世界三大時計ブランド パテック フィリップの魅力とその主力モデル

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パテック フィリップ」は1893年創業。「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「オーデ マピゲ」と共に世界三大時計メーカーの一つで、スイスの時計産業に置いて最高峰であり最重要ブランドであります。

創業より178年に渡り、スイスの時計産業をリードし、世界最高水準の時計の製作を追求し進化し続けています。自社で全ての工程を担う数少ないブランドで、デザインからムーヴメントの製造まで自社で一貫して行うマニュファクチュールブランドであることも「パテック フィリップ」の特徴です。

最高級時計として知られる「パテック フィリップ」の時計は、世界最高水準の名の下にオークションにレアアイテムが出品されれば、数千万や億単位で取引されることも。中古市場においても決して値段が下がることがない点から、時計愛好家や富裕層から資産価値が高い時計としても注目されています。

パテック フィリップ」の時計は機能と性能を維持して世代を超えて受け継がれる時計であり、資産を継承する為にも「永久保証」を掲げています。どんなに年数が経過した時計でも修復できる技術を保存している点においても、「パテック フィリップ」の時計の価値を裏付けています。


目次

パテック・フィリップの歴史

Kamil Zajaczkowksi / Shutterstock.com

1839年にアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックがジュネーヴに時計工房を開いたことからスタートした、「パテック・チャペック社」が今日の「パテック フィリップ」の前身です。

1844年、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックはパリの博覧会で天才時計師ジャン・アドリアン・フィリップと出会います。彼は竜頭巻き上げ・時刻合わせの機構を考案した人物で、1845年には特許を取得しています。

世界最高の時計を作りたい思いで意気投合した二人は1851年に「パテック フィリップ社」を設立しました。

設立と同年の1851年にロンドン万博で世界初の鍵なし時計を発表し、金賞を受賞。「パテック・フィリップ」の名前はヨーロッパ中に広まり認知されるようになりました。以来、技術革新を続け中身の機械だけでなく外装の美しさも重視した世界最高と称賛される時計を製造し続けています。

1868年にハンガリーのコスコヴィッチ伯爵夫人の為にスイス初の腕時計を製作。その後も技術革新と製品開発を続けパテック フィリップ社は成長し続けました。

ところが、1929年の世界恐慌により、パテック・フィリップ社は経営が悪化します。1932年に文字盤製造会社を経営しているジャン・スターンとシャルル・スターン兄弟が同社を買収し、社名を「パテック・フィリップ」に変更しました。

そして、現在に至るまでスターン家が「パテック・フィリップ」の経営を担っています。

1932年に新体制になり、経営の立て直しの為に発表されたのは後ほどご紹介する「カラトラバ」。現在まで続くこのコレクションは「パテック フィリップ」の代表作として不動の人気を誇っています。「カラトラバ」のあとは、「ノーチラス」、「アクアノート」などの名作を次々に発表し、さらに特許取得の複雑機構を備えた革新的な時計を次々に作り出しました。

パテック フィリップ」は創業以来、数々の複雑機構を開発し、特許を取得。革新的な名作モデルを次々に発表し続けて世界最高峰の時計ブランドの地位を確固たるものにしました。


パテックフィリップの特徴

パテック フィリップ」は洗練された最高の技術で製造された精巧なムーブメントを備えた時計を製造しており、機能や性能面でも最高品質なのは言うまでもなく、洗練された美しい外観デザインも魅力です。

まさに時計愛好家なら最終的にたどり着く、世界最高峰の時計ブランドです。


ジュネーブ唯一の独立経営の時計ブランド

スイス時計産業のブランドのほとんどは、「リシュモン」「LVMH」「スウォッチ」といったグループの傘下にありますが、「パテック フィリップ」は20世紀の世界大恐慌やリーマンショックを乗り越え、一貫して独立経営を守り続けました。

現在では、ジュネーヴにおいて唯一の独立したマニュファクチュールブランドとして時計産業において不動の地位を確立しています。


パテックフィリップシール

パテック フィリップ」の時計の全ては、「ジュネーヴ・シール」を取得しています。

ジュネーヴ・シール」とは“スイス及びジュネーヴによって規定された最高級のスイスメイドの時計の証”として厳しい基準をクリアした時計だけ取得できる証として知られています。

パテック フィリップ」は2009年に「ジュネーヴ・シール」の品質をさらに上回る基準を自社で設けて「パテック フィリップ・シール」を導入しました。

ジュネーヴ・シールがムーブメントそのものの評価であることに対し、パテック フィリップ・シール」の基準は自社で作られたムーブメントだけでなく、ケースや外装に至るまでをその対象とし、さらにはアフターケアの保証にまで至ります。

パテック フィリップ・シール」の導入は「パテック フィリップ」が他の時計ブランドと一線を画していることを世に知らしめました。


永久修理

パテック フィリップ」の時計は「親から子へ」受け継がれることをコンセプトに製作されていて、「永久修理」を掲げています。

創業以来、製作に携わった古い工作機械や工具を保管している為、製造から100年以上経っている時計でも修理を受け付けてくれます。これは、時計の所有者に対して資産価値を保証してくれると言っても過言ではありません。

1978年以前に製作された時計は、ジュネーヴ本社のアトリエで修理が行われることになり期間は最大で約2年かかりますが、当時のノウハウと現代の最新技術を用いて修復されます。

時計ブランドの中でも、「永久修理」を掲げているブランドは非常に数少なく世代を超えて愛用することが可能な点が「パテック・フィリップ」の魅力の一つです。


パテックフィリップの主力モデル

数々の名作を生み出し続けている「パテック フィリップ」ですが、主力である3つのモデルをご紹介します。


カラトラバ

HasanZaidi / Shutterstock.com

1932年に「パテック フィリップ」の経営立て直しをかけて発売された「カラトラバ96」は、懐中時計から腕時計化を推し進めて後世にスタンダードなラウンド型腕時計のデザインとして定着しました。「パテック フィリップ」のスタイルを象徴する最も美しくて、エレガンスなドレスウォッチとして広く認知されています。

1932年に発売された「カラトラバ96」は、1970年代まで30年に渡り生産され続けた古典的傑作として中古市場において時計愛好家から絶大な人気を博しています。1932年といえば、世界恐慌で経営難となった「パテック フィリップ」をスターン兄弟が買収した年でした。そんな混乱の中、わずか1年で開発された「カラトバ96」は、自社の持つ技術を集約して、手堅く作り上げたシンプルなデザインながら、エレガントなドレスウォッチの傑作と言われています。

カラトラバ」はラウンド型のケースとラグを一体化させたシンプルなデザインで、時間を示すバーインデックスと針の組み合わせは無駄が一切なく視聴性に優れています。後に時計業界に置いてラウンド時計の模範となりました。

「カラトラバ」は時代と共にバリエーションが追加になり、流行に左右されないシンプルな美しさが魅力で支持され続けています。


ノーチラス

パテック フィリップ」初のスポーツウォッチとして1976年に誕生した「ノーチラス」。世界で最初のウォッチデザイナーとして活動し始めたジェラルド・ジェンダがデザインを手掛けました。

丸みを帯びた八角形のベゼル、潜水艦ノーチラス号の船窓から着想を得たケース、水平エンボス文字盤、薄型でありながら高い防水性能を備えた「パテック フィリップ」を代表するモデルです。

カジュアルでスポーティなのにエレガンスを表現した「ノーチラス」コレクションはレディス・メンズ共に展開し、発売以来長きに渡り愛され続けています。

世界最高級のスポーツウォッチ時計と言っても過言ではありません。


アクアノート

アクアノート」は1997年に発売された比較的新しいモデルです。「ノーチラス」よりも少し丸みを帯びた外観が特徴で、防水性や耐久性に優れています。

アクアノート」は超高性能な自動巻ムーブメントを搭載している上に、スポーティな外装デザインも魅力です。

コンポジット素材のトロピカルバンド(ラバー)は、「パテック フィリップ」が独自に開発したハイテク素材で、水や摩擦、紫外線によるダメージに強く耐久性に優れています。金属製ではない為、腐食したりアレルギーとは無縁の万能な素材です。

ケースはステンレススティールだけでなく、ホワイトゴールドとローズゴールドも展開していて、ストラップの豊富なカラーバリエーションと組み合わせて自分好みの「アクアノート」を選べるのも魅力です。


グランド・コンプリケーション

グランド・コンプリケーション」とは、複雑機構を同時に搭載した最上位の複雑時計の総称で、時計愛好家や富裕層のステータスシンボルアイテムとして支持されています。

複雑機構とは、「トゥールビヨン」・「永久カレンダー」、「ミニット・リピーター」、「クロノグラフ」、「天文表示機構」などを指します。これらを組み合わせた最上級で世界最高峰の超複雑時計を「パテック フィリップ」は開発し続けています。

グランド・コンプリケーション」の中でも、「パテック フィリップ」を代表する「永久カレンダー」と「年次カレンダー」をご紹介します。


永久カレンダー

Grzegorz Czapski / Shutterstock.com ※写真はイメージです

永久カレンダー」(別名「パーぺチュアルカレンダー」)は、機械式時計の3大複雑機構の一つで、月の日数や閏年を判別して時計が動き続ける限り、永久に正しい日付を示し続ける仕組みです。

パテック フィリップ」は1925年に永久カレンダー搭載腕時計を発表しました。「No.97975」は永久カレンダーを搭載した世界初の腕時計として有名です。12時の位置にセンター針によるポインターデイト式で、6時の位置に12ヶ月を表示、3時の位置にムーンフェイズが表示されています。深夜0時に切り替わる「瞬時日送り式」であることも特徴にあげられます。

永久カレンダー」は、「パテック フィリップ」の「グランド・コンプリケーション」の中でも外せない機構です。1941年より「永久カレンダー」シリーズの生産を開始して以来、技術革新を続け改良され続けています。

現在では、製作が困難とされるレディースの小型モデルから、クロノグラフ搭載の永久カレンダーまで様々なバリエーションを生産しています。


年次カレンダー

1996年に「パテック フィリップ」が発表した「年次カレンダー」は、同年にウォッチ・オブ・ザ・イヤー賞を受賞。この独創的な「年次カレンダー」は特許を取得していて、25年に渡り「パテック フィリップ」を代表するフラッグ・シップモデルの一つとして時計愛好家に支持され続けています。

年次カレンダー」は、30日までの月と31日までの月を判断できる機能であり、特殊な月である「2月」から「3月」に変わる3月の初めだけ日付調整が必要になります。その為、「年次カレンダー」は「年に一度だけ日付調整が必要な時計」と説明されます。

年次カレンダー」は、「永久カレンダー」に比べると簡素な設計となっていて「永久カレンダー」の方がより上位モデルだということは見て取れますが、月日表示に加えて、曜日も表示されるので見やすく実用的なのが特徴です。


まとめ

パテック フィリップ」は、幾度の経営難を乗り越えて独立経営を貫いたジュネーヴ唯一のマニュファクチュールブランドであり、創業以来一貫して、世界最高品質で最高級の時計を提供し続けています。

パテック フィリップ」の時計は、その資産価値が保証されており、多くの時計愛好家から支持され続けているまさに憧れを越した卓越したアイテムです。近年定価の上昇傾向にある為、投資目的で購入する富裕層も増えているのが現状です。

世界最高峰の時計を一度手にしてみるのは如何でしょうか。時計産業において最高峰と称される「パテック フィリップ」の魅力の虜になることは間違いありません。

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