日本の不況の終りが見えないのは…
日本は1989年、1992年のバブル崩壊以降、終わりの見えない不況になっていますが、その原因は明らかです。
自民党一党体制の日本において、基本的には企業優遇ですからよくならないのは当然になります。
対抗の野党勢力こそきちんと日本経済の不振を分析し、政策提言をすべきなのに、わけのわかならい文句しか言っていません。
桜を見る会だの自衛隊の派遣だのウグイス嬢やIRの問題、そんなどうでもいいことに文句を言うヒマがあれば、金融政策の提言をしろと言いたいです。
日本の小売売上高
以下のグラフを見れば、日本の問題、そして世界の問題も明らかです。
日本のバブルは、株価が経済に先行して1989年に崩壊したのに対して、3年遅れの1992年に個人消費が崩壊を起こしたのは明らかです。
このバブル崩壊、はっきり言えば、金融政策の失敗から起こったことは明白になります。
要するに、当時の日銀は公定歩合のコントロールによって日本経済を崩壊させないようにしていましたが、現在では明らかなこととして、リスクマネーをばらまかなかったことが長期停滞の原因になったことは明らかなのです。
ですから、2014年のアベノミクスでは黒田日銀とタッグを組んで異次元緩和を行いました。
しかし、上記のグラフからも明らかなように、異次元緩和を行っても、小売売上高という個人消費は上昇していません。
金利の引き上げを拒む者
景気の落ち込みに対しては、緩和マネーをばらまくことが適切な金融政策ですが、それと同時に金利も上げなければいけないのです。
ところが過去に日銀では、速水総裁や福井総裁が金利を引き上げたところ、「株価が下がった」、「景気が悪くなった」といろいろ難癖をつけて、日本政府は実質クビにしています。
金利を引き上げて困るのは政府と企業であるため、コストがかさんでしまっては困ります。
自民党の支持母体はあくまでも資本家や企業経営者ですから、お金が儲からなくなる金利の引き上げには反対します。
国は借金まみれですから、利払いが過大になるので金利引き上げには反対です。
利払いが過大になれば、財政をメチャクチャにした政治家が責任を問われるのは当然になります。
要するに、今の日本のエリート層が自身のゼニを保全させたいために、低金利を行っているのです。
金利と小売高の関係
金利と小売高の関係を見てみましょう。
下記は青が小売売上前年比、黒が金利になります。
1984年から92年まで、金利が上昇すれば小売も上昇し、反対に金利が下がれば小売も下がるという見事な相関関係になります。
以下のグラフのように過去5年を拡大すれば、この相関は明らかです。
では、皆さんのお給料を上げるのにはどうしたらいいかという問題ですが、金利を上げれば自動的に上がります。
低金利は庶民にとって悪魔の政策
2009年から大きく小売売上が下落するのは、リーマンショックのせいになります。
リーマンショック後に世界的にゼロ金利になったのですから、日本を例に見ればおわかりのように、世界的に賃金が下がり、小売不況になったのです。
結果として格差の問題が世界的に広がり、新興国ブームが起こりました。
そもそも21世紀に入ってから世界的な金利安傾向だったのが、リーマンショックによってゼロ金利、そしてマイナス金利になったら、ますます庶民が貧乏になってくのは当然です。
今世界をにぎわしているイスラムテロや格差、貧困の問題、これらは全部低金利から派生するといえるでしょう。
要するに、安倍首相やトランプ大統領など世界の指導層やインテリなどが支持する低金利は、我々庶民から見れば悪魔の政策です。
庶民にとって一番よいのは高金利政策
低金利であれば、政治家や企業、資本家が儲かります。
だから日本の企業は決算でいつも史上最高益です。
人件費が一番コストがかかるのですから、儲かっていてもお給料を上げなければ、儲かって当然です。
でも、日本の企業は人件費をこぞって上げませんから、お給料を上げなくても人は集まる、ゆえに月給で1万、2万の高さを競って応募するという珍妙な光景があるのです。
儲かっていても優秀な人は集まるのですから、企業にお給料を上げようとする意識が一切なくなっています。
エリートの頭の中身
日銀は何と言っているかといえば、「デフレマインドが抜けない」と信じられないような発言を公表しています。
物価が上昇しないのは金利を上げないからであり、自分たちでゼロ金利やマイナス金利にしておいて、「デフレマインドが抜けない」と他人のせいにしているのが黒田日銀、つまり東大から大蔵省、日銀総裁という典型的なエリートの頭の中身です。
参考までに、日本の借金はまだ増やしても大丈夫で、だから消費税の軽減策なんてやっているのです。
要するに配慮する相手を間違っています。
企業や政府は十分に低金利の恩恵を受けているのですから、今度は庶民に高金利の恩恵を与えればいいのです。
それで企業がつぶれるというのはおかしな考え方です。
本来つぶれるべき企業が存続している
カネボウや日産など、本来ならつぶれなければいけないような企業が今でも存続しています。
日産など一度市場から退場を命ぜられた企業が生き残っていることがおかしいのです。
そんな経営不振の会社を助けるために、日本政府はあの手この手を使い、ゴーンのような経営者の出現を許しました。
ある程度優良企業であるトヨタが日産を手助けしない理由は、日産の経営が腐っているからだと見ています。
今後、日産がどうなろうともトヨタはまず助けません。
独禁法の問題もあると思いますが、それ以前に会社の体質が違いすぎます。
長年赤字に親しんでいる日産はコスト追及の意識がなく、ゴーンがいなくなれば技術にお金を使い放題になるのは目に見えています。
フランスの大手自動車メーカー「ルノー」と、日本の大手自動車メーカー「日産自動車」、「三菱自動車工業」が締結したパートナーシップ関係ですが、三菱も日産同様、お金を技術につや椅子でしょう。
ルノーはもともと国営ですから、コストに対する意識なんてありません。
この甘え構造の3社連合がよくなるわけがないのです。
要するに、企業を生きながらえさせ、公的資金で優遇して財政が悪化していいます。
その非効率によってどれだけ成長を逃しているのかを考えなくてはいけません。
このまま行くと…
楽天もそうですが、社員には安月給、出店する会社には高い手数料を押しつけた揚げ句、自分たちのおかげで商売できるのだから感謝しろと要求しているようなものです。
コンビニ会社はオーナーに「商売の場を提供してやったんだから、24時間赤字でもなんでも店を開けておけ」と命じています。
理由は簡単で、24時間開けておけば本部の売り上げは上がるからです。
その間売り上げがないに等しくても、1000円の売り上げがあれば本部は半分の500円のフランチャイズ料をガメることができます。
その間の赤字はオーナー負担、本部には関係がないから「開けておけ、嫌だったら閉店しろ」と言うのです。
日本の稼ぎ出すお金540兆円のうち、6割は個人消費で賄われています。
この個人消費が現状のままで、日本の復活などありえません。
今回の新型コロナウィルスによって金利を引き下げるといえば、ますます個人消費は冷え込み不景気になるでしょう。
不景気で表れる人間の本性
マイナス金利の深堀りなんてことをすれば、日本の治安が一気に悪くなり、欧州などで起こっているテロなどが頻発するようになります。
不景気であれば弱者排斥の傾向は強まるのは誰でもわかることでしょう。
弱い者は自分より弱い者を責める傾向にあるのは当然です。
今の子どもなどは甘やかしすぎで、大声で騒いでいても誰も注意しない、そんなおかしな社会です。
一方で違う人種や異国人には非常に冷たい、これは肌の色で区別しています。
同じ肌の色はかわいいけど、自分たちに危害を加える近隣諸国の外国人には非常に冷たい。
「性差別はよくない」と言う一方、外国人を忌み嫌う人を見たことがありませんか?
金利を上げれば…
過去の日銀総裁は、金利を引き上げようとしてすぐにクビを切られましたが、これは政権が自民党にあるからです。
黒田総裁は「金利を上げる」と言えばクビになるのはわかっていますので、そんなことは言いません。
企業も株主からもっと利益を上げろと言われ、従業員のクビを切り、極限まで給料を下げても、もうお給料を上げようがないところまで来ています。
ここから業績を上げるためには、お給料を上げるほかないのですが、優秀な人がもっと集まるという確証がなければしませんので、いくら安倍首相が「お給料を上げろ」と言っても上げるわけありません。
企業はコストを一番嫌うわけですから、だったら金利を上げればいいのです。
今誰かが変えなければならない
金利を上げれば暮らしていけない庶民が大勢出ますので、お給料を上げるほかありません。
実際、去年の9月から金利を引き上げれば、売り上げは減らないでしょう。
今までの増税は反対に、増税後に金利を引き下げていたので余計に苦しくなったのです。
皆でお給料を上げるほかないのに、日銀のトップは自分の首が切られることを嫌い金利の引き上げはできません。
しかし、日本再生のためには金利を引き上げるほかないのです。
世界にさきがけてやれば効果は絶大です。
トランプ大統領は「金利が高すぎる」と騒ぎ、ECBのラガルド総裁はさらに金融政策を変更しようとしています。
日本は、金利を引き上げたら個人消費が回復し株価も下がらないのであれば、今金利を引き上げるほかありません。
政治の決断が必要ですが、安倍首相は金利を据え置こうと考えていると聞いています。
日銀は忠犬ポチ、野党はあさっての方向を見て満足しています。
誰かが変えなくてはいけないのです。
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