東日本大震災後の為替レート
ここに書いてあることは、どのサイトも言っていないことです。
投資家のほとんどは、今後円安にいくと信じていることでしょう。
長期的には円安でしょうが(現在、確定しているのは5月までですが、ほぼ間違いなく8月まで円安)、どう動くかをきちんと理解してほしいと思います。
もう一度、書いておきますが、ここに書いてあることはどんな学術論文、専門家のレポートにも書かれていません。
そして、おそらく、この予測は当たります。
東日本大震災の後、ドル円レートは円高になりました。
あのとき、なぜ為替が円高になったのかを理解するためには、前回のドル÷円を理解しなければなりません。
なぜ震災後に円高になったか
当時の日本はリーマンショックを受けて青色吐息、一方のアメリカはQEをはじめようやく回復をしていたところ。
つまり、アメリカは今後の成長が見込め、日本は低成長ないしはマイナスが確定している状態でした。
すなわち、アメリカの株価は上昇気味、日本は横ばいからマイナスだったのです。
そのときに震災が起こったのであり、この場合、アメリカはすぐさま株価は売られます。
日本は当時の株価は7000円台であり、売るにも売りようがなかったからです。
理由は明快で、すでにバーゲンセール状態だったのですが、買う理由がなかったので買う人が誰もいませんでした。
すなわち、売る場合には上がったところを売るのが鉄則ですが、日本株は売るにもコスト割れのところを売るほかなかったのです。
アメリカはリーマンから回復したので、サプライチェーンの崩壊から売ることができました。
日本はコスト割れ、アメリカは若干高めになれば、売るのであればアメリカになります。
震災前後の株価を表にして答えを導くと
震災前と震災後の経済、株価の状況は以下のようになりました。
震災前 震災後
日本株価 100 100
アメリカ株価 100 50
これを為替レートで考える場合は、ドル円はドル÷円で考えればいいのです。
震災前の計算式
アメリカ株価100÷日本株価100=1震災後の計算式
アメリカ株価50 ÷日本株価100=0.2
このレートの数字が減っているということは、円安ではなく円高です。
だから円高になったのです。
新型コロナの前後を表にして考えると
さて、今回の円安の説明についても奇怪な説明が数多くなされています。
コロナウイルス前 コロナウイルス後
日本株価 100 50
アメリカ株価 100 150コロナウイルス前の計算式
アメリカ株価100÷日本株価100=1コロナウイルス後の計算式
アメリカ株価150 ÷日本株価50=3
数が大きくなっているので円安になるのです。
こんなことを書いているサイトはどこにもありません。
日本ではここだけのはずです。
なぜ円安になるのか、皆さんも簡単に理解できたことでしょう。
アメリカの今後の展開
日本の経済は中国のお隣ということもあり、影響は甚大になるでしょう。
一方でアメリカは金利が大きく低下をしています。
そして、総合PMIが劇的に悪くなり、逆にISMなどの工業指数は大絶好調になっています。
日本が悪いのは当たり前なので、アメリカを解説をしていきましょう。
まず、当コラムで何度も言っていますが、金利を引き下げると経済の三主体では、企業がよくなり、つまり製造業のこと、消費、つまり家計が悪くなります。
この企業と家計の規模の関係ですが、家計がGDPの7割を占めるのに対して、企業のGDP占有率は10%程度になります。
すなわち、いくらISMやフィラデルフィアが絶好調の経済統計を見せても、個人消費などの家計が悪くなればアメリカ全体では落ち込みます。
さらに現況、企業は絶好調ですが、今後アップルなどの決算見通しの低下見通しなどを見れば悪くなってくるでしょう。
そうなると、アメリカ全体の景気も落ち込んでくるのは必然です。
現況と今後を表にしてみると
上記のように表にすれば、
現在の情勢 今後の情勢
アメリカ株価 100 80
日本株価 100 90
と考えることができます。
なぜ、アメリカの株価のほうが落ちやすいかは震災のことでも学んだと思いますが、アメリカ株はコロナの影響で横ばいには多少なりましたが下落をしていません。
日本は下がっており、ゆえに上記の表のようになるのです。
この答えは現在の情勢が1なのに対して、今後は0.88くらいになるので円高です。
今後のドル円相場は?
今世間は何と言っているかといえば、しばらく円安が続くと専門家は言っています。
新型コロナウイルスでマーケットが震撼した直後は円高と言っていたのに、実際は円安に行き、当面は円安と言い始めると円高に行く、これでよく専門家と言えたものです。
ただし、長期的にはアメリカのGDP、1-3月発表が4月の末、日本は5月の中旬です。
ここまで日本<アメリカの株価の関係が続くと思いますので、円安です。
ただ、直近はアメリカの株価が下がっていませんので急落のリスクがあります。
日本の下げ幅以上にアメリカ株が下がる可能性が高いのですから、円高になる可能性のほうが高いのです。
このロジックを理解していればFXはほぼ100パーセント勝てますが、マスターするのに10年はかかるでしょう。
今後の金価格
トランプ大統領は相も変わらず、ドル安、金利安を望むでしょう。
株価が急落すれば、ドルの下落であり、金の動く要因の①であるドルの上下動から買いです。
金利は次回のFOMCで誘導目標金利の利下げはほぼ確定ですから、金の動く要因の金利②で買いになります。
どこから見ても金の逆風がないと思われます。
もちろん、考察する対象はいくらでもあります。
例えば、新型コロナウイルスの影響が全世界にわたったときに、アメリカ政府も景気対策という財政出動を行うでしょう。
その場合、政府の借金が増えるので金利が上昇しますので、金の売り要因になります。
そこにFRBが国債の買取を行うと、金融緩和になるという点もきちんと考えなければいけません。
金融緩和を行えば金利は低下するのですが、この間の金の上下動も見ものになるのです。
円建て金価格の今後は?
円建ては金の変動要因①②で考えます。
通貨が高くなった場合、変動要因①の円の上下動では売り要因になりますが、その際に日銀がアメリカと同様に金融緩和を行う可能性があります。
金融緩和を行った場合には、金はまた上昇とアメリカと同じ構図なのです。
この辺は、実際の事態推移を見みて説明をしないとわかりにくいと思いますので、今後も解説をしていきます。
コメントを残す