公開!2020年金価格の推移

前回までは金の価格から未来を予測するシリーズでしたが、今回は最大のテーマである金価格の予測を行っていきます。

上記は2020年の金価格の推移を予測したものになります。

12月が2019年、それ以降は2020年です。

そして、金利を勘案していない予測になります。

金利と金価格の関連性の意味

金価格の変動要因の本質を理解すれば、金利市場とドル市場のどちらが多く動くかの問題

2019年は、6月以降にFRBの金利下げが取沙汰され、金利が下がるたびに金価格が上昇していました。

ところが、12月にFRBの政策金利が下げの打ち止めを行う予定だったことを受けて、金利と金の関係性が薄くなってきました。

本来、金はドルに連動して動くものですが、ドルの上下動よりも金利の上下動に大きく影響されたのです。

この考察から得られる答えは、FRBが政策金利変更の見通しがある場合には金利市場がよく動き、結果的に金の動きが金利市場に支配されると言えます。

しかし、FOMCで政策金利が変更される見通しであれば、すぐに金利市場に目を向けるということではなく、あくまでもドルの変動率と金利の変動率のどちらが大きいかをきちんと計算してからどちらに注目するかを考えてください。

このようなことを書くと、FOMCの政策金利変更=金市場は金利市場中心に移行すると勝手に解釈して、独りよがりなことをされる方が非常に多いです。

FOMCにて政策金利変更が見込まれ、金利がよく動いた結果、金の価格変動がドルから金利に移行しただけになります。

2019年の場合は6月に金利に移行し、11月に収れんしただけです。

ゆえに2019年12月以降や2020年は、ドルの上下動によって金市場は動くということです。

2020年の傾向

2019年年末に行われたFOMCでは、各理事の予想値の中央値にすぎませんが、2020年はFRBは金利を上げない見通しになります。

つまり、2020年は政策金利の変更がないわけですから、2020年の金価格の変動はドルに依存する可能性が高いのです。

しかし、上記の2020年の予測を見ると、5月以降に金価格が大幅に上昇する予定です。

そうなると、ドルが大幅に低下することになります。

ドルの変動要因で考えつくものは、

① 株価の大幅な下落 ≒ アメリカ経済の停滞
② インフレ
③ 地政学的リスク

注目するのは②であり、インフレとは物価上昇を指し、正確には通貨価値の下落であり、すなわちドル価格の下落と直結します。

今回は、物価上昇に絞り説明していきます。

金利の変動要因は、今まで何度も説明しているように、

① アメリカ政府の赤字
② 物価上昇
③ 政策金利の変更

になります。

このうち①に関してはリーマンショック以降、債務上限法案が成立しており、アメリカ政府の債務は厳しく制限されていますので、可能性は少ないです。

そして、③に関しては先述した通りです。

こうなると、可能性は②になります。

物価上昇についての考察

バーモント州ストーのとうもろこし畑

物価上昇は、アメリカ経済が好調になりますので、需給の供給不足が起こる可能性が高いのです。

この場合、何に起因するかといえば、大きく可能性があるのは工業製品と農作物になります。

アメリカは工業大国でもあり、アメリカ国内で製造する工業品も多くあります。

しかし、トランプ大統領がハーレーが海外に生産拠点を移すことに激しく反対したことが示すように、コストの安い、とくに中国や東南アジアに生産拠点を移行させています。

すなわち、中国を筆頭とした貿易摩擦が起こるのではないかと予想されます。

また、工業品がなくても人間は生きていけますが、一方で食べ物、農作物は人間が生きていくためにはなくてはならないものです。

つまり、農作物の値段上昇もインフレ要因の一つになります。

ご存知だと思いますが、アメリカは世界一の農業大国でもあります。

こういった要因によるインフレから、金の価格が上昇する可能性が高いのです。

そうなると金利の変動要因③の政策金利の変更が俄然注目されます。

政策金利の変更についての考察

2019年12月10日、ペンシルバニア州ハーシーで開催された支持者のキャンペーンに出席したトランプ大統領

金利の変動要因の中には②物価上昇と③政策金利の変更があるのですから、このような

条件が揃った場合には、FRBは政策金利を変更する可能性もあるのです。

つまり、FRBの各理事たちの予想中央値は全くのデタラメであり、金の価格予測を見た場合、来年FRBは再び利上げを検討せざるを得ない状況に陥ると思われます。

この場合、いろいろな問題が発生します。

一つは物価上昇であるから金利上昇であり、これは金にネガティブな要因になります。

ただ、物価の上昇とはドルの下落になりますので、ドル安、金利高によっての金価格の上昇になるのです。

つまり、今の私たちの価値観である金利の上昇は、金価格の下落にはならないということを覚えておく必要があります。

さらに問題なのは、大統領選挙を控えるトランプ大統領は、FRBが政策金利の引き上げを行おうとすれば、必ず「金利を下げろ」とシャウトするでしょう。

まとめ

2020年も金価格は大きく動くことになる?

こうやって考えていくと、上記のグラフの通り金価格が推移するとは現時点では予想できないとも言えます。

2020年は、おそらくドルも金利も大きく動くことになるでしょう。

ということは、金は今年大きく動きましたが、来年も大きく動くということが言えます。

そして最後に、上記の2020年の金価格推移グラフは、単に今年の動きを鏡写しにしただけのものです。

金価格には金利も含まれていますが、金利を過少評価したものになります。

来年早々には、また金利に重きを置いた金価格の予想を発表しますのでご期待ください。


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