こちらも世界最古とされる翡翠の装身具が見つかっています。
そのほかにも国内の古墳や遺跡からは、集落(=ムラ)の支配者、卑弥呼に代表される巫女やシャーマンたちが身につけた勾玉や首飾りが出土されています。
このように古代より権力者たちの地位の象徴、また呪術や宗教のシンボルとなってきた翡翠ですが、不思議なことに奈良時代の観音像の王冠(東大寺三月堂)に使用されたのを最後に歴史の表舞台から姿を消すこととなりました。
その後は数珠などの限られた用途にのみ利用されてきた翡翠ですが、文明開化による西洋文化の影響によって、装身具が人々の生活に再登場したときに翡翠もまた再び脚光を浴びるようになりました。
また意外なことですが世界で最も翡翠を珍重している中国において、本格的に翡翠が注目されたのは18世紀に入ってからでした。
中国本土には硬玉が産出されず、ミャンマーからの高品質の硬玉が入手できるようになり、次第にお守りや福を招く石として珍重されたことが今日の翡翠人気の背景となっています。
また南米大陸で栄えた古代マヤ文明やアステカ文明の遺跡からも「翡翠の仮面」を筆頭に多くの翡翠の遺物が見つかっています。
翡翠に込められた意味・パワー
古来翡翠は「不老不死の石」「不老長寿の石」として、魂の再生をつかさどる神秘の力を持つ宝石として知られてきました。
特にアジアでは神聖な儀式に登場し、権力の象徴となってきたことから根強い人気を誇ります。
また翡翠を理想の人格になぞらえて「五徳を持つ石」とし、心や精神の純粋さを保つことを助け、人徳を与えると信じられています。
翡翠のパワーによって愛情や友情に恵まれて幸運を引き寄せ、人生の成功と繁栄が約束されるのです。
主な効果は下記の通り。
「繁栄」「健康」「忍耐」「調和」「飛躍」「財運」「幸運」「人間関係の改善」
翡翠の効果・特徴
翡翠は着物・ドレスにもマッチする!
2016年に「日本の国石」に選ばれた翡翠は神秘的なパワーを備える石として、特にアジアでは好まれる宝石です。
誕生日や成人式および結婚式など節目の時期に選ばれる宝石でもあります。
東洋的なイメージが強い石ですが、ティファニー社「オープンハートシリーズ」にブラックジェイドがあしらわれたことも。
またブルガリでは翡翠をモチーフにしたフレグランス「Le Gemme IMPERIALI(レジェンメ・インペリアリ)」が発売されるなどハイブランドも注目している宝石です。
5月の誕生石ということもあって、5月生まれの方のマリッジリングやエンゲージリングにあしらう方も多いようです。
また翡翠のジュエリーは結婚12周年記念のアニバーサリージュエリーにもなっています。
根強い中国人の翡翠需要!
中国では一族繁栄の護符として知られる翡翠は、特別な存在の宝石です。
特によく知られているのが「翡翠には五徳が備わる」というものです。
五徳には儒教に由来する「仁・義・礼・智・信」や「温・良・恭・倹・譲」
また孫子が唱えた「知・信・仁・勇・厳」などがありますが
もともとは翡翠(=玉)の様子を人間が備えるべき徳になぞらえた中国最古の書物「説文解字」に由来するもののようです。
いわく
仁=温かい心、思いやり(翡翠の潤いのある質感)
義=欲にとらわれない心、物事を見通す力(翡翠の静かな透明感)
智=物事の善悪を正しく判断する力(翡翠を叩いたときの音は遠くまでよく通る)
勇=力に負けず形を変えない(翡翠の強固な性質)
潔=穏やかさを保つ(翡翠の穏やかな色合い)
このように翡翠を身につけることは、これらの美徳を備えた人生の成功者でありたいという願いを意味しているのです。
翡翠の管理方法
宝石品質とされる硬玉でもモース硬度:6.5~7.0とそれほど硬度は高くありません。
しかし翡翠独特の内部結晶構造により、高い靭性(割れにくさをあらわす)を持つ翡翠は、日常利用に最適な宝石です。
とはいえ表面に傷がつきやすいこと、また傷やこすれが目立つカボションカットが主流であることを考慮すると、他のジュエリーと分けて収納しておくことをおすすめします。
そしてほとんどの翡翠は表面の艶を出すためにワックスがかけられていますから、火のそばに置かないように注意しましょう。
また安価な翡翠ジュエリーには「えくぼ」と呼ばれる表面のかすかなくぼみをカバーしたり、色変化を与えるために色を付けたエポキシ樹脂による含浸処理が行われている場合があります。
熱や衝撃による破損を防ぐよう取り扱いには注意が必要です。
■参考情報「知らないと危ない!あなたの大切な宝石が割れないために」
https://kinkaimasu.jp/colorstone/column/In_order_for_your_preciousjewelry_unbreakable/
市場から見た翡翠の評価基準
翡翠は「半透明」「緑色」「東洋の宝石」というイメージが強く、国際市場においても普遍的な価値を持つカラーはグリーンです。
なかでも透明度・光沢が高い「ろうかん」と呼ばれる石が最高ランクの翡翠として高額で取引されています。
しかし昨今では若年層を中心としてオレンジやラベンダーカラーにも人気が出てきました。
また翡翠の持つ東洋で珍重されてきた歴史から、オリエンタルな魅力を持つ石として若手デザイナーからも注目を集めています。
ここでは一般的な翡翠の評価基準についてご紹介します。
カラー
半透明の緑色の登用の宝石というイメージが強い翡翠は、普遍的な価値を持つカラーはグリーンです。
透明度が高く明るい色味そしてトロリとした質感を持つ「ろうかん」、同じく透明度が高く深いエメラルドグリーンの「インペリアル・ジェダイト」にランクされる翡翠は、特に高評価が期待できます。
ただし国によっても好みが分かれ東南アジアでは色の淡い石、日本や中華圏内では色の濃い石が好まれる傾向があります。
また中国では「玉 ぎょく」とよばれるカラーレス~ホワイトの「アイス・ジェダイト」も高い人気があります。
翡翠のカラーを左右するのは石師成分に含まれる元素の違いです。
「グリーン=クロムと鉄」「ラベンダー青紫=マンガンとチタンと鉄」「ブルー=チタンと鉄」「オレンジ=酸化鉄」「ブラック=グラファイト」です。
また暗いダークグリーンで「翡翠」と称されているものの中には、翡翠輝石の純度が低い「オンファス輝石」である可能性が高くなるため注意しましょう。
リファスタではグリーンの翡翠を優先して高価格で買取を行っています。
透明度(クラリティ)
翡翠は半透明の石と広く認識されていますが、透明度によって価値が大きく変わります。
「琅?」「インペリアル・ジェダイト」以外の一般的なクラスでも透明度は重要なポイントとなります。
特に帯留や髪飾りに使用するプレート状に加工した場合は、下に敷いた紙の文字が読める程度の透明度の石が理想です。
また不純物や表面のえくぼ目立たないものはより高い評価を受けています。
カット
翡翠はカラーや透明度、石の形が重要な評価基準となりますが、カラット数も重要です。
高額買取が見込める石の基準は「3カラット以上」「カボションカット」が目安となります。
リファスタ商品紹介:翡翠関連
鮮やかなグリーンの翡翠は着物スタイルによくあい、安定した人気を誇る宝石です。
リファスタのジュエリー販売においても翡翠は常に需要が高い人気の宝石です。
リファスタでお取り扱いのある翡翠ジュエリーをここで一部ご紹介します。
すべて中央宝石研究所やGGS/ジェムグレーディングシステムジャパンほか、信頼できる鑑定機関による鑑定書(ソーティング)が付属していますのでご安心ください。
翡翠の最新の買取情報
高価な宝石として認知度が高い翡翠のジュエリー、ルースは高額買取が見込めます。
海外にも販路を持つリファスタでは、中国やシンガポールの富裕層からの需要が見込めるため翡翠買取を強化中です。
2019年に入ってからリファスタが買い取った翡翠の一例をご紹介します。
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