2020年、このままだと世界経済が壊滅的な被害になる可能性がある

新型コロナウイルスの感染者が10万人を超えたという報道がありましたが、なぜメディアは、一方で回復者が5万人を超えている事実を伝えないのでしょうか。

致死率は4%前後で、ほとんどの人は回復するのです。

問題は感染拡大ではなく「生産性」だということをもう一度記しておきます。

2020年3月6日の動き

まず、アメリカの1年物国債利回りを見ておきましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

2020年3月3日にFRBが緊急利下げを行ってから、ものすごい金利の急落がありました。

一方で、FFレートの1年物金利は以下のグラフの通り1.75から1.25に変更しています。

参照元:TRADING ECONOMICS

何が言いたいかといえば、市場金利が0.4なのに対して、誘導目標は1.25なのです。

その乖離は0.8にも及び、3月18日のFOMCはさらに0.5の利下げが確実になったということです。

FRBの報告では、ニューヨークへの観光客の減少や一部の生産ラインの停止などが報告され、アメリカもこのコロナウイルス被害に無傷ではないことがだんだんと鮮明になってきました。

本来なら誘導目標が1.25であれば、市場金利は1.0くらいが許容範囲ですが、それを0.4まで、FRB委託によるNY連銀が国債の買いオペを3月6日も行ったという意味になります。

それだけFRBは、コロナウイルス蔓延による「生産性」の低下を懸念しているということです。

韓国・中国に対する入国制限について

日本と同様に韓国からの入国に制限を設けた中国からの入国はオープン、日本には入国制限を設けた韓国

3月6日の動きは、前日のNY市場が1000ドル以上の株価の急落に見舞われたことから、日経平均もそれなりに売られることが予測されました。

しかし、FRBによる緩和マネーが流れ込んでいますので、反転上昇が考えられましたが、この中国、韓国からの入国制限に対してマーケットは過敏に反応しました。

そして、韓国がいつも通り対抗処置を発表し、いつものように日経平均が売られるというパターンでした。

韓国の対抗処置については、日本人の入国制限をする一方、感染の当事国である中国人に対しては行わないというかなり片務的で不合理なものです。

敵意をむき出しの無茶苦茶な行為と言えます。

韓国にとって日本は生命線だった

2019年のボイコットジャパンキャンペーンに続き、日本に対して感情的とも言える措置を取った韓国

韓国にとって、日本とのビジネスは生命線になります。

韓国の貿易相手国1位の中国人の入国制限を行わないのは合理的です。

10万人の感染者がいる一方、5万人の回復者がいるのですから、いつかは収束すると考えるのが合理的ですし、また中国のご機嫌は損ねたくないでしょう。

ところが現在、中国からの輸入は途絶え、部品の供給が思うように進んでいません。

つまり、生産性の低下が起こっているのです。

そこで企業としては、代替の輸入先を日本に求めて一生懸命交渉をしています。

入国制限をかけられた場合、韓国は致命的な打撃を被るわけで過剰反応になのです。

日本人の場合は感染するかしないか、片や韓国人は生活ができるか否かの問題ですから、日本以上の過剰反応になるのは当然になります。

韓国は瀬戸際

2020年3月、人影もまばらとなったソウルの観光地、明洞

韓国にも事情があり、IMFでの破綻を受けて、自由貿易立国を目指しています。

つまり、GDPのほとんどを貿易で稼いでおり、今回のウイルスで世界のグローバルチェーンが破壊された現在、今後は非常に厳しいとしか言えません。

その際に頼りとしていた日本のこのような行為は、裏切りとしか感じられないでしょう。

ただ、SARSのときも封じ込めに失敗し、今回も大量の感染者を出したことから、日本政府は韓国の衛生管理や防疫を信用していない節があります。

自ら招いた結果であり、事前協議がなかったと反発する前に過去の経緯を見直すべきであり、一方的に日本が悪いというのは国としてどうなのかと思わざるを得ないと思います。

ともかく、韓国経済はこの騒動が長引けば長引くほど大変なことになっていきます。

この状況は世界も同じ

中国の製造業の過半数が現在でも操業停止の状態

世界第2位の経済大国である中国でも同様で、製造業の過半数が1月の中旬から3月の上旬まで2ヵ月も止まっているという操業停止の状態が現在でも続いています。

同様に世界第2位の経済圏であるユーロ、そして韓国同様貿易に頼り切っているドイツの経済地盤沈下は激しいものがあります。

中国に貿易を頼っている国々も問題で、韓国を筆頭とした東アジア諸国およびASEANの被害は甚大です。

東南アジアの貿易構造は、ほとんどが中国から原材料や部品を輸入して、それをアメリカに輸出するということを行っているからとなります。
※ASEAN平均の貿易依存が20%程度あります。

つまり、中国の工場が停止しており、原材料が入ってこなければ輸出ができないという状態です。

輸出先のアメリカにも、FRBの調査によってその影響が出てきています。

全世界に及ぼす影響は甚大

2020年3月に入り、コロナ感染者数が伸びだしたドイツ

ドイツも同様で、中国から原材料を輸入して製品を輸出しています。

自動車などは典型でしょう。

第2位、第4位の経済大国が不調になっていて、世界の経済に及ぼす影響は甚大です。

ドイツに関しては、アジアと離れていますので、影響の大きさは実感はできませんが、今後日本を筆頭とする東アジア、東南アジアの生産性の低下は著しい問題を引き起こすでしょう。

アフリカも中国の依存度が高く、中東も同様で、日本は自粛モードでもうどうしようもない状態です。

これで株が買いになるわけがありません。

リーマンショック以上の影響が出る可能性も

今後、世界規模の激しい経済不況が予測される

自粛ばかりである程度の経済の落ち込みは想定できると思いますが、今回は世界のサプライチェーンが壊滅的な打撃を受けています。

サプライチェーンとは

Wikipediaより

このまま打開策なく、入国管理の拒否などの厳罰化を行っていけば、今以上に経済は落ち込んでいくでしょう。

つまり、リーマンショック以上の影響が出る可能性も否定できません。

その場合、今回は金は下がるでしょう。

その証拠に、金利がこれだけ低下しても金の価格は下がっているからです。

FRBが1年物金利を誘導目標以上に懸命に下げていることからもおわかりのように、皆さんこの混乱を軽視しすぎなのではないかというのが危惧だと思っています。


コメント

“2020年、このままだと世界経済が壊滅的な被害になる可能性がある” への2件のフィードバック

  1. 3月前半に
    「はっきり申し上げれば、世の為替の専門家、プロと言われる人で、為替の基本的なメカニズムがわかっている人は皆無に等しいです」
    とか言ってるけど現在の相場を事実として何か弁明はないのか

    1. コメントありがとう。

      何故弁明する必要があるのかを明確にどうぞ。

      管理:杉

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