ココ・シャネルが愛したモチーフが散りばめられたアイコンラインの魅力
シャネルは1910年にパリのカンボン通り21番地に「シャネル・モード」という名の帽子専門のブティックをオープンしたことからスタートしました。創業者であるココ・シャネルがデザインした帽子はシンプルでエレガントを極めていて、華美なデザインが主流だった当時の常識を覆す物でした。
センセーションを巻き起こして成功したココ・シャネルは帽子だけにとどまらず、オートクチュールやプレタポルテ、レザーグッズ、コスチュームジュエリー、フレグランスなど次々に生み出しました。ココ・シャネルが世に送り出す製品は革新的で斬新な物ばかりで次々に伝説となるヒットアイテムを生み出しました。
自由奔放で古い価値観を嫌い、自立した女性像を求めたココ・シャネル。そんな彼女が愛したモチーフばかりを散りばめた、ココ・シャネルのスピリットを象徴するようなアイテムをご存知でしょうか。
シャネルといえばマトラッセのチェーンバッグを思い浮かべますが、そのマトラッセにココ・シャネルが愛したモチーフを配したポップでキュートな「アイコンライン」。現在では残念ながら廃盤になっていますが、いかにもシャネルとわかるアイコニックなデザインは現在でもシャネルファンを魅了し続けています。
「アイコンライン」の魅力と、ココ・シャネルが愛したモチーフひとつひとつをご紹介します。
目次
アイコンラインのデザイン
アイコンラインは2003年に発売され、2007年にモデルチェンジしました。
2003年発売当初のモデル
2003年、カールラガーフェルドによってデザインされ、発売された「アイコンライン」。
ラムスキンの革に、格子状のマトラッセを模倣した模様を型押しし、シャネルのアイコニックな「カメリア」や「ココマーク」、「スター」、「四つ葉のクローバー」などのモチーフが散りばめられています。
ポップでキュートないかにもシャネルらしいデザインが魅力で発売するやいなや人気を博しました。
2007年発売のモデル
2007年に「アイコンライン」はデザインを一新。
縦横だったマトラッセはダイヤ柄になり、散りばめられていたアイコニックなモチーフもより具体的なものが増えました。
シャネルのラッキーナンバーである「5」や、幸運の象徴である「四葉のクローバー」や「ハート」や「カメリア」の他、動物や虫などがデザインされています。
パテントレザーに型押しを施していて、より艶やかで華やかな外観が特徴です。
アイコンラインのモチーフ
「アイコンライン」に施されているモチーフはどれもココ・シャネルが愛したものばかり。ひとつひとつご紹介します。
ココマーク
シャネルを象徴するダブルCのココマークはいかにもシャネルと一眼見てわかるアイコニックなモチーフの一つです。
ココマーク誕生の由来は、シャネルが自分の名前の頭文字であるCとCが書かれた紙を手にしていたとき、偶然にも一方の紙が裏返りCとCが重なりココマークを思いついたという説と、フランスの古城をココ・シャネルが訪れた際にお城のマークであったCCマークを見つけて気に入り、古城に許可をとってブランドマークとして採用した説が語り継がれています。
ダブルCのココマークは一目でシャネルとわかる象徴的なデザインが魅力で、革製品から、コスチュームジュエリー、プレタポルテ、シューズなどありとあらゆるシャネル製品に多用されていることは言うまでもありません。
N°5
「アイコンライン」には香水のボトルがデザインされています。
これは1921年にココ・シャネルが初めてつくり出した人工香料を用いた伝説の香水「N°5」です。香水のボトルがアイコンのモチーフの一つとしてデザインされていて、とてもキュートです。
香水のボトルといえばアール・デコ調の華美な装飾が主流だった当時、「N°5」のボトルデザインはシンプルで無駄のないもので常識をまたしても打ち破るものでした。発売当初のボトルデザインは現在のものとは違い、細長く角が丸いものでしたが、1924年にパルファム・シャネル設立の際に、角が落とされた四角いフォルムのボトルデザインになりました。
ヴァンドーム広場からインスピレーションされたボトルデザインは、時を経て、シャネルを代表するアイコニックな存在となりました。
「アイコンライン」のモチーフに登場した他、様々なアイテムのアイコンとして採用され、2014年クルーズコレクションでは「N°5」のボトルのフォルムをそのまま取り入れたバッグが発表されました。
カメリア
カメリアは(日本語で椿)シャネルのアイコニックなモチーフの一つです。ジュエリーや、革小物、コスチュームジュエリー、シューズ、プレタポルテなどの様々なアイテムでカメリアモチーフがデザインされています。
何故、カメリアなのかというとココ・シャネルが最愛の恋人アーサー・カペルから贈られた花が白いカメリアの花だったことから、ココ・シャネルはカメリアの花を大切にし、帽子や服にカメリアの花を挿してファッションに取り入れました。
カメリアを愛したココ・シャネルへの敬意を表してカール・ラガーフェルドはカメリアラインを誕生させます。カメリアはココ・シャネルとアーサー・カペルの愛の証であり、彼女が生涯愛した花として今日までシャネルのアイコニックなモチーフとしてデザインに取り入れられています。
マトラッセ
「アイコンライン」はボディに格子状のマトラッセが施されています。
マトラッセとは、フランス語で日本語訳は「ふくれ織」で、格子状にステッチをはしらせたキルティングを指します。
実用性と機能性を求めたココ・シャネルは、バッグの強度を高めて型崩れを防止するために伝説のバッグ「2.55」にマトラッセを採用しましたが、その外観の良さからシャネルを象徴する柄として今日まで愛され続けるようになりました。
マトラッセはシャネルブランドを象徴するアイコニックな柄として、革小物だけでなく、ウォッチやジュエリーにも採用されています。
ラッキーナンバー5
「アイコンライン」に散りばめられている「5」の数字は、ココ・シャネルが愛した数字であることで知られています。
5番目の星座(獅子座)生まれだったこと、5番目の試作品であったことから名付けた香水「N°5」の発売日が1921年5月5日だったことがあげられます。「5」はココ・シャネルにとって成功に導くラッキーナンバーでした。
2020年、現在においてもファインジュエリーの新作で、ココ・シャネルの愛したラッキーナンバー「5」にちなんで、5つのダイヤモンドが飾られたネックレスが展開するなど、「5」は現在でもデザイナーの達のインスピレーション源となっています。
「アイコンライン」の後続モデル「ラッキーチャーム」
「アイコンライン」は発売以来人気を博していましたが、2010年前に生産が終了し廃盤となりました。
2014年にアイコンラインの後続モデルである「ラッキーチャーム」が発売されました。
ココ・シャネルのラッキーのシンボルである「5」や「カメリア」や、「スター」、「香水のボトル」、「四つ葉のクローバー」などのチャームが散りばめられたデザインであることから、「アイコンライン」の後続モデルと定義できます。
ココ・シャネルが愛したあらゆるものがシャネルを象徴するシンボルとしてデザインに採用されテイル「ラッキーチャーム」のアイテムはコレクションで度々新しいモデルが発表され、その度に人気を博しています。
まとめ
「アイコンライン」如何でしたでしょうか。
散りばめられているモチーフ一つ一つにココ・シャネルのスピリットを感じ取れることができる「アイコンライン」はシャネルファンにとってたまらない一品なのではないでしょうか。
遊び心のあるポップでキュートな「アイコンライン」のアイテムはシンプルでカジュアルな装いに合わせて持つと、個性を引き出してくれるスパイスとなります。
ココ・シャネルの愛したモチーフと共に、お洒落を楽しんでみては如何でしょうか。