価格はロジカルに動く

ここのところ、景気の減速傾向が鮮明になっています。

「株価は上昇しているじゃないか!」と自民党のセンセー方の反論を受けそうですが、それは現在の株価が間違っているだけの話です。

世界景気全体は減速傾向であり、その結果、嗜好品であるブランド品の価格の下落が鮮明になってくるでしょう。

今回は、金相場にからめてブランド品の話もしていきたいと思います。

※念のため、私はブランド品などの嗜好品の専門家ではないことをあらかじめお断りしておきます。

スコットランドのエジンバラに立つアダム・スミスの像

価格は、アダム・スミスの『国富論』に規定されているように「神の見えざる手」によって決定されると思っている方は多いでしょう。

私はいろいろなマーケットの分析を行っており、確かに現在の株価などは本当に「神の見えざる手によって決定されているな」という心象を受けます。

しかし、ほかの金融商品などは極めてロジカルな動きになっている心象です。

その代表例が金であり、去年の10月に1200ドル割れを示現しており、2月19日現在1320ドル台まで上昇しています。

この間の値上がりを120ドルとし、為替が110円で安定しているとすれば、日本円での金の価格は約420円上昇していることになります。

つまり1kgの金塊、金のバーを買ったら、42万円の利益が出ているのです。

参考までに1kgの金塊を買うのに必要なお金は420万円になります。

ほかに100gのバーなども販売していますので、受付からお聞きください。

金価格予測のおさらい

私は去年の10月に金の買いを推奨していました。

2020年までとこれからの金価格予想【2】

たった5ヵ月の間に1割も上昇しており、予測は外れているわけではありません。

しかも、以前にも示したように7月の中旬から8月の上旬まで金は上昇する予定となっていますので、まだ道半ばです。

また、「買うのであれば1月ですよ」と話しましたが、それも的中しました。

1月は現実的に価格が下がりはしないが横ばいという形になり、いい買い場を提供したと思います。

このような予測ができるのは、おそらく私自身が金価格予測をロジカルに行っているからでしょう。

まだまだ至らない点はあると思いますので、この精度をより上げていくように精進します。

根本を押さえれば予測は難しくない

ドル価格が上昇すれば金の価格は下落、ドル価格が下落すれば金価格は上昇する

ここでは何度も触れましたが、金価格はドル価格の上下動に反相関関係にある、という基本中のキホンを押さえれば予測ができます。

すなわち、ドルの価格が上昇すれば金の価格は下がり、逆にドルの価値が下落すれば金の価格は上昇するのです。

この関係性がわからない方にとっては、金の価格はアダム・スミスが言ったように「神の見えざる手」によって決定されると感じることになるでしょう。

何が言いたいのかと言えば、価格というものは実は根拠があって動いているのであって、そのロジックの根本を見つければ先行きの予想はそれほど難しくないということです。

減速が始まったアメリカ経済

クリスマス商戦のある12月はアメリカで一番モノが売れる

現在アメリカでは、トランプ政権発足後から始まった好景気が正念場にきています。

リーマンショックで大打撃を受けたアメリカ経済ですが、オバマ前大統領やトランプ大統領によって大きく復興しました。

「アメリカがカゼを引いたら日本もかぜを引く」の例えのように、世界経済はアメリカ次第の側面があります。

そのアメリカ経済が去年の12月より減速してきているのです。

アメリカでモノが一番売れるのはクリスマスのある12月なのですが、その小売売上が去年より売れていなかったことが2月15日に判明しました。

トランプ大統領が誕生した2017年以来ずっと景気を拡大して、世界経済の成長けん引役を担ってきたアメリカの減速の兆候が顕著に表れたのです。

これが何を意味するかと言えば、ドルの価値の減価、つまり値下がりを意味し、ドルが値下がりすれば金の価格は上昇するという上記通りの展開となっています。

アメリカ以外の主要国の景気

中国をはじめアメリカ以外の主要国も景気には暗雲が立ち込める

アメリカ以外の主要な国はどうかと言えば、ヨーロッパはイタリアやフランスの問題で不景気、中国も去年から不景気です。

中国やアメリカへの輸出によって景気が上向く日本は、この2ヵ国が弱くては経済が上向くはずもありません。

世界の主要国はまだ好景気だけど、その好景気循環の流れの下押し圧力になっています。

金価格とブランド品価格

ヨーロッパとのEPA(関税協定)によってグッチなどヨーロッパブランドの値下がりは期待できる

皆さんのお好きなブランド品は、好景気循環のピークで最高値になるのが常であって、ヨーロッパと日本のEPA(関税協定)によってシャネル、グッチ、ビィトンなどのヨーロッパブランドの値下がりは期待できるでしょうが、根本的には中古品でもまだ高値水準にあると思います。

景気で一番先行して現れるのは株価であり、自民党のセンセー方が言うように、株価が高いうちは景気が良いのは間違いではありません。

しかし、現在の株価は経済の実態を表していなく、高過ぎる状態です。

庶民も株価を見て、景気がまだ良いと信じる傾向にありますから、ブランド品の相場も中古品を含めて高い水準のままです。

しかし、金の価格が夏まで高いということは、ドルの価格は夏まで下がることを意味しています。

ご存知のようにブランド品は生活に余裕のある人が買うものであって、全体の景気が冷え込んできたら、そのブランド品全体の需要も下がることになります。

なぜ今ブランド品が売りで夏以降が買いなのか?

ブランド品を買うなら今度の夏がおすすめ!?

素人ですので何とも言えませんが、マーケットはすでに株価の下落を見始めているので、おそらくブランド品の需要が落ち込むことになるでしょう。

金と違い、ほかの商品の価格は基本的に需給によって決定されます。

景気が冷え込み生活に余裕がある人が少なくなれば需要は減り、価格は低下するということです。

現在、皆さんが好景気循環と勘違いしていますから、今の時期に不要なブランド品は売り払い、安値になる夏過ぎころに欲しいブランド品を買うという戦略が定理になるでしょう。

ブランド品を売り買いするときの注意

ロンドンのボンドストリートに立つデビアス社の旗艦店

ダイヤモンドの有力メーカーであるデビアス社は、景気の過熱・後退によって価格を調整したり供給を絞ったりして、価格の安定化を70年以上にわたって続けています。

その結果、昔ほどは業界に影響はありませんが、今でもダイヤモンドの価格決定権には大きな力を持っています。

デビアス社がこのような価格調整によってブランド力を維持してきた例を見て、同じ戦略を取るブランド品メーカーがあることも頭に入れておく必要があります。

詳細な戦略は専門家にお任せするべきですが、中古品市場はメーカーの息がかからない分野になりますので、必ず値段の上下動があります。

生活に余裕はないけどブランド品は欲しいという人は、世の中に一定数存在します。

でも、生活に余裕がないからできるだけ安い値段で買いたいという方は、今は手持ちのブランド品を手放し、夏まで待って買うという戦略が妙手だと個人的に思うのです。


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