進む西側諸国と中国のデカップリング

以前にこれから中国が尖閣諸島近辺に進出してくると記しましたが、現在オーストラリアやインドに対して恫喝を行っています。

なぜ、地域の独立運動が起こるのか?

中国がくしゃみをすれば日本はかぜを引く|中国経済についての考察

この理由は日本や台湾に嫌がらせを行ったことと同じです。

では、その理由を検証してみましょう。

中国がオーストラリアを恫喝

新型コロナウイルスの発生源の調査を呼び掛けたことなどから、中国の輸入制限を招いたオーストラリアのスコット・モリソン首相

まずは下記の記事をご覧ください。

https://news.yahoo.co.jp/articles/66e563b6d0bc3f8f7ad1a055a2dff17e19e571eb 

引用元:ロイター(ヤフージャパン)

根本的にオーストラリアはアングロサクソン、つまり英連邦(コモンウェルス)の構成国であり、記事でも触れているように「開かれた貿易国だが、どこかに強制されて自分たちの価値観を売り払うことはしない」という考え方が一般的です。

この「自分たちの価値観」とは自由と公正、平和を指します。

中国が輸入関税を増やしたり輸入制限を課すことは、オーストラリア政府の考え方に即していません。

すなわち、恫喝には屈しないということです。

これは民主主義発祥の地、イギリスで培われた考え方であり、これを元に産業革命でつけた力を背景にかつてイギリスが世界を席巻しました。

公正と自由

スイスのジュネーブに立つWTO本部。基本理念は「自由」と「無差別」、「多角的通商体制」の3つだ

イギリスが数多くの植民地を抱えることができたのは、貿易の自由を保証したからです。

その考え方がアメリカやオーストラリアに伝播され、今のWTO(世界貿易機関)の基本理念にもなっています。

そして、覇権国家であるイギリス、アメリカの考え方が現在でも世界を制している事実を考えても、この自由と公正、平和という理念は非常に合理的だと思われます。

つまり中国はオーストラリアの基本理念に触れた、もっと言えばやってはならないことを行ったということです。

よく日本やアジア人に対して欧米人が否定的な見方をするのは、この自由や公正、平和を担保していないことが背景にあります。

政治家と土建屋の談合などが日本でよく問題になりますが、アメリカ人はこの事件をアンフェアと考えます。

自由で誰にでも開かれた市場ではないからです。

中国はオーストラリアの何が気にくわないのか?

中国はオーストラリアの何が気に入らないのか。

いつものように下記のオーストラリアの実行為替レートを見れば明らかになります。

今年2020年、一番の高値を出したのは6月10日、そして冒頭に掲載した事件が起こったのが6月12日あたり…。

中国が日本や台湾に対して嫌がらせを行うのは、必ずこの実効為替レートが高くなったときです。

世界中に新型コロナウイルスが蔓延してほとんど経済が機能しない中、実行為替レートが上伸する理由、それは海外からの直接投資になります。

新型コロナ以前は海外からの直接投資のほとんどが中国に向かっていたのですが、コロナ蔓延以降はその対象が中国以外になっているのです。

中国の実効為替レートの推移

下記のグラフは中国の実効為替レートの推移です。

最近は多少上向きになっていますが、感染の終息が起こったころにダダ下がりになりました。

むしろ、感染が拡大していたころのほうが上昇していたくらいです。

経済活動が再開して直接投資を受け入れる体制が整っている時にダダ下がりという事実は、ほとんどの投資が中国に向けられないという悲惨な状況を物語っています。

そして、本来なら中国に向かった投資が日本や台湾、今回はオーストラリアに向かっているのです。

ただ、オーストラリアは日本や台湾に比べて遠い国であり、本命のアングロサクソンの国に本気で嫌がらせを行えば当然米英が黙ってはいないので、ある程度控えめにやっているのでしょう。

非アングロサクソンのインドのケース

https://jp.techcrunch.com/2020/04/20/2020-04-18-to-avoid-hostile-takeovers-amid-covid-19-india-mandates-approvals-on-chinese-investments/

引用元:Manish Singh(Join Extra Crunch)

インド政府は名目上では新型コロナウイルスに乗じた企業買収を防ぐとが言っていますが、事実上の中国排除です。

下記のインドの実効為替レートをご覧ください。

この発表をしたのが4月20日。

この発表をすると、皮肉なことに中国からの直接投資が減って下がるはずの実効為替レートが逆に上昇しました。

つまり、中国経済からの脱皮を宣言すると、海外からの直接投資が増える結果になっているのです。

勃発した中印対立

2020年6月17日、ラダックの紛争地帯へと向かうインド陸軍

下記の研究論文の通り中国とインドに紛争の気配があり、実際に衝突が起こりました。

https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/163.html

引用元:経済産業研究所

現在の展開は勝手に中国がインド領に基地を作り、事実上の支配をしているという南沙諸島と同じやり口です。

中国のやっていることは太平洋戦争前の日本と同じ。

要するにアジアでの覇権を確立したいだけ…。

このような事実を見れば、中国から世界が離れていっている状況が理解できるというものです。

中国は自由主義社会からはじき出された

2020年の大統領選挙では目下苦戦中だが、対中政策では成果を上げていると言えるトランプ大統領

こうした中国の現状は、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の結果です。

トランプ大統領はどうしようもないことばかりをやっているというのが世間の声ですが、オバマ前大統領や民主党にはこんなマネはできません。

民主党はおそらく現実にはあり得ない妥協と平和主義で中国や北朝鮮をのさばらせるでしょう。

実際にクリントン大統領時代もあと一押しで北朝鮮が崩壊した時に、宥和政策を取り復活させています。

イデオロギーの違いといえばそれまでですが、自由と公正か権威主義、皆さんがどちらを選ぶかといえば有無を言わさず前者でしょう。

誰がえらい人につき従う人生を選ぶのですか。

中国は現在、自由主義社会からはじき出されようとしているのです。

中国の孤立化と金需要

爪弾き国家の通貨なんていらない!?

実は今回のテーマに登場した中国は、金世界生産1位・オーストラリアは3位、そしてインドは消費世界2位と、3国共に金にまつわる国々です。

言えることは、人民元を国際化したい中国の思惑と実際の孤立化からすれば、中国の金需要は急増するでしょう。

孤立する国家のお金を欲しがる人は少ないので、金でその裏づけを行うほかありません。

中国とおつき合いをする国は目先のお金が欲しさでイヤイヤ従っているだけ、一蓮托生(いちれんたくしょう)になろうなどとは本気では思っていません。

言うことを聞かなければ軍隊を派遣して領土を奪う。

そんな国に従う国は皆無でしょう。

こんな国がこれからも発展するとは思えませんが、非人道的な北朝鮮が今も持ちこたえている事実を考えれば、あり得なくもありません。

ただ、金の需給動向は事実に基づき話をしていきたいと考えていますので、現時点ではどうなるかはわからないのが正直なところになります。


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