金価格が動く主な原因
今までいろいろな金価格予測についてお伝えしてきました。
今回はまとめ版だと思ってください。
金相場が動くのは改めて書きますが、
① 国の信用力
② 金利
です。
この①と②は、実は本質的には違いはありません。
相手によって金利が違うのはなぜ?
10億円の資産を保持する人に100万円を貸すときと、同じく資産が100万円しかない人に100万円を貸す場合、金利が違うのはなぜでしょう。
10億円の資産の人には皆喜んで貸すと思いますが、100万円の資産の人には誰も貸そうとしません、保持する資産により「心配」の度合いが違うのですから。
だから100万円の資産の人に100万のお金を貸す場合には(このロジックはあり得ませんが)、金利をかなりいただくのであれば貸すのではないでしょうか。
一方10億円の資産の人には、100万円の貸し焦げなどないのですから、1%以下の金利でも貸す人が出るでしょう。
この違いは何に由来するかといえば、「信用の問題」ということは誰でもわかると思います。
100万円の資産の人は借りたお金を返せないリスクがかなり高いので、金利が高くなるということは、国に当てはめれば金利が高ければ高いほど「国の信用はない」ということになります。
マイナス金利とは?
金利がマイナスということは、返済を遅らせれば遅らせるほど借金の金額が減るので、その人がデフォルトを起こす可能性は限りなく低くなるという意味です。
デフォルトとは、債務の返済ができないことを指します。
つまり、今マイナス金利を導入している日本やユーロは、絶対につぶれないという信用があるのです。
どこかの専門家が「日本は潰れる!」、「ヨーロッパは潰れる!」などと騒いでいますが、経年するたびに借金が減るのに国がつぶれるという発想は実はおかしいのです。
毎月の返済といっても、法律上は金利を支払えばいいのですが、金利がマイナスなのでその金利を借りた人はもらえるのです。
お金を借りて毎月お金がもらえる上に借金は減る、こんな天国みたいなことにもかかわらず、ヨーロッパがつぶれると言っています。
つまり、ヨーロッパや日本がデフォルトを起こすことはあり得ないのです。
デフォルトはないが…
マイナス金利が続く以上、国家の破綻は気にする必要はありませんが、今の日本のように借金を積み上げていくのは別の次元で問題で、当社が扱う「金」にとってはパラダイスの時間です。
お金を貸して金利を稼ぐ債券投資家にとっては何のメリットもありません。
だから、債券という国債に投資するよりも安全なものは、金しかないという流れになります。
ビットコインが有望な投資先かといえば、今の値動きを見れば間違いなく避けるのが当たり前です。
金価格高騰の原因
マイナス金利が続く限り、こういった側面で考えれば金はずっと高いということになります。
金の根源的な価値とは国の信用にあり、その成長が著しくなれば金の価格は下がります。
なぜなら、つぶれる可能性がなくなるからです。
そして、金利が下がれば下がるほど信用は上がり、金利が下がれば投資の醍醐味がなくなるので、そのお金が金に還流します。
金価格の高騰原因とは、ココにあるという点を認識してください。
そして、国の成長と金利によって金価格は構成されていることを覚えておいてください。
金の価格構成
改めて金の価格をロジカルにお話しすると、金価格はロンドンの現物市場で午前と午後に必ず決定されています。
ほかに現物市場で主なものはニューヨークと香港です。
それに対し、国の信用力の代表格としての実効為替レート(毎日計算されています)の公表は週に1回のみ。
毎日金の価格は決定されて瞬時にわかりますが、国の成長を表現するものは指標がないので、代用として株式市場の価格を使います。
実際の株価と金価格の関係
下記は2018年1月からのニューヨークの株価です。
そして、以下がドル建て金価格になります。
前述の説明ですと、金の価格は株価が上昇すれば下がるはずです。
しかしながら、実際には金の価格と株価は相関しているような流れになっています。
これが連動しない理由はまた後日説明しますが、複雑な計算式を理解すればその理由はわかります。
実は、金価格は毎日の株価と金利をチェックすれば、理論値はわかってしまうのです。
では、次に金利はきちんと相関しているかを見ていきましょう。
金利と金の関係
下記は2018年1月1日からの金利の推移です。
株価と違い、金利が上昇すれば金価格は下落、金利が下落すれば金価格は上昇と見事に反相関の関係になっていることが観察できます。
実は株価ではなく、金利との認識することが第一歩なのです。
金利は必ずパーセンテージで表現される
金利は必ずパーセンテージで表現されます。
100万円の1%の金利は1万円、1,000万円の1%は10万円です。
つまり、パーセンテージは一緒でも、絶対値の金額が違います。
しかし、金利は相対値になりますので、金利を計算する場合には必ず相対値に転換すればいいだけの話です。
つまり今日の株価が〇円、そしてその〇円という値段は先日から〇%の上下動と表現されますが、ほとんどの方は〇円が絶対値、〇%の下落、上昇というものを同じ数字と認識しています。
物事を比較するのには、その数字が相対値なのか絶対値なのかを比較して、絶対値で比較するのであれば両方とも絶対値にしなければならず、一方が相対値であるのであれば、相対値に合わせなければいけません。
金利と金相場を計算式で考える
例えば、
『株価が昨日から1%の上昇』
『金利は昨日から1%の上昇』
という命題を計算式にすると、
★ドル(株価)×1.01(金利)=★・1.01ドル
となります。
わかりにくい人は、株価の★ドルをXドルとすればよいわけです。
これが金の計算として翌日に何パーセントの上昇、下落になるのかを計算すればいいだけの話なのです。
そうすると金の翌日の値段がわかるということになりますが、意味がわかりません。
頭の回転の速い人は、これは従前の予測方法と変わらないと思うはずです。
でも、経済指標の見方でいえば、大事なのは前年同月比ということを覚えていれば、なんてことはないのです。
話を飛躍させれば、マーケット、金相場とは、去年の同じ日と全く同じ動きをするのです。
金利と金価格のチャートを見る
お気づきになったと思います、去年と今年は上と下が別の方向に動いていることを。
これはなぜ起こっているかを考えれば、答えは非常に簡単、金利です。
以下は2018年と2019年の金利の比較になります。
金利が今年大きく下落したから、金は急騰したことがわかります。
以前9〜11月に金価格が天井を打つといったのは、実際に金利低下のピークは9月だったからです。
その後金利は上昇していますが、この年内最後のFOMCにて金利利下げの打ち止めが決まっていますので、今後は金利は上昇傾向になります。
しかし、反対にFOMC後から株価は新高値を迎えているので、国の信用が上昇したから金の価格は急落するはずですが、むしろ金利が安いことを歓迎して金の価格は急騰しているのです。
弊社も複雑怪奇でだんだんとわからなくなったのは、金利が急変したから金の今年は上昇したのです。
正確には、去年の9〜10月には金が底を打つと書いていて実際にその通りになっています。
そして11月くらいまでに天井といっていましたが、今ではゼロ金利が解除されるまで高いに変更しています。
本当の予測の仕方
2018年と2019年の金価格を比較すると真逆になっていますから、例えば12月15日の翌16日の日曜明けはどう予想すればいいのかの話をします。
2019年12月16日を予測するのには、2018年の12月16日、つまり去年の値動きを見ればいいのです。
そのときに、2018年12月16日の金価格が上昇しているのであれば、2019年12月16日の値段は動きが逆になるのですから、下落になります。
その幅は、2018年12月16日が前日に比べ〇パーセントの上昇、下落の反対になると予測すればいいのです。
実際の値段は株価と金利に影響されますので、前日比と前年比の影響を受けた結果が今の値段になります。
かなり難しい話なのですが、これは株価の予測も為替の予測も同じことです。
予測の仕方のベースとは去年の価格で、その正しい計算方法をマスターすれば、だいたい明日の値段はわかってしまいます。
こう計算すると、12月16日のドル建て金価格が急騰するのはわかっているのです。
しかし、日本円建ては円高になりますので、あまり変わらないかもしれません。
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