エルメスのバーキンに外縫いの新作「セリエ」が登場!内縫いとの違いは?
世界中の女性が憧れるフランスの老舗ブランド「エルメス」。
「エルメス」は創業者のティエリ・エルメスが高級馬具工房として1837年にパリで開業したことから始まったブランドです。移動手段が馬車から自動車に変化した時代背景に伴って、高級馬具の製作から鞄や革小物などのファッションアイテムの製作に転身して大躍進を遂げました。
今では最高クラスの高級皮革製品を扱うブランドとして世界中で最も認知されていて、絶大な人気を誇る王道ブランドの座を揺るぎないものとしています。
「エルメス」の数ある革製品の中でも、ブランドの代名詞とも言える「バーキン」。1980年代に誕生した「バーキン」はこれまでに様々な種類が発売されましたが、2019年に待望の新作が発表されました。
その名も「バーキンセリエ」。
女性にぴったりなエレガントで高級感のあるかっちりとしたフォルムの新しい外縫いモデルが加わりました。
「ケリーバッグ」には外縫いと内縫いの2タイプが元々展開していましたが、ついに「バーキン」でも外縫いモデルが誕生したことで、今「バーキンセリエ」に注目が集まっています。
「バーキンセリエ」に見られる外縫いの縫製の特徴と、従来の内縫い「バーキン」との違いを解説したいと思います。
目次
「バーキン」とは
「バーキン」は「エルメス」の代名詞とも言えるほど、絶大な人気があり知名度が高いバッグです。「バーキン」の誕生は1984年のことなので、「エルメス」の長い歴史の中では比較的新しいモデルと言えます。
「バーキン」誕生のきっかけは「エルメス」の当時の社長であるジャン・ルイ・デュマとイギリス人女優のジェーン・バーキンが偶然にも飛行機で隣の席に座ったことが始まりです。彼女の籠のバッグから荷物が溢れているのを見たジャン・ルイ・デュマは、たくさん収納できる機能的なバッグを作ってプレゼントすると申し出ました。こうしてジェーン・バーキンの為に作られて誕生した「バーキン」は、エレガントな外観でありながら、日常使いできるように頑丈でたくさんの荷物を収納することが可能で、誕生以来、絶大な人気を誇り、世の女性を魅了し続けています。
「バーキン」は外観や使い勝手の良さだけでなく、質にもこだわって作られています。世界最高峰のタンナー(皮から革へ加工する卸業者)であるデュプイ社から仕入れた上質な革からさらに選定した最高級の革を用いて仕上げられている「バーキン」は、一人の職人が一つのバッグの製作を最初から最後まで担当しており、また扱うことが出来るのも最高級の技術を持つ限られたごく僅かな職人だけです。
「エルメス」の最高品質の製品しか作らないという、ものづくりへの妥協しない姿勢が伺えますし、そのこだわり故に生産される個数が極めて少なく店頭に並ぶことがごく稀であることから「バーキン」は間違いなく希少価値が非常に高いバッグといえます。
クラス感がある上に日常使いに耐えられる頑丈さが魅力で、さらに誕生以来モデルチェンジをしておらず、普遍性があることが「バーキン」の人気に拍車をかけています。需要に対して供給が全く追いついておらず、その価値は近年ますます高まる一方です。
2019年新作外縫い「バーキンセリエ」
大人気で入手困難とされている「バーキン」から、2019年に待望の新作「バーキンセリエ」が発売されました。「バーキンセリエ」は従来の内縫いではなく外縫いの技法を用いて作られた「バーキン」です。
外縫いとは、バッグのボディ正面、背面、横、底の四方を外側から縫い合わせるバッグの淵の縫製の仕方を言います。外縫いの「バーキンセリエ」は、表面に一寸の狂いもなくステッチが施されていてバッグの淵がはっきりと確認できる点が特徴です。
外観はカチッとしたフォルムで、フォーマルな印象ですが、ワンハンドルの「ケリー」ほど改まった感がなく、日常使いしやすい点が魅力です。
発売当初は30㎝、40㎝の2種類でしたが、後から25㎝が追加されました。
「バーキンセリエ」は、まだまだ登場したばかりで流通量が少ない為、希少価値が高く、中古市場で高額取引されています。従来の「バーキン」同様、絶大な人気を博していることは言うまでもありません。
外縫いとは
外縫いをもっと詳しくわかりやすくご説明します。
外縫いは、もともとは「ケリーバッグ」に用いられている縫製の技法です。
「バーキン」の上部の外観はほぼ内縫い「バーキン」と同じですが、ボディの外観が異なります。外縫いの「バーキン」は、ボディ正面と、側面、底のつなぎ目をバッグの外側から塗っているため、「ケリーバッグ」のように縫い目のステッチをはっきりと確認することが出来ます。
一見、外縫い「バーキン」は内縫い「バーキン」よりもひとまわり大きく見えますし、「ケリーバッグ」のようなかっちりとしたフォーマルな印象を持ち合わせています。
ボディを縫い合わせ、仕上げにコバを塗り上げて作られた外縫いの「バーキンセリエ」は、どちらかというとマニッシュでクールな凛々しい印象に仕上がっています。
内縫いとは
従来の「バーキン」に用いられている内縫いについてもご説明しておきます。
内縫いとは、バッグの淵の縫製の仕方のことで、ボディの正面と側面と底を合わせた上に、ステッチをはしらせて縫い合わせ、裏返しにして縫い目を内側にしたものを言います。革本来の質感を存分に感じることが出来る様にステッチが見えない仕上がりとなっています。
バッグのフォルムは丸みがあり、柔らかくて女性らしいカジュアルな印象が特徴です。2020年に外縫いの「バーキンセリエ」が発売されるまでは、「バーキン」は内縫いのものしかなかったので、現在世に出回っている「バーキン」はほとんどこの内縫いの仕様のものになります。
内縫いと外縫いの違い
内縫いの「バーキン」と外縫いの「バーキンセリエ」の違いを比較してみます。
外観の印象の違い
内縫いの「バーキン」と外縫いの「バーキンセリエ」を並べて比較してみると、印象が全く違います。
内縫いの「バーキン」は外縫いしたものを裏返した状態のもので、縫い目が外に出ない代わりに革の質感が強調されて丸くて柔らかいフォルムが特徴です。女性らしくてフェミニンで、どちらかというとカジュアルな印象です。内縫いバーキンは日常使いにおすすめです。
外縫いの「バーキンセリエ」は革を外側から縫い合わせているため、ステッチが表に出て、角張ったカチッとしたフォルムが特徴です。ビジネスシーンやフォーマルな場面でも間違いなく活躍します。
同じバーキンでも、内縫いと外縫いで全く印象が変わる為、シーンに合わせて使い分けることをおすすめします。
サイズ感の違い
従来の内縫いの「バーキン」と、外縫いの「バーキンセリエ」を並べてみるとわかることは、同じサイズでも外観の見た目の大きさが異なることです。
縫製が違うだけで、同じサイズでも縫い目を隠す為に裏返した内縫い「バーキン」の方がひとまわり小さく見えます。
外縫いの「バーキンセリエ」の方がひとまわり大きく見えるため、より凛々しく迫力がありますね。
価格の違い
2020年に発売されたばかりの外縫い「バーキンセリエ」は流通量が少なく、国内定価も従来の内縫い「バーキン」よりも高いため、中古市場においての買取価格は外縫い「バーキンセリエ」の方が新品未使用品であれば定価の1.5倍程度の高価買取が期待できます。
参考までに2021年現在の国内定価は下記の通りです。
- 25㎝/エプソン/外縫い(バーキンセリエ)・・・1,430,000円
- 25㎝/エプソン/内縫い(バーキン)・・・1,254,000円
新作の外縫いバーキンセリエはこんな場面におすすめ
カチッとしたフォルムが特徴的な「バーキンセリエ」は、内縫いの「バーキン」に比べるとクールでフォーマルな印象です。
内縫い「バーキン」同様に荷物をたくさん収納出来、頑丈な作りの為、日常使いのカジュアルな場面に持つことはもちろん、入学式や卒業式などの改まった場面に持つのにも最適です。
ビジネスシーンや目上の方との会食にも活躍しそうですね。
さらに「バーキンセリエ」は和装にも良く合うところから、合わせる服装や持つ場面を選ばない、まさに万能なバッグと言えます。
まとめ
「エルメス」の代名詞とも言える「バーキン」に新しく仲間入りした外縫い「バーキンセリエ」。
それまでは「バーキン」は内縫いのものしかありませんでしたが、外縫いの「バーキンセリエ」が加わったことで選択肢が増えました。
「バーキンセリエ」はまだまだ誕生したばかりで流通量が少なく、リセールショップでは高額で取引されています。直営店で定価で購入することは、非常に困難です。
女性の憧れである「バーキン」から新しく誕生した「バーキンセリエ」は間違いなく、希少価値が高く、超レアな名品です。もし、あなたが運よく「バーキンセリエ」に出会えることがあれば、購入を検討することを強くお勧めします。