ダイバーズウォッチの原点!ロレックスのサブマリーナの歴史とその魅力
「ロレックス」のスポーツモデルを代表するダイバーズウォッチ、「サブマリーナ」。「ロレックス」のスポーツモデルの中でも「コスモグラフ デイトナ」に次いで人気が高く、ブランドを代表するタイムピースです。
「サブマリーナ」は世界初のダイバーズウォッチとして1953年に誕生して以来、スポーツウォッチの先駆けであり原点となるモデルとして絶大な人気を博しています。現在、世の中に流通しているダイバーズウォッチのほとんどは「サブマリーナ」をお手本にして製造されているといっても過言ではありません。
ダイバーズウォッチの頂点に君臨する「サブマリーナ」の歴史と特徴についてご紹介します。
目次
サブマリーナの歴史
初代「サブマリーナ」は「コスモグラフデイトナ」よりも10年も前に誕生しました。
サブマリーナ誕生
「サブマリーナ」は1953年に初代モデルとなるRef.6204が製造されたことがはじまりです。
100mの防水性能を備え、回転ベゼルで潜水時間の計測が可能となったプロダイバーの為に作られたプロフェッショナルな防水時計でした。
翌年の1954年にバーゼルワールドで公式発表され、世界中から注目を集めました。深海660mでも動き続ける世界初のダイバーズウォッチは世界中の時計愛好家から賞賛されました。
その後、「サブマリーナ」は改良が加えられ、誕生から3年後の1956年には従来の倍である200m防水を達成、初のクロメーター仕様であるRef.6538を発表しました。
ダイバーズウォッチとしての進化
1958年に製造されたRef.5512と、1962年に製造されたRef.5513には大きな改良が加えられ、約20年に渡り製造されるロングセラーモデルとなりました。
まずは、ケースサイズが36mから40mへと大きくなり、リューズの仕様が変更に。
ダイバーズウォッチとしての地位を確立していた「サブマリーナ」でしたが、入水する際に、リューズから水が侵入することが防水面での唯一の弱点でした。それを克服する為に、初のリューズガードが採用されました。
ベゼルも押し込まないと回転しないよう改良されたのもこの頃からです。
サブマリーナ・デイト誕生
1965年に日付表示機能がついた「サブマリーナ デイト」が登場しました。デイト誕生以来、「サブマリーナ」はカレンダー機能のついた「サブマリーナ デイト」とカレンダー機能のつかない「ノンデイト」の2つのバリエーションが展開するようになります。
初のデイト機能搭載モデルのRef.1680は約15年間製造されたロングセラーで、デイトモデルのデザインのベースとなり現行モデルに引き継がれています。
サブマリーナの進化
1980年には防水性をより向上させたトリプルロックリューズが搭載され、1989年には風防がプラスチック製からサファイアクリスタルを採用したことで300m防水を実現しました。
水中で何かにぶつかってベゼルが勝手に回転しないように、逆回転防止ベゼルに変更されたことで安全性能が高まりました。
2010年にはステンレスからセラクロムのベゼルに変更され、より耐久性・視認性が上昇。「サブマリーナ」人気をさらに加速させる要因となりました。また、ラグやリューズガードが大型に改良され、よりクールでスタイリッシュなデザインにマイナーチェンジされました。
現行のサブマリーナ
2020年9月に発売されたばかりの現行の「サブマリーナ」は「ロレックス」が独自で開発したキャリバーを搭載し、パワーリザーブは48時間から72時間に。
ケースサイズは直径40 mmから41 mmに、ラグ幅も20mmから21mmにサイズアップしています。より現代的でスタイリッシュなモデルとして発売と同時に絶大な人気を誇っています。
サブマリーナの特徴
人気、機能性、堅牢性全てにおいて他のダイバーズウォットと比べても一線を画している「サブマリーナ」。その特徴をご紹介します。
防水性能
「サブマリーナ」は、1953年に誕生した当初は100メートルの防水仕様でしたが、改良が加えられ1980年代になると300メートル防水仕様に改良され、より強固なダイバーズウォッチに進化しました。
「サブマリーナ」には三重構造のパッキンを使用したねじ込み式のトリプルロックリューズ仕様が採用され、防水性能を高めています。1970年から「サブマリーナ」に標準装備されたトリプルロックリューズはリューズ側にパッキンをさらに追加することで高い機密性を実現しました。
また、水の中でリューズが何かにぶつかって破損したり、時間が意図せず変わってしまうことを防ぐ為のリューズガードも採用されています。
ベゼル
ダイバーにとって絶対に必要不可欠な情報は潜水時間の測定。潜水時間を正確に知る事は、命に関わります。「サブマリーナ」の回転式ベゼルは、60分の目盛りが刻まれていて、三角印を分針に合わせて置くことで潜水時間を計測することが出来ます。
1980年に誕生したRef.16800以降に製造された「サブマリーナ」には逆回転防止ベゼルが採用されています。これは、潜水中に何らかの事情でベゼルが動いてしまうと正確な時間を計測することができず、潜水時間の計測が命に関わるダイバーにとって非常に危険だからです。その為、ベゼルには逆回転しないようにストッパーが備えられています。
初期の「サブマリーナ」はプラスチック製のベゼルでしたが、1953年にはアルミニウム製に変更に。そして2005年に誕生したRef.116610でセラクロムになり、より耐久性が増し傷がつきにくくなりました。セラクロムは「ロレックス」が特許を取得した素材で、メモリにはプラチナコーティングが施されていて美しい高貴な光沢感を持ち、視認性に優れています。さらに紫外線による変色に強く、錆びにくい特徴があります。
デイトとノンデイトの2種類が存在する
1965年に「サブマリーナ デイト」が誕生して以来、「サブマリーナ」にはカレンダー機能付きとそうでないものの2種類が展開するようになりました。
デイト表示がない「ノンデイト」は、以前はクロノメーター認定されていませんでしたが、2007年にクロノメーター仕様となり「ノンデイト」と「デイト」の違いはカレンダー機能の有無だけとなりました。
ロレックスの三大発明の一つであるデイトジャスト機能を採用した「サブマリーナ デイト」は、「ノンデイト」に比べて価格も10万円程度高くなります。「サブマリーナ デイト」と「ノンデイト」の違いは単純にカレンダー機能があるかないか。どちらを選ぶかは好みの問題です。
ムーブメント
「サブマリーナ」は、「デイト」、「ノンデイト」のどちらも厳しい審査基準をクリアした高精度の高い時計に与えられるクロノメーター認定されているムーブメントを搭載しています。
2020年にの現行モデル「デイト」、「ノンデイト」共に新しく開発されたCal.32系のムーブメントが搭載されたことにより、より精度と耐磁性が上がりました。さらに、パワーリザーブは48時間から72時間になり大幅に延長されました。
クロマライトディスプレイ
「サブマリーナ」の文字盤は黒や濃い青色などの暗い色が一部のモデルを除いて用いられています。それは、白い文字盤だと光が反射してしまい、懐中で周辺の魚を刺激してしまうからです。
また、ダイバーが暗所でも時刻を確認しやすいように、「サブマリーナ」と「サブマリーナ デイト」には暗い色の文字盤にクロマライトディスプレイが採用されています。
クロマライトディスプレイとは、「ロレックス」が開発した独自の発光素材であり、針やインデックスに添付して暗所でブルーに光り時刻を表します。光を長時間継続して放つクロマライトディスプレイは視認性を高めるために開発されました。発光が継続する時間は約8時間です。
リファレンス
ロレックスのスポーツモデルの中でも、「サブマリーナ」は歴代モデルに付与されたリファレンスが最も多いことが特徴として挙げられます。
それは、1953年に誕生以来「サブマリーナ」は幾度となく改良を重ねた証でもあります。ダイバーズウォッチは、潜水時間を計測するものであり、ダイバーの生命に関わる道具なので、常に最先端の技術を用いて改良が加えられてきました。
サブマリーナの価値
「ロレックス」の時計は、購入から年月が経過しても値崩れせず、生産終了モデルが現行モデルの価格を超えて取引されることもあります。「ロレックス」の時計を所有すれば、売る際に、適正価格で買取してもらえることから資産としての目的で購入する方が多いです。
「ロレックス」の人気モデル「コスモグラフ デイトナ」をはじめ、「サブマリーナ」、「エクスプローラー」、「GMTマスター」がリセールバリューの高いモデルとしてあげられます。中でも「サブマリーナ」はその機能性と耐久性の高さが評価され、世界中で圧倒的人気を誇る故に、買取価格もモデルによっては跳ね上がる場合があります。
2020年に「サブマリーナ」はモデルチェンジしており、歴代のモデルの価格相場が高騰する傾向が続いています。
「ロレックス」の時計全てに言えることですが、購入から年数が経過しても値崩れしない理由は、デザインが初代からほぼ変わらず普遍的である為、流行に左右されない安定感があるからです。
また、精密機械は年数と共に価値が落ちる傾向にありますが、「ロレックス」の時計はその品質の高さと、経年に耐えられるタフな構造、世界一の時計ブランドとしての認知度と信頼感故に、たとえ生産終了になったモデルであっても、価値は変わらず、むしろ中古市場でプレミアム価格で取引されています。
「サブマリーナ」の購入を検討されている方は、値崩れしない価値を見据えて思い切って購入に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
「サブマリーナ」は「ロレックス」を象徴する代表的なモデルです。
1953年に登場して以来、その高い機能性と洗練されたデザインで、ダイビングだけでなくビジネスシーン、日常使いにもマッチし多くのユーザーに支持されてきました。
どんな場面にもマッチしてコーディネイトにクラス感をプラスしてくれる「ロレックス」の「サブマリーナ」は男性の憧れの時計です。
登場以来、幾度となく改良を加えマイナーチェンジをし続けており、現行モデルはもちろんのこと廃盤となったモデルの人気も高く、その年数が経過しても価値が下がることがありません。
「ロレックス」にて定期的なメンテナンスをすることで使い続けることが出来る点も魅力です。まさに一生ものの時計ですね。