シャネルのコスチュームジュエリー誕生秘話!希少アイテム「グリポア」をご紹介
世界中の女性を虜にするブランド、シャネル。
シャネルといえば、レザーグッズ、プレタポルテ、香水、コスメ、時計、ジュエリーなど展開するアイテムは様々。
女性のお洒落の為のアイテムをトータルで扱うブランドです。
今回は様々なシャネルアイテムの中でも、一際存在感を放つコスチュームジュエリーとその希少アイテムについてご紹介します。
目次
シャネルのコスチュームジュエリー
シャネルを代表するアクセサリーと言えばCCロゴのシンプルなデザインのものから大振りのイミテーションパールのロングネックレスまで様々です。
毎シーズン、コレクションにマッチしたコスチュームジュエリーが発売され、そのファッション性の高さと華やかさには目が止まります。
そして、本物の宝石と違って、比較的リーズナブルな価格帯が魅力です。
今や、数多くのブランドで取り扱われているコスチュームジュエリー(ブランドによってはファッションジュエリーと呼ぶ)ですが、ファッション界に広めたのは他ならぬココ・シャネルでした。
ココ・シャネルの偉大さを知る為にも、コスチュームジュエリーの歴史からご紹介します。
コスチュームジュエリーとは
コスチュームジュエリーとは、イミテーション(模倣品)アクセサリーのことです。
ダイヤモンドやサファイアなどの宝石を使用したジュエリーではなく、レジンや模造パール、ガラスを使用して宝石を模倣して作られています。
コスチュームジュエリーは、宝石に比べると安価なので、大振りで大胆なデザインが実現出来ます。
シャネルではプレタポルテに合わせて、毎シーズンその年のコレクションのテーマやトレンドに合わせたファッション感度の高いボリューム感のあるコスチュームジュエリーを発表しています。
コスチュームジュエリーの歴史
ココ・シャネルがブランドを創業して間もない1910年代にはコスチュームジュエリーは既に存在していました。
ですが、当時は盗難防止などの為に作られていて、ファッションとして身につけるのではなく、店頭に飾る為だけのものでした。
コスチュームジュエリーをファッションアイテムとして世に知らしめたのは他でもないココ・シャネルでした。
富や権力を見せつける為に宝石を身に付けることを嫌ったココ・シャネルは1924年に模倣した宝石を使用した世界初のコレクション「ビジュ・ファンデジ」を発表しました。
ココ・シャネルは「洋服に合うジュエリーを選ぶことが重要」という言葉を残しています。
資産価値のある宝石よりもお洒落の美しさを求めるならデザイン性にこそ価値があると考えていて自身がデザインするシンプルな洋服に合うような模造の大振りパールや、金メッキを使用した安価なアクセサリーを生み出しました。
当時は富と権力の象徴として富裕層だけが宝石を身につけていたので、模造宝石をファッションに気軽に取り入れることを実現した、常識を覆す革新的なコスチュームジュエリーは人々を驚かせました。
ココ・シャネルが発表したコスチュームジュエリーは、本物の宝石を買うことが出来ない人々から指示を集め瞬く間に大人気に。
富裕層だけでなく、一般層にもジュエリーを身に付けることを広めたのはシャネルの功績と言っても過言ではありません。
その後、コスチュームジュエリーは戦争で職人達がアメリカに渡ったことで大陸を越えて広まります。
もともと貴族的な価値観が強いヨーロッパよりも自由の国アメリカで広く受け入れられ発展し、ハリウッド女優達が身につけたことで一般の女性達にも広まりました。
コスチュームジュエリーとファインジュエリーの違い
コスチュームジュエリーは宝石の模倣品(イミテーション)を使用したアクセサリーで比較的安価で手に入れることが出来、普段から気軽に身につける事が出来ます。
それに対してファインジュエリーはゴールドやプラチナなどの貴金属やダイヤモンドやサファイヤ、ルビー、エメラルドなどの宝石を使った本物のジュエリーです。石のグレードによって値段が変動しますし、高価で資産価値があるとされています。
ココ・シャネルはコスチュームジュエリーを好んだとして知られていますが、本物の宝石を真っ向から否定したわけではありません。
1932年にダイヤモンドの商業組合からダイヤモンドの宣伝を頼まれ最初にして唯一のハイジュエリーコレクション「Bijoux de Diamants(ダイヤモンドジュエリー)」を発表しています。
現在でもシャネルはファッション性の高いコスチュームジュエリーと高品質の本物の宝石を扱った大胆で女性らしいファインジュエリーのどちらも展開しています。
コスチュームジュエリーの素材
コスチュームジュエリーの土台は金ではなく、ホワイトメタルをメッキでコーティングしている為、ゴールドと違って、取り扱いには注意が必要です。
貴金属に使用するような洗浄液や超音波洗浄器を使えずメンテナンスが難しく、水や汗が付着したまま放置すると経年劣化でメッキコーティングが剥がれてしまいます。
コスチュームジュエリーの使用後は繊維の細かいメガネ拭きのようなクロスで吹き上げて保管することが必要となります。
コスチュームジュエリーは経年劣化する点を踏まえても、資産価値はほぼありません。
ですがシャネルのコスチュームジュエリーに関して言えば、その経年劣化も味があって良いとした「ヴィンテージシャネル」と呼ばれるアイテムがここ最近若い世代を中心に人気があり、リサイクルショップやネットオークションなどで高額で取引されています。
ヴィンテージシャネル
「ヴィンテージシャネル」とは、2000年以前に製造・販売されたシャネルアイテムの総称です。
今、「ヴィンテージシャネル」は若い世代を中心に人気があり、定番のバッグに次いで、アクセサリーに人気が集まっています。
「ヴィンテージシャネル」のアクセサリーもメッキコーティング素材の為、経年劣化で剥がれ落ちている箇所が見受けられますが、それもヴィンテージならではの風合いとされています。
ファッション性が高く、CCロゴを主張した個性的なデザインが多く、コーディネイトのポイントとして取り入れるのに最適である点と、現行のコスチュームジュエリーに比べて低価格で手に入る点が魅力です。
今回は「ヴィンテージシャネル」のアクセサリーの中でも入手困難とされている「グリポア」と呼ばれる希少アイテムをご紹介します。
入手困難のグリポアとは
通称「グリポア」と呼ばれる特殊加工されたガラスを使用して作り上げた希少なアクセサリーのこと。
ココ・シャネルがグリポア社にアクセサリー製作を依頼して共同で製作されました。
パリのアクセサリー工房グリポア
グリポア社は無形文化財のラベルを獲得している4世代続く老舗のコスチューム・ジュエリーを制作する工房で、1868年にパリでオーギュスティーヌ・グリポアが創業しました。
1920年ごろ、人工パールからヒントを得たココ・シャネルはコスチュームジュエリー職人を雇い、コスチュームジュエリーの製作を開始しました。
グリポア社はその内の一つで、ココ・シャネルは創業者のオーギュスティーヌ・グリポアと共同して舞台用の装飾小物を作り始めます。
銅の針金で作られた金枠に、溶かしたガラスを独特の色味に発色させ流し込み、表面張力で膜を貼るという特殊技法パート・ド・ヴェール(Pâte de verre)と、ココ・シャネルの革新的で斬新なデザインが融合した芸術的な作品を生み出しました。
グリポア社と共同で作られたアクセサリーは2000年頃まで製作されました。また、CHANEL本店でしか手に入らない希少なコスチュームジュエリーとして、ヴィンテージシャネルのアクセサリーの中でも特に人気があります。
グリポア社はその後、長きに渡り、シャネルやランヴァン、ディオール、ピエールバルマンといった名だたるブランドのジュエリーの製作を担い、近年では2015年に独自のオリジナルデザインを発表。パリのヴィクトワール広場にお店をオープンさせました。
シャネルグリポアの特徴
天然石には見られない、グリポア独特の風合いと存在感があります。ガラスを発色させたカラーは鈍い輝きが美しいです。
グリポアのガラスは、熟練した職人が一つ一つ手作業で製作しており、風合いも一つ一つ異なる点も唯一無二で魅力的です。
金メッキの枠は年代物の為、メッキが剥げていたりしますがそれもヴィンテージならではの風合いです。
デザインは大振りで華やかなものが多く、現行のコスチュームジュエリーと並べても全く古さを感じさせません。
シャネルグリポアの買取相場
ココマークカラーストーン イヤリング
エメラルドのイミテーションのグリーンにココマークが浮かびあるデザインが特徴のイヤリングの買取価格は約25,000円〜30,000円です。
ヴィンテージライン・ストーンネックレス・ペンダント
大振りで存在感があるこちらのネックレスの買取価格は約35,000円〜50,000円です。とても個性的で美しいデザインが特徴的です。
グリポアを着用するおすすめシーン
ご紹介したシャネルのグリポアのアクセサリーはどんな装いに合わせれば良いのでしょうか。
独特な色合いのカラーが特徴的なグリポアのイヤリングは、個性的で女性らしい装いのコーディネイトのポイントとして合わせることをおすすめします。
柄物のワンピースや、個性的なブラウスにエメラルドグリーンの控えめなイヤリングが映えます。
また、ボリュームのある個性的なデザインのネックレスですと、シャツにパンツといったシンプルなスタイルにさりげなく合わせるととても素敵です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
コスチュームジュエリーの歴史を知ると、いかにココ・シャネルが時代を先行く革新的なアイテムを生み出し続けていたことが伺い知れます。
シャネルのコスチュームジュエリーの中でも希少性が高くコレクターズアイテムと言われているグリポアは一際、独特な雰囲気を持つ味のあるアクセサリーです。
人と被るお洒落では満足できない人に是非おすすめしたアイテムです。
グリポアは現在では、リサイクルショップやネットオークションで購入することが出来ますが、非常に希少性の高いアイテムの為、気に入ったデザインを探すのは至難の技。
千載一遇の出会いがあれば購入を検討してみては如何でしょうか。