世界にはフェイクニュースがいっぱい|新型コロナウイルス問題

「単なる売りの口実、世界経済に影響及ばず」?

新型コロナウイルスによって世界が混乱に陥っていますが、今回はアメリカ人も含め、どれだけ専門家と称してウソ八百を書いているかのご紹介です。

非難の遡上に乗せるのはロイターの記事です。

https://jp.reuters.com/article/analystview-usstock-coronavirus-idJPKBN1ZQ26J

引用元:ロイター

なぜ、このような面白いことを書けるのか不思議です。

まず、今回の景気の低下、株価の低下は、実はイランの暴発から発生しています。

以下はユーロ圏の実効為替レートです。

ユーロの下落は年初から始まっています。

このころは、まだコロナウイルスのことは世界的な遡上に上がっていません。

ましてやコロナウイルスの発見を中国当局は発表もしていないのに、なぜ年末から年始にかけてユーロが急落したのでしょうか?

つまり、ユーロの下げとはコロナウイルスがきっかけではなく、おそらく年末、もっと言えばクリスマスから発生したイランの暴発から発生しているのです。

その証拠に、英仏独によるイラン制裁の撤回が1月の上旬に発表されています。

それに対してトランプ大統領は「アメリカにはイランの石油が必要がない」と言いました。

これはどういう意味かを解説します。

英仏独と中東の原油

イランのテヘランの国際空港で1月8日にイラン側の誤射によって撃墜されたウクライナ国際航空機の事故現場を捜索する光景

日本では中東産原油の依存が90%なので、そのことしか注目されていませんが、実は英仏独の3ヵ国も中東、特にイラン産原油に依存しています。

ゆえにイランの原油がなければ困るのです。

依存率までは調べてはいませんが、重要な地位を占めるのは推測できます。

しかし、クリスマスにイランの外郭団体がイスラエルを攻撃し、最終的にはウクライナ航空の誤爆事件までを受けて、英仏独はイラン制裁を撤回しました。

今後の交渉次第と英仏独は言っていますが、これはイラン産原油が英仏独にとって必要だけどテロは許さないという姿勢を物語っています。

アメリカとイラン産原油

アメリカは世界1位の産油国。もはやイランなど必要ない

一方でアメリカは世界一の産油国ですから、イラン産原油に頼る必要はありません。

また周辺国であるメキシコ、ベネズエラ、カナダも産油国になりますので、アメリカが必要はないというのは極めて合理的です。

だからトランプ大統領は日本に警備のための自衛隊を派遣することを要請し、そのほかの同盟国にも要請しています。

このことは極めて自然な要求で、「アメリカが必要ではない中東の安全保障のためにお金を出すのはバカげている」からと言えるでしょう。

つまり、「またアメリカの言いなりになって」と非難する人が国内に必ずいますが、とんでもない無知な物言いです。

友人が必要もない経費を使い防衛を強化しているのに、必要のある日本が一銭もお金を出さない関係は破綻するのが必然でしょう。

だから安倍首相は国会を通さずに派遣を決定したのです。

なぜユーロは下がったのかという問題

目下下落中のユーロ

ともかく世の中では、皆それなりに自分が言っていることは正しいというのですが、それが事実に基づくものなのか、きちんと確認してみる必要があります。

上記の記事の場合、コロナウイルスによって世界経済が低迷するとJPモルガンの人が言っていますが、そもそも株価下落などの原因を間違えています。

ユーロを例に取ればおわかりになるように、イラン問題で下落が始まり、コロナウイルスによって追い打ちをかけるように下落しているのです。

原因の探求を間違えているのに「大したことにならない」と言っているのは、何が根拠か理解できません。

そもそもユーロは中国の近隣国ではなく、コロナウイルスがものすごい勢いで拡大するような近さにはないのです。

その関係のないユーロが下がってしまったことをもっと考えるべきです。

ユーロ下落の背景にあるのは?

確かに中国は世界の工場ではあるが、ユーロが下がり出したのは新型コロナウイルス騒動の前

中国は現在世界の工場ですから、ユーロ圏の店頭には驚くくらい中国製品が並んでいます。

その製造がストップすれば経済への懸念は免れませんので、ユーロの実効為替レートが下がるというのは理解できます。

しかし、コロナウイルスの前にユーロの実効為替レートが下がるのは、コロナウイルスとレートの下落の関連性を説明するのには足りません。

現代世界の経済停滞する最大要因は電力供給です。

停電を経験すればその不便さは理解できると思いますし、電力が止まればどれだけ経済活動するかは理解できるでしょう。

その源泉である原油の供給が、不安が生じているからユーロの実効為替レートが落ちたのです。

昨年景気のよかった2ヵ国でさえ…

世界では、景気のよい国と悪い国があることは皆さんも理解できると思います。

去年景気がよかった国は2ヵ国あると考えています。

これらの国は中東や中国で問題が起こっても、それほど影響は受けないと考えるのに合理性があります。

一方で、景気の悪い国は露骨にその影響を受けることが想像できます。

そのよい2ヵ国とはタイとサウジアラビアです。

タイなどはユーロと同様、イラン問題が発生したときから実行為替レートが下がってきています。

サウジアラビアも2018年12月のジャーナリストであるジャマル・カショギ氏暗殺事件によって世界から制裁されましたが、去年の冬に国営石油会社アラムコの新規上場によって大量のお金を得ることができました。

そのサウジでもイラン問題でだんだんと下がってきているのです。

去年景気がよかったと思われるタイとサウジアラビアがこの状態で、これより景気が悪い国の影響はもっと甚大でしょう。

最初はイラン問題、追撃は中国のコロナウイルスでこういう現状です。

「大したことがない」とどの口が言えるのか、不思議に思います。

原因を間違えれば結果も間違える

マンハッタン、ミッドタウンのパークアヴェニューに立つJPモルガン・チェースのビル

JPモルガンといえば世界有数の銀行になりますが、そのアナリストが原因を間違え、結果として結論をも間違えてしまいました。

つまり、こうやってJPモルガンという名前で権威づけているからといって、その人が正しいと考えるのは間違いです。

東大の名誉教授というと「すごい」と思いますが、人間ですから誰でも間違いはあります。

しかし、発言をきちんと検証すれば、間違いか正しいかは判断できるのです。

要するにどんなにえらい人が言っても、原因を間違えていれば結果も間違えて必然です。

「コロナウイルスによって世界経済が低迷する」とJPモルガンのアナリストが発言すれば、本来の出来事以上に被害は拡大するでしょう。

「リスクオフ強まる、6月利下げ確率50%」?

この利下げ観測にはもう笑うほかありません。

そもそもFRBの金融政策はアメリカ国債1年物によって決定されていることを理解していません。

弊社も外しましたが、外した結果、FRBの政策金利決定には1年物国債の利回り推移を見なければいけないのです。

下記はアメリカ国債1年物の利回りになりますが、10月から動いていません。

FRBが政策金利を変更するのは、この金利が大きく動いたときのみです。

現在動いてもいないのに、政策金利を変更するはずがないのです。

何を根拠に金利変更を行うのか、さっぱり理解できません。

参考までに、10年物利回りは以下のようになっています。

ご覧の通り、乱高下しています。

実は1年物の国債金利をFRBは動かないようにコントロールしているのです。

つまり、FRBは当面の間、金利を動かさないと宣言しているのに等しいのに「利下げ確率が50%」というのは頭がおかしいのでしょう。

「中期的には買いの好機」?

ロイターの3つの記事の中で唯一正しいと思われるのはこの推測だけです。

下記は1月27日に発表されたダラス連銀の景況感指数になります。

参照元:TRADING ECONOMICS

最新の数字は1月のマイナス0.2になりますが、イラン問題が11月くらいから発生しているのに回復傾向にあり、中国のコロナウイルスが発生しても12月よりも回復しています。

サウジとタイが去年は景気がよかったと先述しましたが、実は世界で一番景気のよいのはアメリカです。

去年の場合は疑問符がつきますが、今年は間違いなくよくなるでしょう。

その理由はこのコラムでは何度も書いています。

要するに、今年はアメリカの一人勝ちになると思いますので、株価は想像以上にこの騒動が終われば回復します。

これは世界が回復するという意味ではなく、アメリカは回復するというのです。

世界の景気は相当な打撃を受けるでしょう。

アメリカは表面上影響を受けているように見えますが、実際の個々の数字を見れば、ほとんど影響を受けていないことになります。

まとめ:JPモルガンのアナリストですら間違える

ほぼすべての乗客がマスクを着用している上海の地下鉄の風景

コロナウイルス問題はまだ始まったばかりというのが弊社の認識です。

最初のJPモルガンのアナリストの予測は、日本でいえば日銀の幹部クラスが言った意見に等しいと言えます。

日本では民間銀行の雄は三菱UFJになりますが、JPモルガンとは格が違います。

もちろん、三菱がJPモルガンに出資しているという重要な事実に目をつぶるわけにはいきませんが、世界ではJPモルガンの前に立てば三菱など吹けば飛んでしまうというような評価です。

そのJPモルガンが予測を立てるのに、下落した原因を間違えているのです。

病気で目が悪いのに心臓の診断をしたって、適切な治療法などできるわけがありません。

医療界ではこのことを根治(こんじ)治療と言い、原因を特定して正しい治療をし完治させることを指します。

まさに根治とは理に適った方法であり、そもそも発生原因を間違えているのですから対処療法しかできないものを皆さん「ありがたい、ありがたい」と読んでいるのです。

どんなにえらい人や有名な人が未来の予測を述べても、こうやって発生して間もないわけですから、考察する時間がない結果、デタラメなことを言い始めるのです。

おそらく時間がもっと経過すれば、まともなことを言うでしょう。

肩書も権威も関係ない

有名新聞に書いてあるからといって…

弊社の場合、こうなると最初から言っているのですから、考える時間はたっぷりあるのです。

おそらく、こういう事態になるとわかっていないのであれば、彼らと同じようなことを言うかもしれません。

でも、ここまでひどいレベルになるかなというのも素直な感想です。

何を申し上げたいのかといえば、どんなにえらい人、有名な人なんて肩書なんて関係ないし、日本でNHKや読売、毎日、日経、朝日などが報道しているからと言って正しい報道なんて保証は何もないのです。

つまり、ニュースを判断するときには、常に事実関係と合っているのかをきちんと検証しながら判断しなければいけないということです。

この考えというのは1年や2年でマスターできるものではなく、長いトレーニングが必要です。

しかし、トレーニングしていれば必ず身につくものです。

おわりに:事実をもとに自分の意見を持とう

あのお方もたびたび「フェイクニュース」には悩まされている!?

儲けの源泉はこういうところにあり、すぐにこの騒動は収まると考えている人は商売の拡大のチャンスと思うでしょうが、少し長く続くと考える人は、どこまで寝たフリをしようかと考えるだけで、損得は相当変わると思います。

一瞬で終わると信じて、投資した人たちにJPモルガンの人は何も保証してくれません。

商売だけではなく人生でも後悔なく行うためには人の意見に従うだけではダメです。

自分自身の意見を事実をもとに持ち合わせる必要があるのです。

フェイクニュースなど有象無象に昔からあるのに、今さら感があります。

なぜそんなことが話題になるかといえば、皆さんの言語能力と思考能力が低下しているからです。

自分で何も考えずに言われたことをそのまま信じてしまう、最悪な態度です。

そういう人たちが「フェイクニュース、フェイクニュース」と騒いでいるだけの話だと思います。


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