腕時計のF1がコンセプト!超高級腕時計リシャール・ミルの魅力と特徴
超高級腕時計ブランドとして知られる「リシャール・ミル」。その販売価格は安くても800万円前後で、億を軽々超える驚きのプライスの腕時計が多数存在します。
それだけ超がつく高価な価格設定にも関わらず、売れているから驚きです。
「リシャール・ミル」が売れている理由は、一般人ではなく、一握りの富裕層をターゲットにしていること。そして腕時計の常識を超えた新しい素材を使用していて、ずば抜けた性能の高さを備えていることです。
超高級時計ブランド「リシャール・ミル」の歴史と特徴、そして価格が高い理由についてご紹介します。
目次
リシャールミルの歴史
「リシャール・ミル」は創業者のリシャール・ミルが2001年に創業した最高級の品質と最先端の技術を駆使した超高級腕時計ブランドです。
創業者のリシャール・ミルはモーブッサンをはじめとする複数のラグジュアリーブランドでマネジメントに携わった経歴を持ちますが、彼自身は時計職人でも時計デザイナーでもありません。
彼は、時計のコンセプターとして「腕時計のF1」を掲げ、同ブランドはそのコンセプトの下、最高級で最先端の技術を駆使した超高級腕時計の製造・販売を行っています。
伝統と歴史を重んじるスイス時計産業の中ではかなり新しいブランドですが、誕生以来そのずば抜けた価格設定と革新的な素材と機能性の高さが話題となり注目され続けていて、今や高級時計のトレンドを牽引するブランドに成長しました。
2001年のバーゼルワールドで処女作である「RM001」を発表しました。同モデルはトノー型のケースに文字盤がスケルトンで内部の機構が垣間見える衝撃的な作品で、常識を覆す斬新なデザインと1900万円という超高額な価格設定が大きな話題を呼びました。
「RM001」は「リシャール・ミル」の第一号作だっただけでなく、「RM002」「RM003」のプレシリーズであり、その後の「リシャール・ミル」の時計の基盤となりました。
「リシャール・ミル」は、「RM001」の成功を皮切りに、時代の最先端をいくハイテクな超高級時計を次々に生み出していきます。
「リシャール・ミル」が生み出すエクストリームな腕時計は、製造するのに多大なコストがかかります。同ブランドは、一切の妥協を許さず超高級なハイテク時計を限定生産することで他ブランドと一線を画しており、設立より10年足らずで高級腕時計ブランドのトップの座に上りつめました。
リシャール ミルの時計の特徴
「リシャール・ミル」の腕時計がそれほどまでに高額なのには理由があります。
なぜ高額なのか、その理由と「リシャール・ミル」の特徴をご紹介します。
先進素材と技術を取り入れた常識を覆す新しい時計
「リシャール・ミル」はブランド創業以来、究極の腕時計を創り出すことだけに注力してきました。
「リシャール・ミル」の腕時計はネジ一本にしても最先端の素材を使用し、低負荷で軽量、そして耐久性に優れている最高品質にこだわって製造されています。
2001年、バーゼルワールドでお披露目した「リシャール・ミル」記念すべき最初の時計「RM001」は時代を先行く革新的でハイテクなデザインと性能が人気を博し、その後、高級時計の概念を覆す21世紀の時計製造のビジョンの基盤となりました。
当時流行していた高級時計といえば、時計のケースベルトに18金やプラチナといった貴金属を使用していて重くなる傾向にありました。しかし、「リシャール・ミル」の腕時計は、最先端のF1マシンや航空宇宙軍事産業から先進素材を取り入れて超軽量を実現しました。それは従来の高級時計の常識を覆す革新的なものでした。
先進素材と高度な技術によって製作された「リシャール・ミル」の時計は超軽量を実現し、軽いが故に衝撃にずば抜けて強いのが特徴です。「リシャール・ミル」は時計産業の常識を覆す新素材を用いて次々に超高額な腕時計を作り出しました。
「リシャール・ミル」の腕時計は限定生産して希少価値を高めようとしているのではなく、腕時計製作において細かなパーツに至るまで最先端の素材を使用し、最高の技術を用いて製造している為、必然的に生産本数が限られ価格も高額になります。優れた腕時計の生産本数が極めて少ないとなると、市場価値が高まりますます高値がつくことは言うまでもありません。
腕時計のF1がコンセプト
F1マシンの製造には莫大な資金と、最先端の技術と素材と設備が必要です。「リシャール・ミル」は「腕時計のF1」をコンセプトに掲げて時代に先駆けた究極の腕時計を作り出しています。
「腕時計のF1」を体現している証拠として「リシャール・ミル」の時計は、航空機体やF1マシンと同じ最先端の素材で作られているものが多数存在します。例えば、下記でご紹介する2017年に発売された「マクラーレン」と共同開発した「RM11-03」はF1マシンと同じ素材を用いて製作されています。F1マシンと同素材を使用することで、超軽量で耐久性に優れた腕時計の製造を実現しています。
この「RM11-03」ですが、驚くことに超複雑機構を備えながらも時計本体の重さは僅か7gしかありません。ストラップを含めて総重量はたったの40gです。それでいて超がつくほどの耐久性を誇ります。
リシャール・ミルはマニュファクチュールブランドではない
世界三大時計ブランドである、「パテック・フィリップ」、「オーデマ・ピゲ」、「ヴァシュロン・コンスタンタン」など名だたる高級時計ブランドはマニュファクチュールブランドでありますが、「リシャール・ミル」は高級時計ブランドの頂点にあるにも関わらずマニュファクチュールの定義に当てはまりません。
その理由は明確で、最も優れた技術やデザインや素材をそれぞれ外注しているからです。
社長であり、ウォッチコンセプターである「リシャール・ミル」が考案した腕時計を形にするにはそれぞれ最高峰の技術や素材を要する為、優れたウォッチデザイナーや技術者に外注して「リシャール・ミル」の時計は作り上げられます。
全てが超一流のものを使用している為、「リシャール・ミル」の腕時計の価格も跳ね上がりとんでもなく高い価格となる訳なのです。
リシャール・ミルといえばトゥールビヨン
「リシャール・ミル」の時計にはトゥール・ビヨンが搭載されているモデルが多数存在します。
トゥール・ビヨンとは、アブラアム・ルイ・ブレゲが発明した世界三大複雑機構のうちの一つで姿勢差によってかかる重力の方向が違うことで生じる時計の若干の誤差を解決する為の複雑機構です。「重力分散装置」と言えばイメージしやすいです。
現在、トゥール・ビヨンはその複雑な機構、レア感であったり、高級感や渦の美しさから時計愛好家から機能性ではなく時計のステータスシンボルとして支持され、多くのブランドからトゥール・ビヨンを搭載した高級腕時計が発売されています。
複雑な構造故に、壊れやすく観賞用の時計として扱われていたトゥール・ビヨンを「リシャール・ミル」は実用性のある時計にアップデートすることに成功しました。
投げても壊れず、スポーツの衝撃に耐えることが可能な究極の耐久性を備えたトゥール・ビヨンを搭載した腕時計が「リシャール・ミル」の特徴です。
リシャール ミルの主力モデル
「リシャール・ミル」の腕時計は限定生産モデルが数多く存在します。中でも代表するモデルをいくつかご紹介します。
RM001
「RM001」は複雑機構トゥール・ビヨンを備えた「リシャール・ミル」のデビューモデルです。トゥール・ビヨンは高級時計の代名詞でしたが脆弱で実用性が低い繊細な機構とされていた為、特別な機会がないと着用することが出来ないとされていました。
「リシャール・ミル」は、当時のあらゆる技術を駆使して、メンテナンスのしやすさと耐衝撃性を極限まで高めたトゥールビヨンムーブメント構造を開発し「RM001」を作り出しました。
同作品は、バーゼルワールド2001年のお披露目の場にてリシャール・ミル本人が躊躇せず腕時計を地面に叩きつけて見せたことで有名です。
機械式の時計は衝撃に弱く、複雑機構のトゥール・ビヨンなら尚のことでしたが、弱点を見事に克服した「RM001」は1900万円という驚きの価格だったにも関わらず、圧倒的な存在感とそれに付随する高級感で富裕層と時計愛好家から支持され、限定の17本はたちまち完売しました。
RM67-01エクストラフラット
「リシャール・ミル」の時計の多くは限定品で生産数が限られていますが、定番モデルも存在します。それが「RX67-01エクストラフラット」です。価格も約1000万円と「リシャール・ミル」の時計の中では最もリーズナブルです。
自社で開発した自動巻ムーブメント「Cal CRMA6」を搭載していて、その厚さは「リシャール・ミル」の時計の中でも最薄の3.6㎜です。薄型のムーブメントを搭載したケースはスケルトン加工が施されていて、インパクトのある外観が特徴です。
ケースはチタンでおよそ1000万円、ローズゴールドでおよそ1400万円です。
「リシャール・ミル」の時計は、超複雑機構のトゥール・ビヨン搭載のモデルが多いため、大型のケースが多いのですが「RX67-01エクストラフラット」はケースサイズ47.52㎜×38.7㎜と小さめサイズで薄型の為、着け心地が良くスーツや普段着に合わせて日常使いしやすい点が特徴です。
RM011
2007年に発売された「RM011」は「リシャール・ミル」のコンセプトであるレーシングカーがインスピレーション源です。F1ドライバーのフェリペ・マリサの協力を得て時計を開発しました。
「RM011」はトノー型のケースで、滑り止めのリブ仕上げが施されたデザインのプッシュボタンや、車輪のリムを囲むスリックタイヤから着想を得たリューズが特徴的です。
時計の内部キャリバーRMAC1が搭載されていて、レース中の振動だったり重力加速度に耐える可変慣性モーメントローターを備えた自動巻クロノグラフが内蔵されています。ラップタイムが計測できるフライバック機能、カウントダウン機能、アニュアルカレンダーが搭載されています。
「RM011」にはチタン製とゴールド製のモデルの他に、「リシャール・ミル」独自の素材であるセラミック、シリコンナイトライド、カーボン、レッドクォーツを用いたモデルがあります。
RM11-01
2013年に発売された 「RM11-01」はイタリアのサッカーナショナルチームの監督ロベルト・マンチーニの為に特別設計されました。
2007年に発売され、不滅の人気を誇るモデル「RM011」から派生して誕生したマンチーニモデル第2弾です。サッカーの試合の残り時間を知ることを議論したことから着想を得て誕生した同モデルは、ハーフタイム、アディショナルタイム、延長戦の時間を計測できる特別なフライバッククロノグラフの文字盤を備えたサッカーの試合の為の時計です。
RM11-03
「RM11-03」は2018年にジュネーブ・モーターショーにて発表された「マクラーレン」と共同開発したモデルです。
「マクラーレン」を代表するオレンジカラーを採用しており、耐久性と軽量性共に非常に優れています。「マクラーレン」のアルティメットシリーズを購入した顧客に優先的に販売された世界限定500本の希少モデルです。
「マクラーレン」のヘッドライト、ホイール、吸気口をデザインに取り入れたマクラーレンファンにとっては堪らないデザインが特徴です。
複雑機構を搭載した自動巻ムーブメントRMAC3が内蔵されています。
まとめ
「リシャール・ミル」は、超がつくほど高額な価格設定ではありますが、軽量性と耐久性に優れた実用的で最先端な腕時計を製作し続けてきました。
最高品質で群を抜いた究極の時計を作り出す為には、細かな部品一つにしても最高の優れた素材を使用することに一才の妥協を許さない姿勢が他の高級時計ブランドと一線を画しています。
「リシャール・ミル」はマニュファクチュールに拘らず、最高峰の品質を追求するが故に、その分野で最も優れたサプライヤーを受け入れています。こういった部品一つにとっても妥協を許さない姿勢が最高級で最高品質の時計を生み出すのです。
高級時計ブランドとしてはまだまだ歴史の浅い「リシャール・ミル」ですが、今後時計産業の常識を次々に覆し新たな基盤を作り上げていくことは、間違いなさそうです。