PERRELET(ペルレ)とは -機械式時計に自動巻きという命を吹き込んだ革新者
PERRELETは創業者のアブラハム・ルイ・ペルレ(Abraham Louis Perrelet)から由来しています。250年前に創業し、革新性と専門技術への情熱を持つスイスの機械式腕時計ブランドです。PERRELETは現代でも使われる「自動巻き上げ機構」を1777年に開発し、世界初となる「自動巻き懐中時計」を発表したことで有名です。1830年にはフランスのアカデミーサイエンスで受賞するなど輝かしい歴史を持つブランドです。
時計の機能面では1995年に完成させた独自機構「ダブルローター」が時計業界で大きな話題を呼びました。2012年からは自社でキャリバーを製作、2013年には3大複雑機構とされる「トゥールビヨン」を搭載した腕時計を発表、2019年にはCOSCの認証を受ける等、技術力に秀でたスイス腕時計メーカーの1つです。
このような歴史と技術があるブランド腕時計のカタログ価格は基本モデル「WEEKEND」で約20万円台から、代表的モデル「Turbine(タービン)」は約70万円台からです。
リセールバリューはインターネット通販で「タービン」モデルが20万円から40万円台となっています。
世界初の「自動巻き懐中時計」、特許を取得した「スプリットセコンド・クロノグラフ機能」等で時計の歴史にその名を刻み続けるPERRELET。自社工房でムーブメントを開発・製作する高い技術力、魅惑的でユニークなデザインは、目の肥えた腕時計愛好家の期待に応えることができるブランドだと思います。
目次
PERRELETの歴史を見てみよう!
機械式腕時計を買うことはその時計の歴史に触れること、といっても過言ではありません。
PERRELETの創業とDNA
PERRELETはアブラハム・ルイ・ペルレ(Abraham Louis Perrelet)が創業しました。
アブラハムは先駆的でイノベーションに溢れた技術と経験を追い求め、その後継者ルイ・フレデリック・ペルレ(Louis Frédéric Perrelet)以降も一貫してその精神を受け継いでいます。現代でも時計の専門知識をこれまで以上に強力に表現することに熱心で、厳格な技術水準を維持することをとても大事にしています。
PERRELETの輝かしい歴史
1729年にアブラハムは時計製造の街として有名なスイスの ル・ロクル(Le Locle)に生まれました。彼は時計に魅了され10代の頃から様々な精密時計の制作に没頭、1777年に懐中時計用「自動巻き上げ機構」を発明しました。
1780年にアブラハムは世界初となる自動巻き懐中時計「First Pedometer」を発表しました。この懐中時計には歩数計、カレンダー、脱進機等も備えていました。
その後も歯車、脱進機、および独自の自動巻き上げ機構の改善に取り組みその技術を高めていきます。
1781年に生まれたルイは祖父アブラハムの下で時計技術の訓練を受け、ブレゲ(Breguet)の工房で経験を積んだ後、パリでヨーロッパの王族向けの仕事を始めました。彼は天文学や科学への関心が高く、「知性(インテリジェント)のある時計」をデザインするようになり、1823年に万国博覧会で「天文時計」を発表。その結果、フランス王の時計職人になりました。
1827年、ルイはフランスの展示会で「クロノグラフカウンター」を発表。搭載したスプリットセコンド・クロノグラフ機能は1828年に特許を取得し、1830年にフランスの天文学アカデミーサイエンスで受賞しました。
1834年、ルイはヨーロッパ中に広がる彼の評判、才能と様々な受賞歴により、フランスからKnight of the Legion of Honour(レジオンドヌール勲章)の栄誉が与えられました。
PERRELETを代表するモデルとキャリバー
The Dipteros model
1995年、PERRELETは「ダブルローター」キャリバーを完成させ時計業界に大きな話題を提供しました。ダイヤル側にあるローター(上)とムーブメント側にあるローター(下)の2つのローターで巻き上げるユニークなシステムです。これにより安定的かつ効率的に巻き上げることが可能となりました。
Dipterosは新しく独創的な道を開いたモデルとして、PERRELETブランドの将来を告げる重要な過程になりました。
CLASSICS (First Class)
2015年、PERRELET はFirst Class Double Rotor Skeletonを発表しました。キャリバー P-481を備え、革新的なダブルローターの伝統と、スケルトン加工の専門技術を組み合わせることで、機械式時計の美しさを追及しました。
Turbine Model
2009年、PERRELETは象徴モデルとなる「タービン(Turbine)」を発表しました。このモデルは「ダブルローター」のコンセプトを受け継ぎ、文字盤側に12枚のブレードでプロペラのように高速回転するローターを組み合わせました。ローターの高速回転により様々な色とモチーフが文字盤の背景に表示され視覚効果がとても印象的になっています。
2013年、「タービン・クロノ(Turbine Chrono)」を発表しました。タービンの機能とクロノの複雑な機能組み合わせは、PERRELETの創造的能力を実証しました。
2013年にタービンと複雑機構トゥールビヨン(Tourbillon)を巧妙に組み合わせたTurbillonモデルを発表、技術力の高さを証明しました。
Perrelet Official:https://www.youtube.com/watch?v=cGmW4Tr4N6A
2014年にはTurbine Pilotモデルを発表、続いて2019年にはTurbineコレクション発表から10周年を記念したTurbine Evoモデル(キャリバーP331-MH搭載)を発表しました。
このEvoモデルは日差-4秒から+6秒以内と非常に高い精度を確保し、スイスの公的機関「COSC (Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres)」から認証を受けました。
キャリバー
2012年、PERRELETは自社工房でキャリバー P-321を生産、ムーブメントを構成するすべてのパーツ(ひげゼンマイ、脱進機を含む)を開発・製造できるブランドになりました。
代表的なキャリバー
それぞれ振動数28,800/時間、42時間駆動は共通です。
P-321
P-331-MH
P-381(スケルトン)
P-401(GMT)
ダブルローターキャリバーも振動数28,800/時間、42時間駆動は共通です。
P-181
P-181-H
P-481(スケルトン)
Tourbillon
振動数28,800/時間、65時間駆動です。
P-371
それではPERRELETの代表的な腕時計のいくつかをご紹介します。
Turbine EVO (A4062/2)
Caliber P-331-MHを備えCOSOの認証を受けたシースルー・ケースバックモデル。
定価 €4,580.00
振動数28,800/時間、42時間駆動
ケース直径は44MM、厚みは13MM
風防はサファイアクリスタル、防水性5ATM
Turbine FIRST CLASS (A3043/1)
Caliber P-381を備えたシースルー・ケースバックモデル。
定価 €15,580.00
振動数28,800/時間、42時間駆動
ケース直径は42.5MM、厚みは10.7MM
風防はサファイアクリスタル、防水性5ATM
Turbine TOURBILLON (A1077/1)
Caliber P-371を備えたトゥールビヨンモデル。
定価 €86,880.00
振動数28,800/時間、65時間駆動
ケース直径は46MM、厚みは13.4MM
風防はサファイアクリスタル、防水性5ATM
【出展】
PERRELET 公式サイト https://perrelet.com/en/content/14-history
時計部 https://www.muraki-ltd.co.jp/watch/wristwatch/perrelet/doublerotor20.html
Gressive https://www.gressive.jp/brand/perrelet